【金とプラチナ】希少なのはどちら?今後の見通しも解説

世代や性別問わず絶えず人気な金とプラチナ。身につけている方や、将来に向けて自宅に保管している方も少なくありません。需要度の高い2つの金属ですが、それぞれ希少価値は異なります。今後の相場予測と併せて確認していきましょう。
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プラチナと金はどちらが希少?
アクセサリーの素材として比較的使用率が高いプラチナと金。プラチナはリングやアクセサリーの土台としても多く使用されており、自動車や工業製品のものにも幅広く活用されています。金はプラチナ同様アクセサリーの素材で使用される他、金塊のまま保持しておく方も多いです。双方人気が絶えない金属ですが、希少価値が高いのはどちらの金属でしょうか。
プラチナの方が希少
結論、プラチナは希少性の高い金属です。プラチナは金と比べて生産量・採掘量が少なく、1年の中で生産される量は約200tほど。一方金の1年の生産量は約2500tと10倍程違います。
現在の研究では地球に埋まっている量もプラチナは金よりもはるかに少ないと計測。すでに採掘されているものを含めても地球上に存在するプラチナの総量は16000tと推計されています。金の総重量が20万t以上とされていますのでその差は歴然です。
さらにプラチナは生産地域も一部の土地のみに限定されています。年間の生産量のうち70%が南アフリカ共和国、残りの20%がロシア、10%がアメリカ・ジンバブエ・カナダの内訳です。この割合をみてもいかに限定された地域にしか存在しないことがわかるでしょう。一方金を生産する国は世界各国に存在しており世界規模で生産が行われています。
量と生産地域の2つの側面を比べるとプラチナの方がはるかに希少価値が高いとわかるでしょう。
金がより希少に
プラチナの方が珍しい金属ですから、金と比べてプラチナの方が価値は高いと思われるかもしれません。ですが、珍しいはずのプラチナはいつからか金と立場が逆転してしまいました。なぜそのような事態になってしまったのか、その原因はプラチナと金、それぞれの使用用途の違いにあります。
プラチナの持つ不安定さ
皆さんはプラチナと聞くとやはりアクセサリーを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかしプラチナがアクセサリーとして使用されるのは全体の35%ほど。残りは医療器具・工業用品・自動車部品に使われているのです。
工業用として活用されることが多いプラチナ。その側面が価格に影響しています。例えば2008年頃に起きたリーマンショックで、プラチナを多く使用している自動車産業が大打撃を受けました。車の売れ行きが低下した影響で、プラチナの価格も低下する事態に。
またアクセサリーとしてのプラチナは実は中国と日本が中心だと知っていましたか?中国において2000年に突入してからその人気は下がりました。中国は宝石店等のコストパフォーマンスをあげるため、純度の低いプラチナを使用しアクセサリーを製造するようになったことが原因です。
工業用としてのプラチナは景気に左右され、アクセサリーとしてのプラチナは中国の大きな市場で下火になっています。プラチナの持つ不安定な部分がおわかりいただけたでしょうか。
金は世界的レベルの資産
一方、金は価格が落ちにくい金属であり、世界各国で共通の資産であることから投資価値も高いとされています。市場も大きく、世界中で「価値あるもの」として古くから認められてきました。金は特に不景気時に価値が高まるため、もしもの時に備え金を保有しようとする動きが増えています。プラチナの方が希少性が高いのは明らかですが、せっかく資産として保有しているのに日々の値動きにハラハラして過ごしたくはないですよね。この金の安定性が価値の逆転現象を招いているのです。
今後のプラチナ相場は?
価格の変動が起きやすく、金と比べて貴重度が落ちてしまったプラチナでしたが、現在上昇傾向にあります。2020年には各国の経済状況により、相場は低下。しかし、2021年からは生産業の回復により、少しずつ相場が回復しています。プラチナは様々な事象から相場の変動が起きやすいため、特に影響を及ぼしやすい項目を把握しておきましょう。
世界の経済状況による
プラチナは経済状況によって価格が変動します。先ほどもお伝えしたように、プラチナの生産量の90%は南アフリカ共和国とロシアです。各国の経済が活発化することによって、プラチナの価格相場は上昇する可能性があります。
例えば1998年にロシアで起こった金融危機では、プラチナの輸出が停止したことにより相場が上昇。2008年のリーマンショックが発生する前も、南アフリカの財政や採掘状況の影響を受け、プラチナの価格相場は上がりました。このように、特にプラチナの生産量が高い南アフリカとロシアの経済状況によって相場が変動する可能性はあります。
各産業との需要関係
プラチナは需要の増減によって、相場が変動する場合もあります。プラチナは産業などで活用されることが多いため、特にプラチナの使用率が高い自動車産業からの影響は大きいです。例えば2020年では第2四半期に低下したプラチナの取引需要は、第4四半期では2019年の水準よりも高くなるほど回復しました。これはディーゼル車の需要や車の触媒がプラチナに変わったことなどが影響しています。
このように自動車産業や他産業の動向と強い関係があるため、定期的に注目しておくことで、相場の変動にも対応できるでしょう。
資産としておすすめなのは?
プラチナは生産量の少ない珍しい金属ですから、資産的価値のある金属と考える方がたくさんいます。しかし上記でお伝えしてきた通り、プラチナの価格相場は経済や産業による変動が多々みられるため、現在では金の方が需要・価値共に高いとされてきました。
様々な要因によって相場の変動を受け易いプラチナですが、決して資産的価値が低いわけではありません。価格の上下が盛んなプラチナは、価格の安い時に購入しておけばいずれ大きく化ける可能性も。このように投機色が強いので一部の投資家には人気が高い金属です。
まとめ
金の生産量は多く、資産的価値も継続して高いです。一方、プラチナは希少価値が高い反面、相場は金と比べて変動が多い金属と言えるでしょう。プラチナは世界各国の状況で価格が変わりやすいため、社会情勢にアンテナを張りつつ価格相場を常に確認しておくことをおすすめします。