小判の価値が高い種類はどれ?
買取相場や高く売るポイントも紹介
歴史的価値を持つ小判が、高額で取引されていることをご存じですか?
徳川家康が命じて鋳造された小判から、現代に発行されているものまで、小判には様々な種類があります。
特に、希少価値の高い小判は、驚くほどの価格で取引されることもあります。
この記事では、小判の中でも価値が高いとされる種類について詳しくご紹介します。
また、小判の買取相場や高価買取につながるポイントも解説していますので、小判の査定を受ける際の参考にしてみてください。
Contents
小判の価値や特徴は?
小判は、安土桃山時代である1590年(天正18年)に、徳川家康により製造された貨幣です。
江戸時代に入り、バラバラだった貨幣制度が統一されて、小判が市場に出回るようになりました。
ここでは、小判の価値や大判との違いなどの特徴をご紹介します。
小判の歴史的な価値
江戸時代には、10種類の小判が作られ、額面を極印に変えることで量産を可能としていました。
しかし、小判は昭和14年(1942年)の日本銀行法によって、紙幣と引き換えることができなくなり、徐々に姿を消していきました。
今では目にすることが少なくなった小判ですが、その歴史的価値とともに、素材としての金の価値も注目されています。
近年、金価格の上昇が続いており、それに伴い小判の買取価格も高騰しています
相場価格(円/g)
大判と小判の違い
江戸時代を代表する金貨である大判と小判は、用途や特徴において違いがあります。
大判は、16世紀以降に作られた金貨で、大型の楕円形です。
最古の大判である天正大判は、165gほどの重さがあり、金の含有率は70%~76%を誇っています。
品位と量目を保証する刻印に加えて、墨が施されているのが特徴です。
一方、小判は大判に比べて、小ぶりで持ち運びやすいのが特徴です。
貨幣として流通させることを目的に作られました。
流通量が多い小判は小ぶりなため、価値としては大判に劣るものの、コレクターの間では今も高い人気を誇っています。
価値の高い小判の種類を紹介
ここからは価値の高い小判を、3つに分類してご紹介します。
- 1.江戸時代の小判
- 2.現代の小判
- 3.希少価値の高い小判
小判の名称とともに、その特徴もご紹介しますので、様々な種類の小判をぜひご覧ください。
江戸時代以降の小判
江戸時代の小判は貨幣として使われていたため発行枚数が多いですが、中には希少価値が高い小判もあります。
1.慶長小判
慶長小判は、江戸時代を代表する小判です。
慶長大判と同じく慶長6年(1601)に作られました。
小判名 | 慶長小判 |
---|---|
発行年 | 1601年 |
素材 | 金84% |
重さ | 18g |
買取相場 | 数10万~170万円程度 |
慶長小判は、天下統一を果たした徳川家の威光を示す金貨です。
歴史的にも価値が高く、希少価値のある小判として知られています。
2.元禄小判
元禄小判は、元禄8年(1695年)に製造されました。
「元禄の改鋳」を象徴する金貨で、5代将軍徳川綱吉が貨幣の流通量を増大させる目的で製造されたと言われています。
小判名 | 元緑小判 |
---|---|
発行年 | 1695年 |
素材 | 金57% |
重さ | 18g |
買取相場 | 30万~100万円程度 |
元禄小判は、当時、金の産出が少なかったため、金の含有量が少ないことが特徴です。
しかし、慶長小判と同様に、歴史的な価値が高い小判となっています。
3.宝永小判
宝永小判は、江戸幕府が正徳元年(1710年)から発行していた小判です。
裏面に刻まれた「乾」という極印から「乾字小判」という別名でも知られています。
小判名 | 宝永小判 |
---|---|
発行年 | 1710年 |
素材 | 金84% |
重さ | 9g |
買取相場 | 50万~100万円程度 |
宝永小判が作られた背景には、元禄小判の金の含有量が低く、その耐久性にも問題があったことが挙げられます。
そのため、宝永小判では金の含有率を大幅に増やし、慶長小判に近い84%にしたと言われています。
しかし、金の含有率を高めた結果、宝永小判の大きさは慶長小判と比べて約半分に小型化されることとなりました。
4.正徳小判
1714年(正徳4年)に発行された正徳小判は、元緑小判と大きさや重さがほとんど同じです。
金の含有率やデザインが異なるだけなので、見た目で違いを判断しなければなりません。
小判名 | 正徳小判 |
---|---|
発行年 | 1714年 |
素材 | 金84% |
重さ | 18g |
正徳小判は、金の含有率を慶長小判と同等まで増やすために作られました。
しかし、金の産出量が不足していたため、短期間しか製造されていません。
発行枚数が少ないため、希少性の高い小判として現代でも価値が高い小判です。
5.享保小判
享保小判は、正徳5年(1715年)に、金の含有率を高めるために作られた小判です。
当時、元禄小判は金の含有量が低かったため、貨幣価値が下がり、経済に混乱をもたらしていました。
この問題を解消して経済を安定させるため、金の含有率を高めた享保小判が発行されることになりました。
享保小判は、元禄小判や宝永小判を改鋳することで製造されました。
小判名 | 享保小判 |
---|---|
発行年 | 18世紀初頭 |
素材 | 金87% |
重さ | 18g |
改鋳によって享保小判を流通させたものの、小判の流通量を減らす結果となり、結果的に20年ほどしか使われませんでした。
6.元文小判
元文小判は、元文元年(1736年)から作られた小判です。
享保小判の反省を活かし、元緑小判の改鋳とともに市場の通貨量を増やすために作られました。
小判名 | 元文小判 |
---|---|
発行年 | 1736年 |
素材 | 金66% |
重さ | 13g |
元文小判は、金の含有率を低くしています。
慶長小判や享保小判とは金の含有率が異なるため、それらを元文小判と交換する際は、元文小判の方が多くなるように取り引きされました。
その結果、元文小判の市場への流通量が増え、その後80年にわたって改鋳は行われませんでした。
元文小判は、小判の中でも発行枚数が非常に多い小判だと言えます。
7.文政小判
文政小判は、文政2年(1819年)から作られた小判で、裏面に草書体で「文」の字が入っているため「草文金」とも呼ばれます。
小判名 | 文政小判 |
---|---|
発行年 | 1819年 |
素材 | 金56% |
重さ | 13g |
文政小判は、元文小判と同様、少ない金の含有率で大量発行された小判です。
8.天保小判
天保8年(1837年)から発行された天保小判は、貨幣製造技術の歴史上、重要な転換点となった貨幣です。
小判名 | 天保小判 |
---|---|
発行年 | 1837年 |
素材 | 金57% |
重さ | 11g |
元来、小判は手作業で作られていました。
しかし、天保小判ではローラーを用いた機械的な延金方式が採用されました。
これにより、天保小判の発行枚数は800万枚以上と、大量生産されたことから現代でも入手しやすい小判と言えます。
また、金の含有率も低いことから、比較的入手しやすい価格となっています。
9.安政小判
安政6年(1859年)から発行された小判は安政小判です。
発行の背景には、開国により国内の金貨が海外へ大量に流出する事態が発生したことが挙げられます。
金の含有率を低くし、サイズも小さくしましたが、アメリカが価値の低下による国際取引への影響を強く批判したため、安政小判はわずか3カ月という短い期間で廃止されました。
小判名 | 安政小判 |
---|---|
発行年 | 1859年 |
素材 | 金57% |
重さ | 9g |
安政小判は、廃止と同時に流通していた小判も回収されています。
急激な政策転換により、発行総数は限られており、現在、日本国内で残存する数も非常に少ないとされています。
10.万延小判
万延元年(1860年)、江戸幕府は日本貨幣史上最後となる万延小判を発行しました。
万延小判は、もっとも新しい小判ということで「新小判」と呼ばれたほか、そのコンパクトなサイズから「雛小判」という愛称でも親しまれました。
小判名 | 万延小判 |
---|---|
発行年 | 1860年 |
素材 | 金57% |
重さ | 3g |
万延小判は、金の含有量が歴代小判の中で最も低く抑えられており、大きさも最小であるという特徴があります。
現代の記念小判
小判が発行されたのは、江戸時代だけではありません。
現代では記念小判が発行されています。コレクターからも人気のある現代の記念小判をご紹介します。
1.Hello Kitty 純金小判
Hello Kitty 純金小判は、「ハローキティ50周年」を記念して作られた小判です。
純金で作られているため、価値が高いことはもちろん、ケースにも特徴があります。
ハローキティのキラキラしたホログラムが散りばめられており、ファンにはたまらない逸品となっています。
Hello Kitty 純金小判は、宝飾メーカーの「ナガホリ」が発売した小判です。
2023年11月20日時点で、10gの純金小判は308,000円(税込)、3gの純金小判は92,400円(税込)で販売されました。
2.ディズニーミッキーファンタジア純金小判
ディズニーミッキーファンタジア純金小判はディズニー公認の純金小判です。
ファンタジアのミッキーは希少性が高く、ファンの間で非常に高い人気を誇っています。
20gと10gの小判のセット販売と単品販売があり、コレクションとしても資産としても申し分ありません。
特製ケースとなるディスプレイも豪華で、造幣局の刻印も入った小判です。
3.ウォルトディズニーカンパニー創業100周年限定小判
ウォルトディズニーカンパニー創業100周年限定小判は、期間限定で発売された小判です。
ウォルトディズニー創業100周年を記念して、純金製とプラチナ製が作られました。
限定小判ということもあり、現在、高値で取引されています。
2023年12月30日に販売終了となりましたが、30gは858,000円(税込)、10gは286,000円(税込)で販売されていました。
4.東京2020オリンピックエンブレム純金小判
東京オリンピックを記念して作られた小判です。
小判の重さによって販売価格は異なっており、2021年9月30日時点の価格は以下のとおりです。
- 純金小判10g:200,000円(税別)
- 純金小判20g:400,000円(税別)
- 純金小判55g:1,100,000円(税別)
枚数が限定されており、コレクターからも人気のある小判です。
5.札幌オリンピック純金小判
1972年の札幌オリンピックを記念して作られた小判です。純金(24金)と22金製が作られました。
記念小判として発行枚数が限られているため、価値の高い小判だと言えます。
希少性の高い小判
希少性が高く、歴史的な価値もある小判を2枚紹介します。
1.駿河墨書小判
駿河墨書小判は、日本最古の小判とされ、文祿4年(1595年)に登場したと言われています。
駿河墨書小判の特徴は丸い形状で、徳川家もしくは豊臣家が製造を命じたと言われています。
金の含有率も84%と高いですが、それよりも歴史的価値と希少性から、高値で取引されている小判です。
2.武蔵墨書小判
武蔵墨書小判は、駿河墨書小判と並んで最古の小判と言われています。
特徴としては、楕円形であり、駿河墨書小判よりも重いことが挙げられます。
発行枚数が非常に少なく、希少性が高いため、こちらも高値で取引されています。
本物の小判を見分ける方法
世の中には、偽物の小判が数多く出回っています。
そのため、本物の小判かどうか、見分ける方法を知っておくことは大切です。
ここからは、4つのポイントを挙げて、本物と偽物の小判を見分ける方法をご紹介します。
希少価値の違い
小判には数多くの種類がありますが、発行枚数や小判の種類によって、希少価値は大きく異なります。
希少価値の高い小判ほど、高い価格が期待できます。もしお手元に小判をお持ちなら、希少価値のある小判かどうかの確認がおすすめです。
墨書や刻印の違い
日本で発行された小判には、発行された時代によって墨書や刻印が施されています。
江戸時代以前の小判には墨書、江戸時代以降の小判には様々な刻印が打たれています。
また大判、小判問わず「槌目」と呼ばれる模様が刻まれていることも大きな特徴です。
重さや質感の違い
小判は種類によっておおよその重さや質感が決まっています。
事前に重さや質感について知っておくことで、誤って本物ではないものを手にするリスクを減らすことができます。
磁石にくっつかない
小判は、純金や純銀でできているため、磁石にくっつきません。
一方で、偽物の小判は鉄を配合している場合が多く、磁石にくっつく特徴があります。
磁石を使えば、鉄の入っている偽物については簡単に見分けることができます。
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小判の買取相場はどれくらい?
お持ちの小判が本物だった場合、高く売れるかどうかは小判の買取相場によって異なります。
ここでは、小判の買取相場や高価買取が期待できる小判の種類をご紹介します。
小判の買取相場は?
小判の買取相場は、小判の種類や希少価値に加え、金の買取相場にも大きく影響を受けます。
近年、金の買取相場は上昇傾向にあり、特に金の含有率が高い小判は、高価買取が期待できます。
さらに、希少価値の高い小判は、その歴史的価値などから金の買取相場を上回る金額で取引されることもあります。
そのため、珍しい小判をお持ちの場合は、買取査定を通じて希少価値を確認してみることをおすすめします。
高価買取が期待できる小判
高価買取が期待できる小判は、希少性が高かったり、金の含有率が高かったりする小判です。
今回紹介した小判の中で、高値買取が期待できる小判をご紹介します。
- 慶長小判
- 元緑小判
- 正徳小判
- 享保小判
- 記念小判
- 駿河墨書小判
- 武蔵墨書小判
上記で挙げた小判は、高く売れる可能性を秘めた小判です。
該当する小判をお持ちなら、ぜひその価値を「おたからや」でお確かめください。
- おたからや査定員コメント
小判の価格は、金の市場価格に大きく影響されます。近年、金の市場相場は大幅に上昇しており、今後も緩やかな上昇が続くと予想されています。
その背景には、金の埋蔵量が限られていることに加え、安全資産としての価値が一層高まっていることが挙げられます。
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