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    その歴史や金本位制へ移行した
    背景をわかりやすく解説

銀本位制とは?
その歴史や金本位制へ移行した
背景をわかりやすく解説

現在の管理通貨制度が登場するまで、銀本位制や金本位制といった通貨制度が世界経済を支えていました。銀本位制とはどのような制度で、なぜ現在は廃止されているのでしょうか。銀本位制に精通することで、歴史において銀が果たしてきた役割を知り、今なお高い価値が認められている理由がわかるはずです。

この記事では、銀本位制と金本位制の違い、銀本位制のメリット・デメリット、日本で採用されていた時期などについて詳しく解説します。

銀本位制とは
「銀の保有量に応じて
通貨量が代わる制度」

銀本位制(ぎんほんいせい)とは、国が保有する銀の量と、通貨の発行量を対応させる仕組みのことです。

国が紙幣や硬貨を発行するためには、相応する量の銀を保有していなければなりません。銀本位制は、国が保有する銀の量に応じて市場に出回る通貨の量が変動する制度だといえます。

銀本位制において、貨幣制度の基準となる「本位貨幣」は銀貨と定められます。また、本位貨幣そのものに加え、本位貨幣との引き換えが保証される「兌換紙幣(だかんしへい)」も流通していました。

なお、本位貨幣と引き換える保証のない紙幣は「不換紙幣」と呼ばれます。国家の信用の名のもとに、戦争などが起こった際に不換紙幣が大量発行されてインフレの原因となった事例も少なくありません。

金本位制との違い

銀本位制と金本位制の違いは、通貨の発行量に対応させる本位貨幣にあります。

金本位制では、本位貨幣を銀より希少性の高い金に定めています。歴史の流れを見ると、銀本位制を採用していた各国は、経済成長にともなって徐々に金本位制へと移行していきました。

銀本位制を導入する
メリット・デメリット

ここでは、銀本位制を導入するメリット・デメリットを紹介します。

メリット

銀本位制を導入するメリットとしてまず挙げられるのは、国の経済が安定しやすいことです。銀本位制において発行される兌換紙幣は、国の保有する銀といつでも交換できるため、高い信頼性があります。国民が通貨を安心して使えることで経済がよく回り、景気も安定しやすいのです。

また、国際貿易をスムーズに行なえることもメリットの一つです。銀本位制では通貨の価値が一定量の銀と紐付けられています。そして、銀の価値は世界共通であるため、為替の変動によって損得が生じる心配がありません。

国際貿易を行なうタイミングを見極める必要がなくなることで、スムーズな取引が実現します。

デメリット

銀本位制を導入するデメリットとして、経済成長の足かせになることが挙げられます。

銀本位制で発行できる通貨の量は保有する銀の量に対応するため、市場に出回るお金の量を自由に増やせません。経済が好調に回っていても、流通する通貨の量に限界があり、成長の足かせとなるのです。

対して現在の管理通貨制度では、国が経済状況を見極めながら自由に通貨を発行することができます。

また、貿易によって他国との経済格差が生まれやすいこともデメリットの一つです。

国際貿易における輸入額が輸出額を上回る国では、銀が海外へ流出することになり、国の銀保有量が目減りします。銀本位制において銀の保有量は国の経済力に直結するため、銀が流出することで他国との経済格差が生まれてしまうのです。

日本で銀本位制が
採用されたのはいつ?

かつて日本でも採用されていた銀本位制。どのような経緯を経て銀本位制は姿を消し、現在の管理通貨制度へと移り変わっていったのでしょうか。

ここからは、日本で銀本位制が採用されていた時期や、金本位制へと移行した背景について解説します。

日本で採用されたのは19世紀後半

日本で銀本位制が採用されたのは19世紀後半のことです。

1871年、明治政府は幕末期に混乱した貨幣制度を整理する目的で「新貨条例」を公布します。その時点の条例では、銀本位制ではなく金本位制の採用をうたっていました。

1877年、西南戦争における戦費調達のために政府は不換紙幣を大量に発行し、紙幣価値が下落して日本経済はインフレ状態に陥ります。この状況を打開するために、1881年に大蔵卿に就任した松方正義が不換紙幣の整理を断行しました。

その後、1885年にようやく紙幣価値が回復し、本位貨幣である銀貨と交換可能な日本銀行券が発行されます。これにより、事実上の銀本位制の採用となりました。

松方財政の主要な政策

1880年代に松方正義が展開した財政・経済政策を「松方財政」といいます。松方財政の主要な政策は、紙幣整理事業や日本銀行の創設、銀本位制の導入などが挙げられます。

紙幣整理事業では、税収を増やして歳出を減らすことで紙幣の流通量を減らし、通貨の価値を底上げしました。

1882年には、ベルギーの中央銀行をモデルに日本銀行を創設。そして、「日本資本主義の父」としても知られる実業家の渋沢栄一らの考えをもとに銀本位制をスタートさせました。

金本位制へ移行した背景

19世紀後半、長らく続いた銀貨の時代が終えんを迎え、当時のイギリスによる金本位制が世界中で採用されました。金本位制によって世界中の貨幣と金が簡単に交換できるようになり、文化が異なる国同士でのスムーズな貿易が実現したのです。

日本では1897年に日清戦争の勝利で得られた大量の賠償金を元手に、金本位制がスタートしました。

しかし、第一次世界大戦にともなう世界大恐慌によって、世界の国々は金本位制の維持に必要な金を保持できなくなります。

1931年9月にイギリスが金本位制を離脱すると、欧州各国が続々と金本位制を停止。同年12月には日本も金本位制から離脱することとなりました。

その後、世界経済の中心はアメリカ主導による金・ドル本位制、そして現在の変動相場制へと移行していくことになります。

銀の価格は上昇傾向にある!

ここ10年の銀価格推移を見ると、近年は高値で推移していることがわかります。2018年に1gあたり50円前後だった銀の買取価格は、2024年には150円程度まで上昇しているのです。

銀価格上昇の理由としては、物価が継続的に上昇するインフレのほか、工業用途や投資向けの需要が増していることなどが挙げられます。銀製アクセサリーや純銀メダルなどは、買取専門店で買い取ってもらえる可能性が高いでしょう。

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まとめ

かつて世界各国の通貨制度を支えていた銀本位制。日清戦争で得た賠償金をきっかけに金本位制に移行しましたが、松方財政の主要政策の一つとして日本経済にも歴史を刻みました。

現在でも銀は、工業や投資、アクセサリーといった幅広い分野で高い需要を誇っています。近年の銀価格は高値で推移しているため、純銀製のアクセサリーや地金型銀貨を持っている方は、ぜひおたからやにご相談ください。

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