世界で最も愛用され、認知度が一番高いブランドと言えばルイ・ヴィトンでしょう。
日本ともゆかりが深く、日本人に最も愛されているハイブランドと言っても過言ではありません。
ルイ・ヴィトンには様々なラインのバッグがありますが、中でもスピーディは大変人気があります。
ここでは、スピーディについて詳しく見ていきます。

ルイ・ヴィトンの歴史

スピーディのバッグを語る上では、そのブランドがどのような歴史をたどってきたか知る必要があります。ルイ・ヴィトンを愛用している人は非常に多いですが、歴史をはっきりと認識している人は少ないです。

ルイ・ヴィトンとはフランス発のハイブランドです。もともとは旅行鞄に特化した専門店であり、王侯貴族に非常に愛されていました。トランクの上から布地を張るなどといったデザインがお洒落であり貴族たちにもてはやされたのです。しかしこのデザインは模倣されることも多く、後にダミエシリーズなども開発しています。灰色と黒、茶色とベージュの格子文様であり、今でも人気のラインです。頑丈でお洒落であり耐久性に優れるバッグであって、これを模倣されることも多く、ルイ・ヴィトンは常に模造品とのあくなき戦いが強いられるブランドでした。

それでもルイ・ヴィトンは模倣品にめげる事なく、モノグラムラインを1896年に開発しました。LVのロゴと共に日本の家紋の様なデザインが施されているものであり、ルイ・ヴィトンの中でも最も人気のあるラインです。モノグラムは日本の家紋からインスピレーションを受けてデザイン開発されました。それゆえ、個性的でありながらも日本人が受け入れやすいデザインであって、爆発的に人気になったわけです。

1970年代にはすでに日本に直営店が開業されていました。1985年にはスタイリッシュなエピラインも発売される運びとなりました。当時、日本はバブルに突入する時期であり、OLや学生がエピのショルダーやボストンをこぞって買い占め、持ち歩く姿をたくさん見ることが出来ました。

2000年代に突入するとLVMHとして世界を股にかける一大企業と成り、ビジネスを拡大させていきました。経営危機に陥ったフェンディなどハイブランドを企業買収し、傘下にするなどして巨大企業に上り詰めたのです。世の中にあるハイブランドの多くが今やLVMHの傘下に収まっているほどです。マーケティングやプロモーション、背販促に商品開発などに長け、消費者ニーズをしっかり把握して様々な新作ラインやデザイン、カラーを発表しています。

スピーディはルイ・ヴィトンのバッグの中でも人気

ルイ・ヴィトンはもともと旅行鞄に特化したブランドでした。しかし、消費者から日常使いや普段使いできるデザインの鞄を作ってほしいと熱望され、スピーディを開発したのです。

初めてスピーディが販売されたのは1930年のことでした。当時はヌメ皮一色でスピーディは作られていました。1959年からモノグラムラインでスピーディは展開されるようになっていきます。後にダミエやエピラインでスピーディを販売するようにもなりました。最も人気があるのはモノグラムラインのスピーディです。

モノグラムラインのスピーディは、手持ちハンドルの部分だけがヌメ皮仕様になっており、おしゃれなアクセントになっています。モノグラムは水にも強く、撥水性にも長けており、なおかつ強い衝撃にも耐えうる頑丈さがあります。旅行鞄の制作で培った技術がそこに生かされており、何ら劣化することなく末永く使い続けることが可能です。モノグラム柄は、摩擦や傷にも強く傷がついても目立ちません。経年劣化もしにくいことから子供や孫、その次の代まで受け継ぐことのできるバッグなのです。

スピーディはボストン形式であり、いつの時代も流行にも流されない普遍的で定番のデザインです。そこが数あるルイ・ヴィトンの鞄の中でもスピーディがいつの時代でも人気である理由でしょう。ハンドル部分のヌメ皮は、最初はベージュ色ですが使い込むに連れて飴色に変化していきます。このように使い込むことで美しい飴色に変化することもルイ・ヴィトンを使う上での楽しみであり、愛着が強くなっていくのです。

開口部はファスナー仕様になっており、大きく口を開けることが出来るので、物を出し入れしやすいデザインとなっています。サイズ展開も豊富で、サイズによっては文庫本や500ｍｌのペットボトル、カメラなども十分収納でき持ち運びも楽な上、利便性が高く大容量なので、通学バックや通勤鞄として利用する人も多いです。お手入れも簡単であり、使った後は柔らかい布で軽く拭うだけでも大丈夫です。少しの手間できれいな状態で長年使い続けることが出来ます。

5種類のサイズ展開がある抜群の収納力のスピーディ

ルイ・ヴィトンのスピーディは使う目的や使う場所、つまりTPOに合せて5種類のサイズ展開から選択することが出来ます。5種類のサイズは、ナノ、25、30、35、40とあり数字が大きくなるごとにサイズも大きくなっていきます。

スピーディはハンドバッグとして持つだけでなく、ショルダーヘッドにストラップをつければ斜め掛けや肩掛けもできるようにデザインされているのです。鞄の強度を高めるために縫い目のマチ部分にはあらかじめ革ベルトもつけられています。非常に使う人の立場に立ったモノづくりがなされており、利便性の高いバッグでもあるのです。

では一つ一つサイズについて詳しく見て行くことにしましょう。

ナノは最小のモデルで必要最低限の物が入れられるモデルです。サイズは11×16×9センチとなっています。重量も軽く斜め掛けで持つのに適しています。女性ならダイレクトにリップやミラーを入れたり、スマホにカードケースなども十分入ります。世界的にミニバックやマイクロミニバッグがトレンドとなる中で、再びナノは注目を集めています。

スピーディ25は小物や化粧ポーチなどもしっかり収納できます。11×25×15センチでお財布も化粧ポーチもスマホも十分入る寸法となっています。デイリーに使うのに適しており、買い物や食事に出かけるのに持つと丁度良いです。

デイリーユースに最適とされるのがスピーディ30です。21×30×17センチでヘビーユーザーに最適です。その他には通勤や通学鞄にするとよいでしょう。B5サイズがすっぽりと収まります。

小旅行に最適なのはスピーディ35です。23×35×18センチの寸法となっています。タブレットのPCにA4サイズまで入ってしまうのでビジネスバッグとしておすすめです。大は小を兼ねるので、スピーディ35を購入しておくとどんなシーンにも対応でき通勤や通学鞄とすることもできます。一泊二日程度の旅行には十分なサイズと言えます。

最後にご紹介するのは大容量のスピーディ40です。25×40×19センチの寸法で旅行や出張などに対応できます。キーポルよりも少し小さいサイズのバッグを探している方におすすめです。

スピーディの中で希少性の高い製品

ルイ・ヴィトンはプロモーションや広告、販売戦略にも長けている企業です。年中様々な企画やイベント、ファッションショーを開催し、顧客はもとより世界中の人々に新たなファッションと価値観を発信し続けているのです。こうした販促活動も功を奏し、ほかの追随を許さない巨大企業へと発展したともいえるのです。それゆえ、ルイ・ヴィトンはアーティストや歌手、他のブランドとのコラボレーション企画なども頻繁に行っています。他のブランドとコラボレーションすることで、ほかのブランドの愛好家たちをルイ・ヴィトンに取り込むことも可能となります。このようにしてルイ・ヴィトンは誰にも真似できない巨大な利益を上げてきました。コラボレーション商品は、生産数も限定され希少性が高く非常に注目されています。期間限定での販売も相まって、なかなか入手が困難なのです。

このような希少性の高いレアなスピーディコレクションをご紹介しましょう。スピーディモノグラムグラフティはポップカルチャーの巨匠である米国のアーティスト、スティーブン・スプラウスとのコラボレーションでした。2001年発売であったものの、2004年に急激に市場価値が高まりました。スティーブン・スプラウスが50歳と言いう若さで亡くなったことも希少性に関連しています。

スピーディモノグラムチェリーも希少性の高いものです。日本の現代美術家である村上隆とのコラボレーションでした。モノグラムにチェリーを乗せた独創的でかわいいモデルです。日本人のデザインで日本人になじみ深いサクランボ柄ということもあり、日本では根強く人気があります。

スピーディモノグラムタッチは日本の前衛芸術家 草間彌生と、アメリカのファッションブランドのマークジェイコブスの三者によるコラボレーションです。それぞれのデザインの個性が見事に表出され、それでいて一つに上手くまとまって融合しているデザインなのです。もはや芸術作品の域であり、博物館や美術館関係者からも注目を集めたデザインなのです。コラボレーションには日本の芸術家たちがたくさん起用されているのもうれしい点です。

豊富な素材で作られているスピーディ

スピーディはモノグラム柄しか知らないという人も少なくありません。それほどまでにスピーディのモノグラム柄が人気であることを裏付けているのです。多くの人がモノグラムのスピーディを持っていますが、他にもユニークな素材やデザインでもスピーディはたくさん製造されています。

ダミエ柄もルイ・ヴィトンを代表する柄であり、モノグラムよりもずっと長い歴史を誇っています。ダミエ柄のスピーディはシックな雰囲気で落ち着きがあり、大人っぽいところが人気です。市松文様で構成されており、日本人にも非常になじみ深い柄なので装いに取り入れやすいと言われています。着物や浴衣にコーディネートしても違和感がありません。白とグレーのライトカラーは明るくフレッシュな印象な人にお勧めできます。

エピでもスピーディは製造されています。エピは大人っぽさと高級感を感じられる素材です。しっかりとした丈夫な皮革素材に線状の型押しのデザインで、非常にスタイリッシュなスピーディに仕上がっているのです。フォーマルな席でも最適であり、品性や格式が演出できます。ルージュやブルーセレストなどカラーバリエーションも豊富で、暗くなりがちの冬のコーディネートの差し色に使うのも良いでしょう。残念ながら2020年以降製造されていないものなので希少性が高まっています。

最後に、モノグラムのスピーディの魅力にも触れておきましょう。モノグラムのスピーディは明朗で快活なイメージを与えます。そのためカジュアルな雰囲気が特徴的で、普段のジーパンやＴシャツといったラフなスタイルに非常にマッチします。最近ではセミオーダーでモノグラムにイニシャルを入れられるモデルも販売されています。パンチで穴をあけたようなモノグラム・ペルフォなども発売されています。デニム素材でパッチワークのようにモノグラム柄が施されているモデルも発売されました。長い歴史とクラシカルなモノグラム柄ですが、最近では自由な発想と遊び心を反映させたデザインのスピーディも多くなってきています。

まとめ

ルイ・ヴィトンとはもともと旅行鞄専門店として起業しましたが、愛好家の要望にこたえる形でモノグラムのスピーディなどデイリーに使える鞄の開発と販売を行うようになりました。スピーディのサイズ展開は5種類でTPOに合わせて選択できます。スピーディの中には、芸術家たちとコラボレーションした希少性の高いモデルなども見られます。モノグラム以外の皮革素材やキャンバス地等も豊富で様々な素材でスピーディは作られており、自由な発想でデザインされるようにもなっています。これらの部分が使いやすさや形だけでなくスピーディが長年愛されている理由であると言えます。

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