ブランドの偽物やコピーアイテムは、
インターネットや海外で販売されており、
知らずに購入してしまうことも珍しくありません。こうした製品を買うことは、実はブランド企業の価値や技術、信頼を失墜させてしまうことを覚えておきましょう。
偽物やコピー商品が
ブランド価値を下げる
偽物アイテムやコピー商品を手にする人の中には、そのブランドが大好きだからという人も多いでしょう。ところが、偽物を購入することはその愛するブランドをかえって苦境に追いやる行為であることを知っていますか。
ブランドのアイテムが高額かつ高級である理由は、革やデザインにこだわり専門家やデザイナー、職人を雇っているからです。彼らの技術を使用するためには、お金が必要となります。そしてそのお金は、技術と確かな知識を持ち合わせている人材に支払うため、それなりの値段が必要です。
ブランドアイテムは、多くの人々の技術と知恵を重ねて誕生します。ところがそれをあっさりと真似され、偽物が販売された結果、コピー商品のほうが売れたとなるとどうなるでしょう。
コピー商品のほうが売れると、売れ残るのは当然本物のブランド製品です。いくら作っても本物のブランド製品は売れないという悪循環に陥ります。やがてブランドは質を落とさざるを得なくなり、それまでの洗練されたデザインの商品が販売できなくなる可能性も出てきます。優秀なデザイナーや技術者、職人を確保出来ないからです。
こうなるとブランドそのものの信用がなくなります。ブランドに価値が無くなれば、それまで手にしていた偽物も単なるバッグや財布となり、ブランド企業は最悪の場合廃業または倒産するのです。
気軽な気持ちや、安い値段にひかれてコピー商品や偽物を積極的に購入することは、自らそのブランドの価値を下げる行為に直結しています。本当にそのブランドを尊敬し、憧れるのであれば正当な価格でアイテムを購入することが、最も大切なことなのです。
しかもブランドの偽物はそもそも質やデザインが悪く、プロが見ればすぐに偽物であることがわかります。それは恥ずかしいことなのです。
偽物コピー商品ランクで
見つけにくさがわかる
最近の偽物やコピー商品は、次第に精巧になりつつあります。そのため、偽物にはランクが設けられました。ランクを参照にすれば、自分がどの程度の偽物ブランドアイテムを手にしているのかがすぐにわかります。買取専門店のプロでなければ見落とすランクの製品から、誰でも偽物とわかる粗悪品までランクが設定されているのです。
「N品」や「SS品」などは専門店のプロなら判断出来るアイテムと言われています。天然革を使用していたり、小物などもブランドがセレクトした店から買い付けしているといった、精巧な商品です。ですが、日常的にそのブランド品を愛好している人や専門家であれば、偽物であることはすぐに気づきます。
「S品」は天然革を使用しているものの、レベルの低い革を使用している偽物です。経年劣化ですぐにコピーであることがわかります。時計にも同じランクが適用されており、ムーブメント部分は問題なく動いても見た目ははるかに劣るものです。
最も大量に販売されており、ポピュラーな偽物アイテムは「A品」と呼ばれています。いわゆるコピー商品と呼ばれるアイテムはこのレベルの商品が多く、材料の質の悪さや粗悪さを隠しきれません。「A品」で使われるのは天然の革ではなく、人工の革です。劣化も早くビニールのような見た目であることからも、ブランドの価値からははるかに遠い存在となっています。
「A品」を持ち歩くことは、正々堂々と「偽物アイテムを持っています」と周囲に宣言するようなものです。専門家や愛好者でなくても気がつくので、ブランドの価値を下げると同時に所有者自身の品格も疑われてしまいます。このような偽物アイテムを購入するようなことは、絶対にあってはなりません。
偽物アイテムの見分け方
ブランドの偽物やコピー商品を見分けるためには、各部位を見ることが必要です。
バッグのような偽物アイテムの場合、「金具・刻印の形状」や「縫い目や裁断の処理」、「製造番号」といったポイントがあります。偽物の金具や刻印の作りは粗く、色もあせています。バッグの縫い目や裁断の処理部分は、ブランドのいわば技術の見せ所ですが、コピー商品などはこの部分が手抜きです。縫い目がそろっていないことや、触った感触に痛みがあるといった欠点がすぐに見つかります。ブランドによっては、バッグに製造番号を刻んでいることがありますが、偽物の場合は番号すらありません。
また、ブランドの偽物には箱や保存の袋といった付属品がないという大きな特徴があります。保証書なども存在しておらず、コピー商品としてもレベルの低さが露呈している傾向が強いものです。
ブランド時計にも、偽物が存在します。ロレックスなどのブランド高級時計は人気があるため、模造品やコピー商品が多いものです。最も簡単な見分け方には、シリアルナンバーを確認するという方法があります。ナンバーそのものが無いこともあれば、レーザー彫刻独特の粗さで刻印が施されているケースがあるものです。金属部分の研磨状態や時計本体の厚みも異なります。
専門家でなければわからない偽物がある分野は、宝石です。一般の方の目を通してみれば、違いがわからないものが多く、ルーペや顕微鏡などで確認して判別できるジュエリーは多数存在します。カットの方法が雑であったり、インクルージョンという内包物が無いといった特徴がありますが、よく見なければ判別は難しいものです。宝石が偽物かどうか見分けたいときは、専門店に持ち込み鑑定を依頼すると良いでしょう。
偽物アイテムやコピーを
持つことで背負う罪
ブランドの偽物アイテムやコピー商品は、海外旅行などの際に気軽に手にいれることが出来る上に、現代はインターネットでのオークションでのやり取りで騙されるといったケースも存在します。自覚の有無に関係なく偽物ブランドアイテムが生活に入り込む可能性があることは、否定できません。だからこそ、偽物ブランド商品を持つことは違法であることを認識すべきです。
特に偽物ブランドアイテムは輸入が法的に禁じられています。これを日本国内に持ち込んだ場合、罪を問われることになるのです。特許権と著作権の侵害に該当するため、罰を受けることになります。購入した人への懲罰は厳しく、懲役刑は5年以下もしくは500万円以下の罰金刑に処されることが、関税法で決められているのです。毎年のように税関では、偽物ブランドアイテムの取引が摘発されています。悪質なものはマスコミに公表され、大きく報道される可能性もあることを忘れてはいけません。
個人間でのオークションも、近年は取引を注意してほしい場所です。偽物ブランドはもちろん、絵画などの画面では判断しにくいアイテムが狙われる傾向にあります。
偽物ブランド製品は、偽物の見分け方の項目を参考にしながら商品画像をしっかり参考にすべきです。加えて、箱無しは購入しないといった決まりを自分の中でもうければ、簡単に騙されることは少なくなるでしょう。
絵画は作者のサインの有無や画風、タッチなど判断するポイントがたくさんあります。ですが、一般の方にこれらを見分けるのは難しいものです。信頼出来る店舗からしか購入しない、あるいは鑑定書が付属しているといった制限が必要と言えます。
どちらにせよ、偽物のアイテムを所有することは、本来のブランドの価値を下げる行為であることを忘れてはいけません。
まとめ
ブランドの偽物商品は、購入しても持っていても良いことはありません。本物かどうか不安な製品がある場合は、専門店などでプロに査定を依頼するという方法をとることも出来ます。自らコピー商品や偽物を買わないようにしましょう。
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