エルメスのバーキンは2024年2月に価格改定が行われて、トゴ素材が約26万円上昇しました。高い需要と少ない供給を背景に、二次流通はプレミアが付いて値段が高騰していることも特徴です。サプライチェーンの素材不足から、さらに納期待ちが長期間になったことも理由になります。
バーキンの値段は
素材によって変わります
近年のエルメスのバッグの値段が上昇しているのはなぜかというと、世界的な原料価格の高騰が製品に反映されていることにあります。素材のモデルによっては約5%程度から、高い物では数十%値上がりしたケースもあるのです。
トゴと呼ばれるベーシックな雄仔牛の革では約26万円程度値上がりし、クロコダイルポロサスは100万円近くの値上げ幅になっております。近年皮革の原皮の流通が不安定になっているため、最上級の皮革しか使わないエルメスでは素材不足による原料高がダイレクトに響いているのです。
またタンナーなどの高齢化による後継者問題や人件費の高騰、設備更新などの費用も最終的に製品価格に転嫁され、相乗的に定価が高くなっています。
新興国の富裕層の増加や投資によって世界的に富の偏重が出ていることも、こうした高級ブランドやサービスの需要拡大に拍車をかけています。エルメスでは供給が需要に追い付かないまま予約数が多くなったため、一時的に人気製品はオーダーストップしている状態だと言われています。そのため二次流通品はプレミア化しており、定価よりも高い値段で取引されているものが多いです。天然素材を使ったハンドメイドのため、供給量が限られてしまうことはメリットでもあり、その一方でこうした逆転現象を引き起こしているのです。
バーキンを購入するなら直営店
エルメスのバーキンを公式に購入するためには、日本国内の直営店やフランスのパリにある本店、世界各地にある直営店をチェックすることが必要です。しかし通常はお店に行ってもバックオーダー待ちが長く続いているバーキンやケリーは、店頭に並んでいません。
しかし入荷は全くないわけではなく、店頭販売分が年間を通じてわずかにあります。タイミングさえ合えば定価でバーキンを購入することが可能です。やはり直営店で購入することが、ブランド品を手に入れる時には一番の方法になります。
バーキン誕生の歴史
手荷物の整理整頓が苦手で、籐カゴに乱雑に荷物を入れていたジェーン・バーキンと、当時エルメスの会長であったジャン=ルイ・デュマの邂逅からバーキンが誕生したと言われています。
当時子育て中だったジェーン・バーキンは、自分が使いやすいバッグが欲しい事を、偶然機内で隣になったエルメスの会長であるジャン=ルイ・デュマに話しました。彼はその願いを引き受けて、エルメスのバッグの原形と呼ばれているオータクロアをサイズ変更しカジュアルに仕上げることでバーキンが誕生しました。オータクロアは正方形ですがバーキンは横長になっており、より荷物が入れやすい仕様です。
バッグの開口部はフラップで開け閉め出来て、サイドはマチ構造になっております。ベルトを外して全開にすれば、底の部分まで確認出来る視認性の高さはエレガントでありながら機能的です。ベルトを絞れば中に入れた荷物は散らばりませんし、荷物が多い時はベルトの調整で見た目よりも多くの荷物が入る機能的な構造をしています。
バーキンには外縫いと内縫いがあり、セリエと呼ばれる外縫いのモデルはステッチが表に出てエレガントになりますが、内縫いのモデルはカジュアルなトートバッグに似ています。サイドの部分はマチになっており、底へ行くほど広がった構造なので安定感も抜群なのが美しさと使いやすさを両立しています。コーディネートやシーンによって使い分けることができるのもバーキンの魅力です。
エルメスバーキンの細部の仕様
バーキンのこだわった細部の仕様をいくつか紹介します。
一つ目はカデナです。旅行カバンとして錠前カデナが装着され、開閉する鍵を優しく包むクローシュがキーホルダーとして採用されているのが特徴です。二つ目はフラップです。フラップは切込みとスリットによってベルトループの役割も担い、ベルトを外して中に収納すればトートバッグとしても使用可能です。三つ目はクロアです。バーキンのベルト部分はクロアと呼ばれており、荷物が飛び出すことを防ぐと同時に、カデナを施錠すれば防犯対策にもなります。クロアを通せば安定し見た目のアクセントになります。四つ目はバッグの底に4つの鋲を施し汚れやすい側面が当たらないように保護できる点です。
上記で紹介したように見た目の美しさと機能的な面が融合しているところがバーキンの特徴であり。魅力ポイントです。
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