バーキンの値段が高騰している理由はなぜかという疑問に答えます

エルメスのバーキンは2022年に価格改定が行われて、トゴ素材が約5万円上昇しました。高い需要と少ない供給を背景にして、二次流通はプレミアが付いて値段が高騰していることも特徴です。サプライチェーンの素材不足から、さらに納期待ちが長期間になったことも理由になります。
バーキンの値段は素材によって変わります
近年のエルメスのバッグは値段が上昇しているのはなぜかと言えば、世界的な原料価格の高騰が最終製品に反映されていることになります。素材モデルによっては約5%程度から、高い物では数十%の長利幅を見せたケースもあるのです。
トゴと呼ばれるベーシックな雄仔牛の革では約5万程度値上がりし、クロコダイルポロサスは100万円近くの値上げ幅になっております。近年の素材供給の不安定さから良質な皮革の原皮が安定的に市場に提供し難くなり、トップランクの皮革しか使わないエルメスでは素材不足による原料高がダイレクトに響いているのです。
またタンナーなどの老朽化による後継者問題や人件費の高騰、設備の一新などのコストも最終的には価格に転嫁されております。なぜ値段が上がったのかは、一つの要因ではなくこうして複数の要素が絡み合って相乗的に低下が高くなっているのです。
新興国の富裕者層の増加や投資によって世界的に富の偏重が出ていることも、こうしたハイクラスの商品やサービスの需要拡大に拍車をかけております。エルメスでは供給が需要に追い付かずに予約数も多くなったために、一時的に人気製品はオーダーストップをしている状態だと言われているのです。だから二次流通製品はプレミア化しており、定価よりも高い値段で取引をされております。天然素材を使い手作りでの生産になりますので、供給量が限られてしまうことはメリットでもあり、その一方でこうした逆転現象を引き起こしているのです。
バーキンを購入するなら直営店
エルメスのバーキンを購入したいのならば、日本国内の直営店やフランスのパリにある本店、世界各地にある直営店をチェックすることが必要です。しかし通常はお店に行ってもバックオーダー待ち状態が長く続いているバーキンやケリーは、店頭に並んでおりません。
しかし入荷は絶対にないわけではなく、店頭販売分が年間を通じてわずかですが組み込まれております。タイミングさえ合えば、定価にて直営店でバーキンを購入することが可能です。やはり直営店で購入することが、ブランドを手に入れる時には一番の方法になります。
場合によっては予約や取り置きなどを運が良ければ頼めることもありますが、一見ではなく常連である必要があるのです。バーキンなどの人気モデルは、他の商品を購入したエルメスファンに優先的に販売されるケースが多くなっております。アパレルや小物など店頭に並んでいる商品を購入して、その時に店員と話して自分が欲しいバーキンのサイズやカラーや金具の仕様など、希望を話して置けば近い形のモデルが入荷した時には声を掛けてくれるかもしれません。気長に待っていると朗報が来ることもあるということです。
また限定会員などになることで優先的に入荷情報を教えてもらえる、購入の意思を確認されることもあるという話もあります。ロイヤル顧客制度があると噂されているのです。買えるかどうかは入荷次第でありタイミングと、熱意で通うことで運が開かれるかもしれません。
バーキンはカジュアルな内縫いタイプ
バーキンは手荷物の整理整頓が苦手であり、自分が気に入ったバッグがないので籐カゴに乱暴に荷物を入れていたジェーン・バーキンと、当時エルメスの会長であったジャン=ルイ・デュマの邂逅からモデルが誕生したと言われております。
当時子育て中だったジェーン・バーキンは、自分が好みで使いやすいバッグが欲しいのだと、偶然機内で隣になったエルメスの会長であるジャン=ルイ・デュマに話しました。彼はその願いを引き受けて、エルメスのバッグの原形と呼ばれているオータクロアをサイズ変更し、内縫いでカジュアルに仕上げたのがエルメスのバーキンモデルの誕生秘話になります。オータクロアは正方形の形をしておりますが、バーキンは横長になっておりより荷物が入りやすい仕様なのです。
バッグの開口部はフラップで開け閉め出来て、サイドは街構造になっております。ベルトを外して全開すれば、そこの部分まで確認出来る視認性の高さはエレガントでありながら機能的です。ベルトを絞れば中に入れた荷物は暴れませんし、荷物が多い時はベルトの調整で見た目よりも多くの荷物が入る機能的な構造をしています。
外縫いのバッグはステッチが表に出てエレガントになりますが、バーキンは内縫いでカジュアルなトートバッグに似ているのです。サイドの部分はマチになっており、底部へ行くほど広がった構造なので安定感も抜群なのが美しさと使いやすさの秘密になります。
エルメスバーキンの細部の仕様
エルメスのバーキンの原型になったモデルはオータクロアと呼ばれる、元は馬具や馬の鞍を運ぶ大型のラゲッジバッグでした。自動車の普及により馬具や馬具を運搬することはなくなり、代わりに車に荷物を搭載するためのトランクやレザーバッグが代替されるようになってゆきます。
数々のブランドが誕生して、車で旅をする人が増えて荷物を運搬するバッグが考案されてゆきました。オータクロアは馬具用から旅行や自動車用のバッグとしての改良が加えられて、現在のケリーやバーキンに近い形になってゆきます。旅行カバンとして盗難を防ぐための錠前カデナが装着され、開閉する鍵を優しく包むクローシュがキーホルダーに採用されました。バーキンと同じ構造のフラップは、切込みとスリットによってベルトループの役割も担い、ベルトを外してフラップを中に収納すればトートバッグとしても使用が可能です。
この中身を守るベルトはクロアと呼ばれており、大切な物が飛び出すことを防ぐと同時に、カデナを使って施錠すれば防犯対策にもなります。スリット穴は本体に金具が装着されており、クロアを通せば安定感と見た目のアクセントに有効です。見た目だけではなく機能的な面を融合しているところが、エルメスの製品の特徴になります。そして美しいステッチはサドルステッチと呼ばれており、頑丈でもしも糸切れが起きても、修理がしやすいというメリットを持っているのです。
まとめ
エルメスのバッグは素材も作りも妥協がありません。一つのバッグは一人の職人が20時間以上の時間をかけて、丁寧に仕上げてゆきます。だからこそ美しさだけではなく、長年の使用にも耐える頑健さを持っているのです。定価が高額なのは世界最高の素材とスキルが、製品に反映されているからに他なりません。