グッチは日本でも非常に愛されているイタリアのブランドであり、特にグッチのGGマークに魅了される方が後を絶ちません。
ここではこのGGマークについて説明していきます。
誰もが知っている
グッチのシンボル GGマーク
グッチのバッグや財布、服の多くにグッチのシンボルである GGマークが施されています。特に昔からキャンバス地にGGが施されたものが主流です。
キャンバス地にGGが施されたデザインのバッグは、ディアマンテと言います。このディアマンテが誕生した背景には戦争があります。もともとグッチは皮革製品を扱う高級店としてイタリアに開業しました。ところが、第二次世界大戦時に軍に皮革を徴収されてしまい物資不足に陥ってしまったのです。その際に苦肉の策として、調達しやすいキャンバス生地を使った製品作りにシフトしました。しかし高級店としてのプライドと誇りゆえ、労働者を代表するキャンバス地のバッグを売ることに抵抗感を持ち、グッチならではのエッセンスや高級感、スパイスをそこに吹き込むためにGGマークが施されたのです。
単にGGマークをランダムにちりばめるのではなく、ダイヤモンドパターンを施し、等間隔にGGマークをデザインしていき、非常に格式高く品のある美しいバッグに仕上げることに成功しました。これはグッチの二代目である、アルド・グッチがバッグにマークを付けることを考案したと言われています。バッグにGGマークを施すことで、ブランドとしての宣伝効果は抜群であったのは言うまでもありません。世界各国の富裕層やセレブにも愛用されました。ジャクリーン・ケネディやグレース王妃、オードリー・ヘプバーンにも愛され、ハリウッドからも世界にそのバッグが発信され爆発的な人気となっていきました。
GGマークを使った製品
GGキャンバスはグッチを代表するラインです。バッグのみならず、財布や小銭入れ、カードケースのほか帽子やベルト、プレタポルテ全般にGGキャンバスで作った製品が見られます。独特のモノグラム柄で、普遍的なデザインであり定番であって時代や流行に関係なく使い続けられるのが魅力です。懸念点としては、皮革素材ではなくキャンバス生地なので使っているうちに破れや擦れが起こったりします。水にも弱いので雨の日には不向きな点は注意が必要です。
素材の弱点をカバーしたのがGGプラスで、GGキャンバスにポリ塩化ビニル加工が施されたものです。水に強く耐久性も高くなり、より実用性に優れるようになりました。汚れが付いた時には水拭きや中性洗剤を使って汚れを落とすこともできるので、非常にメンテナンスしやすいメリットがあります。
GGスプリームは、現在グッチの直営店で多く販売されています。GGプラスではポリ塩化ビニル加工が施されていましたが、GGスプリームはポリウレタン加工になっています。これはグッチの環境に配慮した取り組みであると言われています。現代では最も人気のある素材となっており、GGプラスと同様に丈夫で手入れがしやすく、耐久性に優れるのが人気の秘訣です。
シマは上質なレザーにGGマークがエンボス加工されたもので、グッチのラインの中でも最上級と言われています。GGマークが小さなマイクログッチシマや、エナメル加工されたシャイニーグッチシマなどもあります。
GGブルームは近年のデザインであり、GGキャンバスにポリウレタン加工し、その上に鮮やかなフラワープリントをデザインしたラインです。
ウェブラインも根強い人気があり、GGスプリームの上にグッチを象徴するグリーンとレッド、グリーンの三本のストライプラインがデザインされた商品です。
このようにGGマークを使った商品はたくさん出されており、デザインだけでなく機能性も進化しているのが分かります。
GGをモチーフ使いした製品
プレタポルテやオートクチュールコレクションで、グッチはGGを金属加工しベルトやボタン、ドレス装飾に採用していました。GGをゴールドやシルバーの金具でデザインし、スーツやドレスのワンポイントとして使うことも多かったのです。
実用的なものであると、GGモチーフをベルトのバックルにすることも多く、そのベルトは日本でも90年代に爆発的なヒットになり多くの人が身に着けていました。
ベルトのバックルから着想し、バッグのメインオーナメントとするデザインが見られるようになったのがGGマーモントです。グッチが得意とする高級皮革に型押しや加工をしてキャビアスキンのようにした部分にGGモチーフのゴールドのオーナメントを大きく配置しています。Gが重なり合っていて個性が際立ち非常にアイコニックな雰囲気で、若者を中心に非常に人気があります。現代のグッチの直営店では、GGマーモントのラインが製品の主流ともなっているほどです。
インターロッキングGも近年のデザインで非常に人気が高いと言えるでしょう。Gが向き合って重なったモチーフであり、左右反転タイプのロゴです。インターロッキングGは2006年に当時の女性デザイナーのフリーダ・ジャンニーニが手掛けたデザインで、アクセサリーを中心に多くの製品があり、女性を中心に人気です。
Brittラインやソーホーラインというのもあります。ソーホーラインは特に大きくGGロゴがデザインされているのが特徴的です。丸みの帯びたロゴデザインが優美で女性らしく、エレガントであり世界中の女性から支持されているデザインです。金属によるGGのオーナメントのほか、ロゴを皮革に型押ししたバッグなども見られます。
GGはデザイン力と
品質の高さを表出
1975年前後、グッチの模造品が世に多く出回り経営危機に陥ったことがありました。品質管理の甘さなどが指摘され、一時はブランドが消失してしまうのではないかと危惧されたほどです。そこから社内改革を徹底的に行い、品質管理を万全なものへと変化を遂げ信頼を回復していきました。
回復の基盤となったダイヤモンドパターンにGGマークのデザインは唯一無二のものであり、その品質の高さとデザイン力は秀逸で苦難に遭っても世界中の人々がグッチ離れすることはなかったのです。
最上の伝統を最上の品質で、過去の良いものを現代に反映させる商品作りというコンセプトがグッチにはあります。伝統を重んじ、最高品質のものを現代の形で創作する素晴らしさは、近年特にグッチ製品に顕著に表れていると言えるでしょう。
GGブルームラインは、特に顕著にグッチのコンセプトを表しています。伝統のGGキャンバスの上に赤やピンク、緑の鮮やかなフラワーデザインにとどまらず、今までの既成概念に縛られない新しい感性がそこに生かされデザインされるようになりました。昆虫のチャームを付けたり虎のアップリケを施したりと、広く自由な発想でデザインされています。このようにGGブルームは伝統と現代のトレンドの融合であると言えます。
自由な発想や他のデザイナーとのコラボレーション企画なども相まって、グッチは新たな顧客層を広げることにも成功しています。単にデザインだけが長けているのではなく、やはり高級皮革店として発展してきた職人の高度な技術や精巧な品質管理もそこには見られ、末永く安心して使い続けることができるのも魅力です。GGマークはこうしたデザイン性と品質の高さを表出する象徴でもあります。
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