ロレックスの人気モデル「ターノグラフ」の存在を知っていますか?
ターノグラフは2004年に誕生したモデルで、僅か10年足らずの期間で生産を終了したため現在は中古市場で取引されています。
回転ベゼル付きのモデルのなかで、スポーツウォッチでは無く、ドレスウォッチのような雰囲気にカジュアルさも兼ね備えたモデルはターノグラフだけです。
今回は、ロレックスの人気モデルであるターノグラフの詳細と特徴について解説します。
Contents
ロレックス ターノグラフとは
ロレックスのターノグラフは2004年に誕生したモデルです。2013年に生産が終了していて、僅か10年程の短期間で姿を消しました。短期間生産だったためターノグラフの個体数の少なさがあり、ロレックスファンやコレクターから希少価値のあるモデルとして注目されています。
ロレックスにはGMTマスターやサブマリーナーのようなロングセラーモデルが豊富にそろうなか、ターノグラフのように短期間で生産が終了するモデルは非常に珍しいでしょう。
具体的な内容としては、ターノグラフは回転ベゼルが備わった時計計測機能付きのモデルです。1950年頃に、ターノグラフ同様に回転ベゼルが備わったGMTマスターやサブマリーナーが誕生しました。同時期にターノグラフ6202が誕生したのですが、その文字盤にはゼロに戻るという意味が込められた「TURN-O-GRAPH」の刻印があり、当時のロレックスファンやコレクターから「ターノグラフ」と呼ばれる由来になったといわれています。
ターノグラフはサブマリーナーの原型モデルではないか?というウワサもあるようです。ロングセラーモデルのように、初代モデルの後継モデルが誕生せず稀少となりました。
ロレックス ターノグラフと
デイトジャスト
(サンダーバード)の関係
ロレックスのターノグラフは、「デイトジャスト」と非常に良く似たデザインです。ロレックスのデイトジャストとは1945年に誕生したモデルで、時計業界として世界初の日付表示機能つまり「デイト表示」を発表しました。
ロレックスの日付表示機能の発表を機に、さまざまな腕時計ブランドでデイト表示が採用されるようになったといわれていて、1953年頃にはその日付をより大きく見られるようサイクロップレンズへと変更しています。
そして1956年頃に、アメリカ空軍に所属するアクロバット飛行チームの「サンダーバーズ隊長 ドン・フェリス」の引退を記念したモデルが発表されました。これが50年以上もの長い年月、皆から愛され続けた「サンダーバード」です。
その際に記念モデルと同じデザインを採用したモデルがデイトジャスト6309で、回転ベゼルと数字の3の部分に日付表示機能のデイト表示が付いています。サンダーバーズとデイトジャスト6309の酷似点から、デイトジャスト6309はロレックスファンやコレクターのなかでサンダーバードと呼ばれるようになりました。
サンダーバードとデイトジャスト6309の文字盤には「TURN-O-GRAPH」の刻印がありません。あくまでもサンダーバードは、デイトジャストモデルのデザインの一つということです。
その後もデイトジャストにはさまざまな人気モデルが誕生しましたが、サンダーバード16264の誕生後の2004年にターノグラフ116264が誕生したことで、50年以上皆に愛され続けてきたサンダーバードはターノグラフへとバトンタッチし、幕を閉じることとなりました。
ロレックス ターノグラフの
特徴とデザイン性
ロレックスのターノグラフは、デイトジャストと酷似しています。大きな違いとして、デイトジャストはスポーティにもエレガントにも取り入れることができるデザイン性だったことに対して、ターノグラフはデイト表示の色が黒から赤になり、文字盤に「TURN-O-GRAPH」の刻印が印字されたことで、スポーティでカジュアルになりました。
パッと見はあまり変化が無いように見えますが、細かいポイントを見ると分かります。
ベゼルの特徴
まず、ターノグラフとデイトジャストそれぞれのベゼルを見てみましょう。
ターノグラフのベゼルは時間計測機能が付いている「回転式ベゼル」です。回転式ベゼルはターノグラフのほかに、ダイバーズウォッチで有名なサブマリーナーやGMTマスターにも採用されている機能で、ベゼルには10・20・30・40というように数字の印字があります。
ただターノグラフのベゼルはクリック音が無く両方向に動く特徴があり、サブマリーナーやGMTマスターのようなダイバーズウォッチの機能は備わっていません。
回転式ベゼルでありながら、フルーテッドベゼルのようなギザギザがあるのも特徴です。
デイトジャストはギザギザのある「フルーテッドベゼル」です。18Kでイエローゴールド・ホワイトゴールド・ローズゴールドなどのカラーで高級感があります。ベゼルに数字の印字は無いので至ってシンプルな見た目です。
ターノグラフの回転式ベゼルの素材にも、18Kのイエローゴールド・ホワイトゴールド・ローズゴールドが使われているので、高級感をかんじる点においてはデイトジャストと似ているでしょう。以上を総合して考えると、ターノグラフのベゼルは高級感を持ちつつもデイトジャストと比べてスポーティに変化したといえます。
ブレスレットの特徴
ターノグラフのブレスレットは「オイスターブレス」・「ジュエリーのようなブレス」の2パターンから選ぶことができます。つまりビジネスにもプライベートにも使うことができて、パーティコーデなどシーンに合わせた使い方ができるのが特徴です。
デイトジャストのブレスレットもターノグラフ同様に「オイスターブレス」・「ジュエリーのようなブレス」・「スチールブレス」から選ぶことができます。どちらもYGコンビのように組み合わせたブレスレットがあり、単色と組み合わせて変化を楽しむことができるでしょう。
ロレックスの腕時計のブレスレットは、ほかのモデルも同様のデザイン性があります。モデルによってオイスターブレスが標準なのかジュエリーのようなブレスが標準なのかの違いがあって、デイトジャストの116233ではジュエリーのようなブレスが標準となっています。しかしあくまで標準の話なので、ブレスレットを選ぶ際は自分の好みで選ぶことが正解です。好み以外の使い勝手なども考慮しながら決めると良いでしょう。
インデックスの特徴
ロレックスのターノグラフのインデックスは、実はバーのようなかたちをしたデザインのみとなっています。丸・刻み目盛り・ダイヤモンド・シェルなど、さまざまなインデックスのモデルが存在しますが、ターノグラフはバーデザインのみなのも特徴です。
インデックスと針には蓄光が施されており、文字盤を見た際に白く見えるのは蓄光の部分です。バーデザインのインデックスと並ぶようにロレックスの王冠マークがあり、インデックスと王冠マークはどちらも同様のカラーを採用してデザインされています。インデックスと王冠マークのカラーが異なるだけで、全く違う印象に見えるのも魅力です。
ダイアル・文字盤・針の特徴
最後にターノグラフとデイトジャストのダイアル・文字盤や針について見ていきます。
ターノグラフの最大の特徴は秒針が「赤色」になっていることです。ベゼルの次に大きな特徴の一つで、さらにデイト表示も赤色でそこへ「TURN-O-GRAPH」の刻印までもが赤色印字のデザインとなっています。一部では緑色の秒針のモデルもありますが、赤色をポイントにするデザインはデイトジャストには無く、よりスポーティな雰囲気に見えます。
デイトジャストは文字盤のデザインにゴージャスなダイヤモンドやシェルを使っていますが、ターノグラフにはそれらの宝飾品は全く使われていないところも違いです。
ターノグラフの文字盤のカラーは、ゴールド・シルバー・ホワイト・グレー・ブラック・ブルーが主になっていて、これはデイトジャストもほぼ同様といえます。
ターノグラフのブルーの文字盤は、生産が短期間のため希少価値の高いモデルです。
ロレックス ターノグラフの
人気モデルをご紹介
ロレックスのターノグラフは生産が終了した後も絶えず人気があります。ロレックスのターノグラフはデイトジャストのなかの一つともいえるモデルで、今までのデイトジャストのエレガントな雰囲気とは異なったスポーティでカジュアルな印象です。
ロレックスのほかのモデルと比べてリーズナブルな価格設定で手に入れやすく、中古市場からの評価も安定しています。周りと差をつけたい人にはお勧めのモデルでしょう。
ここからは、ロレックスのターノグラフの人気モデルをいくつかご紹介します。
ロレックス ターノグラフ116261
ロレックスのターノグラフ116261は、ベースがピンクゴールドのモデルです。オイスターブレスレットで、ケースのサイズは36mmを採用しています。
控えめで上品なピンクゴールドは華やかな印象なのに、主張し過ぎない優しい色が人気。
針はベースと同じピンクゴールドで、秒針はターノグラフの特徴でもある赤色の秒針です。文字盤はホワイトとブラックがあり、どちらのカラーを選ぶかで全く違った雰囲気に見えるのも魅力の一つ。デイト表示の数字も赤色で、ターノグラフのレア感があります。
イエローゴールドのYGコンビや、ホワイトゴールドと異なる高級感もポイントです。
ロレックス ターノグラフ116263
ロレックスのターノグラフ116263は、ベースのスチールにイエローゴールドを組み合わせたモデルです。オイスターブレスレットで、ケースのサイズは36mmを採用しています。回転式ベゼルと針にもイエローゴールドが使われていてゴージャス。
秒針とデイト表示の数字は赤色でデザインされています。
ちなみにターノグラフ116263は秒針とデイト表示の数字が緑色でデザインされたモデルもあって個性的な印象です。文字盤がゴールドのモデルもあり、イエローゴールドよりさらに豪華な雰囲気に見えます。
実はこのターノグラフ116263は、秒針とデイト表示の数字が赤色のモデルが300本、秒針とデイト表示の数字が緑色のモデルが300本という、日本限定の生産モデルです。
文字盤のカラーがホワイトとブラックから選べて、公式で日本限定とうたわれている希少なレアモデルとして、ロレックスファンやコレクターから人気。市場でもなかなか見かけることのできないモデルなので、見つけた際はぜひ注目してみてください。
ロレックス ターノグラフ116264 ホワイト
ロレックスのターノグラフ116264 ホワイトは、スチールにホワイトゴールドを組み合わせたモデルです。オイスターブレスレットで、ケースのサイズは36mmを採用しています。文字盤カラーがホワイトのモデルは生産数が少ないため希少なモデル。
腕時計全体がシルバーベースなので、非常に落ち着きのある雰囲気に見えます。針とインデックス部分にもホワイトゴールドが使われていて、秒針とデイト表示の数字の赤色が文字盤のホワイトと相性抜群です。文字盤にホワイトを取り入れたことで、赤色の日付と秒が一目で分かりやすいところもポイントになります。「TURN-O-GRAPH」の赤字の刻印もアクセントになっておしゃれです。
回転式ベゼルのフルーテッドベゼルのようなギザギザカッティングが、デイトジャストと同様の高級感を与えてくれます。
ロレックス ターノグラフ116261 ブルー
ロレックスのターノグラフ116261 ブルーは、ターノグラフ116264 ホワイトの色違いモデルです。ロレックスの腕時計のモデルで文字盤カラーのブルーは生産数が少なく希少なモデルとされています。
オイスターブレスレットで、ケースのサイズは36mmを採用しているところもほかモデルと同様です。ブレスレットにジュエリーのようなエレガントブレスも選べるので、ビジネスにもプライベートにも装着できて使い勝手も良いでしょう。
スチールにホワイトゴールドを組み合わせたモデルで、針とバーのようなデザインのインデックスにもホワイトゴールドを採用しています。秒針とデイト表示の数字はターノグラフの特徴の赤色で「TURN-O-GRAPH」の刻印も赤色で統一して、文字盤のブルーカラーによく映えるデザインへと完成したのも魅力です。
ロレックス ターノグラフ ヴィンテージ
6202
ロレックスのターノグラフ ヴィンテージ6202は1950年頃誕生したモデルで、ターノグラフのファーストモデルです。経年劣化によるヴィンテージ感があり、希少なレアモデルとしてロレックスファンやコレクターに人気があります。現在のターノグラフモデルのものと比べると、一目見ただけでデザイン性が全く異なるのが分かるでしょう。
オイスターリベットブレスで回転式ベゼルですが、フルーテッドベゼルのようなギザギザのカッティングはありません。ケースのサイズが36mmな点はほかモデルと同様です。
1950年頃に生産されたターノグラフはインデックスがバーデザインではなく、3・6・9の数字がバーデザインでそのほかの数字は丸いかたちをしたインデックスの採用でした。
針と秒針は同様のカラーで、針の先端が矢印のようなかたちをしています。この頃から既に「TURN-O-GRAPH」の刻印はありますが、針・秒針・刻印ともにターノグラフの特徴である赤色はまだ使われていませんでした。
つまり現在では非常に珍しいモデルで、全体的にプラスチックのような風貌をしていて、ガラス素材ではなくサンレイ仕様も無いので、よりヴィンテージ感が増して見えるのです。中古市場でかなりの高額価格でも即完売するので滅多に見かける機会がありません。
まとめ
ロレックスターノグラフの歴史の詳細と特徴について解説しました。
ロレックスのターノグラフはデイトジャストの一つで、エレガントな雰囲気を持つモデルが「デイトジャスト」、スポーティでカジュアルな雰囲気を持つモデルが「ターノグラフ」です。どちらも一見酷似したデザインですが、異なるレアな特徴を持っています。
ターノグラフは、ロレックスのモデルのなかでも短期間での生産で数が少ないため希少なモデルです。次なるターノグラフの後継モデルが誕生するまでは市場の価格も安定しているので、ほかのモデルと比べて比較的リーズナブルに手に入れることができるでしょう。
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