ロレックスの時計はなぜ高い？
価格の理由を推測しよう

100円ショップで購入できる時計もあるなど、比較的安価な価格で購入できる時計が増えています。その一方でロレックスのような高級時計は、一千万円以上することも珍しくありません。では高級時計がなぜ高いか考えた場合、どのような理由が推測できるのでしょうか。

製品にかかるコストから
価格を考えよう

100円ショップで100円にて売られている時計もあるのだから、ロレックスのような高級時計が何百万円もするのはおかしいと思う方もいるでしょう。ですがなぜ高いという理由を考えたい場合、完成した製品そのものの金額を比較するだけだと、物事の本質が見えてこない可能性もあります。実際に完成した製品の販売価格を左右するのは、製品が完成するまでにかかったコストです。ではロレックスの製造におけるコストには、どのようなポイントがあるのでしょうか。

そもそも一般的な工業製品で考えた場合、金属製ケースの時計生産ロットは、最低で500本程度です。100個や300個などのロットで対応が可能であっても、少ないロット数で設備を整える場合と500本程度のロット数で対応する場合だと、生産にかかるコストには大きな違いはありません。そのため最低500本程度のロット数で対応する場合が多いと押さえておきましょう。

そして汎用性の低い時計の場合、販売後の修理に対応するために、多めに部品を製造しておく傾向が見られます。修理部品も含めて製造しておくことで、その分のコストも余計にかかるという計算になります。さらに販売までたどり着くためには、運送費や販管費、広告費なども発生します。

部品からこだわって製造されているロレックスのような高級時計は、1本分の原価自体が安価な時計より高くなっています。原価に加えて修理に対応するための予備の部品の作成、運送費や広告費などにもお金がかかることで、販売価格が高くなってしまうと押さえておきましょう。ロレックスのような高級時計がなぜ高いか考えるうえでは、製造コスト以外の金額に注目することも必要です。

保証の問題にも対応している

ロレックスのような高級時計は、販売したら終わりという体制を整えていません。販売後に保証などさまざまなアフターサービスを提供できる環境を整えているため、その分だけ金額が高くなってしまいます。

修理に対応できるようにするため、修理用のパーツをあらかじめ大量に確保しています。大量に修理用パーツを製造して保管しておくためには、さまざまなコストが発生します。そして修理用パーツが必要になるのは、時計を販売してすぐのタイミングではなく、5年後や10年後などある程度の年数が経過してからになります。高級時計は何十年も使う方が多いため、30年後でも問題なく修理できる体制を整えるために多くのコストが必要です。

そして修理に対応できる体制というのは、一部の国や地域だけで整っていればいいというものではありません。ブランドならではのステイタスを守っていくためには、世界中のどのような地域でも修理に対応できる環境を整えていくことが大切です。国や地域に関わらず安定したサービスを提供するために、各地にサービスセンターを設けています。このサービスセンターの維持管理にもコストがかかるので、その分だけ販売価格も高くなっている可能性があります。

そもそもロレックスのような高級時計は、所有するだけで価値があるステイタス性のある製品です。そのステイタスを守っていくためにさまざまなサービスを提供していくのが、販売する側に求められる使命でもあります。ステイタスを守るためにどこの国でも同様のサービスを受けられる環境を整えていくことが大切です。価値が高い一方で、ステイタスを守るためにコストがかかってしまうのは仕方がないことです。

±2秒以内を保証する宣言

ロレックスの高さの秘密には、精度の高さも関係しています。実はロレックスは、2015年に全ての製品に対して購入から5年間は±2秒以内の精度を保証するという宣言をしました。±2秒以内の精度を保証と言われても、イメージしにくい方もいるかもしれません。この±2秒以内という誤差は、高い技術力で精巧に作られた時計でなければ達成できない数字です。毎日使えば少しずつ誤差が生まれてしまう可能性がある中で、全ての製品に対して保証をするのは、自社製品によほどの自信がなければできない行為です。

このような製品に対して自信を持って提供できる環境を整えていることが、ロレックスの高いブランド価値を保ち、多くの方に愛され続ける時計である秘密の1つです。そして確かな保証を提供できる環境を提供している分、販売価格はある程度の金額になってしまうという点を理解しましょう。

また±2秒以内の保証という宣言は、自社製品に自信を持っている証拠というだけではなく、より高みを目指していくという宣言でもあります。高いブランド価値を持っているといっても、今のステイタスに甘んじてしまうと、技術力の進歩につなげることはできません。自信でうぬぼれることなく、はるかな高みを目指し続けるブランド価値もロレックスにおける魅力の1つです。高いブランド価値を保ち続ける環境を整える自信と覚悟があることが、コストにも影響を与えています。

実際にロレックスを使っている方の意見からは、日常使いをしても時間の合わせ直しがほとんど必要ないという意見も見られます。ユーザーからも精度の高さが評価されているのは、ロレックスの時計にそれだけの価値がある証拠と考えることも可能です。

性能や保証がコストに
影響を与えている

ロレックスがなぜ高いか考えた場合、製品そのもののブランド価値にばかり注目してしまう方も多くいます。安価な時計と比較すると、製造面のコストでも違いがあるのは事実です。ですが製造面のコストは無駄に高いわけではなく、高い性能や精密さを維持するためにさまざまな工夫が行われているためコストがかかってしまうと押さえておきましょう。

実際に高い性能や品質を保っていくためには、工場における製造環境を整えることに加えて、従業員の育成や技術の研究などさまざまなコストがかかります。より良い製造環境を保ち続ける工夫を続けていくことで、時代が変化しても一定以上の性能や品質のロレックスが提供できる環境を整えていくことが可能です。高い性能を保つために、多くのコストを投下するのも必要なことです。

そして保証体制を維持し続けるためにも、さまざまなコストが発生しています。消費者からみると高いだけに思える製品であっても、実際に高い販売価格の裏側には、多くの体制を整えている企業努力が隠れています。それだけの金額を支払う価値がある環境を整えている時計と考えることも可能です。

安い時計の場合、購入して数年程度で買い替えることも珍しくありません。一方でロレックスのような高級時計は、10年や20年と長く使うのが一般的です。長く使い続ける場合でも、常により良い状態で使い続けられるように環境を整えているのが、ロレックスにおける特徴の1つです。価格が高くなっても、長く使える価値を提供し続けているのが、ロレックスならではの価値と考えることも可能です。購入して終わりではなく、長く使い続けられるステイタスを得られる分のコストも含まれていると考えましょう。

まとめ

ロレックスの時計が高い理由は、製品そのものの価値だけではありません。長く使い続けられるように時計の精度を高める技術力や保証の環境を整え続けるサービスにもコストを投下しているため、それなりの販売価格になっていると考えることが可能です。

ロレックス買取ページはこちら