ロレックスが採用する無反射コーティングとサファイアガラスの詳細とは?

一般的な時計に使用されるガラスは、
・ハードレックス
・アクリルガラス
・ミネラルガラス
の3つの材質で、高級時計のほとんどにサファイアガラスが採用されています。
一般的な時計に使われているガラスと比較して、強度・耐熱・視認性の高さがあり、人工物とは思えないような優秀な性質を持っているのが特徴です。
今回は、ロレックスで使われる素材と無反射コーティングの内容を解説します。
Contents
ロレックスの無反射コーティングとは
ロレックスに使われているのは前述した通りサファイアガラスです。このサファイアガラスには、さらに無反射コーティングという加工を行ったものがあります。
さらにこの無反射コーティングには2つあり、一つ目は「片面のみの無反射コーティングガラス」です。この片面のみの無反射コーティングガラスは、風防部分に無反射コーティングの加工を行っているものになります。二つ目は「両面無反射コーティングガラス」です。片側のみの無反射コーティングとは違っており、内側以外の外側にも無反射コーティングを施すものになります。
このコーティングとサファイアガラスを同一のものだと誤認識している人もいますが、正確にはサファイアガラスは主に時計に使われているガラスのことで、もう一方の無反射コーティングに関しては、サファイアガラスの裏表に加工されるコーティングのことです。
一昔前は無反射コーティングに、緑・青・紫といった色が付いていましたが、現在は、透明・薄グリーン・青が主流です。無反射コーティングが無いモデルはほぼ存在せず、無反射コーティングが不要な場合は、はく離することができるといわれています。
サファイアガラスとは
アルミナという物質を大きな結晶に変化させた人工のガラスです。また、「サファイアクリスタル」という呼び名が本来の正式名称ですが、高級時計の風防に使用する際は「サファイアガラス」の名称で呼ばれています。光学実験への使用でも有名なガラスです。
1970年頃に生産していたモデルはまだプラスチック素材の風防でした。当時プラスチック素材は腐食と傷つきやすさが欠点だったため、プラスチックの代わりにミネラルガラスが生み出されましたが、ミネラルガラスは強度が足りないという欠点が出てしまったのです。
そこで、ミネラルガラスとプラスチックの欠点を両方面から補えるサファイアガラスが考え出され、高級時計の風防で主に使われるようになりました。
①ダイヤと同等の硬さのガラス
サファイアガラスは前述の通りとても硬く、少しの衝撃でも割れない強さが特徴のガラスです。ダイヤモンドの10の硬度と同等の硬さを持っているので、角や壁などにぶつけた際も割れる心配がありません。誤ってどこかにこすってしまった際も傷に強い強度のあるガラスです。
②約2,000度に耐えるガラス
サファイアガラスは熱に非常に強いのも特徴です。その強さは高温の約2,000度まで耐えられますが、そのほかのガラスは比較的耐熱性が低く、暑さで変形してしまうということが当時はよくあったそうです。サファイアガラスは熱伝導率の高さから日本国内だけでなく、日中暑い海外で働くサラリーマンにとって心強いといえます。
無反射コーティングのメリット
無反射コーティングが最初に使われ始めたのは、ガラスへコーティングするようになった19世紀後半頃だといわれています。その後の1990年代以降にサファイア製の風防に無反射コーティング加工を行うようになったのですが、当時はコーティングのはがれやすさがありました。
最初ロレックスは無反射コーティングをさほど好んでいませんでしたが、歴史を重ねるごとに無反射コーティングの質が向上したため、採用するようになったそうです。
昨今の無反射コーティングに関しては色々なメリットがあり、無反射コーティングのおかげで年齢を問わず長期間腕時計を愛用できるようになったことも事実でしょう。
①光反射が無い
無反射コーティングの大きなメリットは、太陽などの光で腕時計が見づらくなる、という問題を解消させることです。無反射コーティングを施すことで光の反射を軽減することができるので、ガラスが反射せず見やすくなるのが特徴といえます。
無反射コーティングの有無を見比べるとその差は歴然で、無反射コーティングが無い時計はガラスが陰って文字盤も針も見えにくく感じます。その一方、無反射コーティング加工がされた時計はガラスの透明度が非常に高いため、文字盤も針も一目で見やすいことが分かります。
②純度があり見やすい
無反射コーティングは光反射が無いため、文字盤に対する視認性を高められる、というのもメリットの一つです。サファイアガラスは限られた波長で透過させる高い純度があります。さらに不純物を除去しているのでより透過性が高いのです。
視力低下や年齢を重ねた際の老眼にも、この視認性の高さはメリットといえるでしょう。
無反射コーティングのデメリット
無反射コーティングはフッ素加工によるものであるため、耐久性が低い(はがれやすい)というデメリットがあります。片側コーティングのガラスは両面にコーティングされたガラスと比べ、光の反射性は劣りますが、コーティングは内側に施されているのではがれる心配がありません。
両側にコーティング加工されたものは片側のみのコーティング加工のガラスに比べ、光の反射性は高い一方、外側のコーティングを強くこするとはがれやすいという点がデメリットです。
より耐久性の高い腕時計を選ぶには
腕時計を選ぶ際は、無反射コーティングのほかにも重視したいポイントがあります。
まず防水性能のある腕時計を選ぶことです。防水と一言でいっても、例えば生活するうえでの汗や雨などの水から、夏のマリンスポーツなどさまざまに考えられると思います。
ロレックスの腕時計は「防水」か「潜水」かで機能を選ぶことが可能です。2〜20気圧のモデルや100m〜300mのモデルが存在するので、シーンに合わせて選ぶといいでしょう。
ブレスレット部分も強度の高いものを選ぶことがポイントです。ロレックスは「オイスターブレス」・「ジュエリーのようなブレス」のほかに「プレジデント」・「パールマスター」・「ラバーベルト」などがあり、更に3連タイプや5連タイプも存在します。
一番強度が高いのはオイスターブレスといわれていますが、どのブレスレットも素晴らしいつけ心地で強度の高さがあるので、デザイン性や好みで選んでも間違いないでしょう。
まとめ
コーティング加工の有無は時計選びの際にとても重要です。コーティングもガラスも欠かせない存在で、使用する素材の耐熱性、耐久性、使いやすさのポイントといえます。
無反射コーティングの性質は日々向上しており、経年劣化が進んでもその透過性は変わることなく続くでしょう。