ロレックスは、需要が大きくなって非常に高値になっています。高騰し続けるには理由が存在し、しかも人気のモデルに関しては高額買取も可能です。まずは、ロレックスの現状を知りながら高騰の原因を具体的に把握することが大切です。

世界情勢の変化が
ロレックスに与えた影響

ロレックスの高騰は、何年も続いている傾向です。一次的に価格が下落しても、長期的にはずっと高値を付けていますのでなかなか価値が落ちない現状です。
高騰の原因の大きなポイントに、世界情勢の変化が挙げられます。例えば、何らかの原因で人の流れがストップしてしまうとその影響で工場の生産活動も止まってしまいます。特に、各国で緊急事態宣言が出るほどの世界情勢の変化が訪れると、スムーズに人の流れを確保することができなくなります。代表的なものでは、コロナウイルスや各国の紛争が挙げられます。感染症対策で人との距離をあけなくてはならなくなったり、物品の輸入に厳格な審査が設けられるなど、工場で生産活動ができなくなりました。同じように、紛争地域に巻き込まれている場所では自由な市場経済を維持できなくなるので、物価が高くなってしまってロレックスを製作するための部品を確保することもできません。その結果、自然とロレックスの価格が高騰しているという背景が存在します。
ロレックスは、一般的な時計メーカーとは異なって非常に細かい部分までこだわって制作をしています。高い技術力を求められるのはもちろん、そこで利用するパーツも特別に作っていくことがほとんどなので真似をすることが難しい状態です。つまり、一度生産ラインがストップするとそこから取り返すことが非常に困難な状況に陥ります。現実的にも、ロレックスが工場を置いているスイスでは、2020年に非常事態宣言が出されました。その結果、人の行き来そのものが制限されて現実的に生産ラインが止まってしまったという事情が存在します。
このような生産ラインのストップは、そのまま市場経済に大きな打撃を与えます。商品の価値の多くは、需要と供給で決まるからです。ロレックスというのは、最初から世界各国で高い支持を得ていた時計メーカーであるためその需要が大きい状態です。そこに、世界情勢の変化が加わったことによって供給がストップしました。その結果、市場経済の観点からみても需要が大きく上回ってしまって、本来の適正価格よりも遥かに大きな金額になってしまっています。需要と比較して供給が追い付いていてないので、近年は常に高騰している現状です。高騰の原因には、このような世界情勢がもたらす品薄が関係しています。

ロレックスは既に
正規店では買えない？

ロレックスには、多くの人が誤解をしているポイントが存在します。それは、正規店を利用すれば適正価格で購入できるという点です。実は、近年ではロレックスは正規店であっても購入できないことも多いです。これは、ロレックスが品薄状態になってしまって正規店が購入制限をかけているからです。その結果、本来ならば適正価格で購入できるはずの正規店を、顧客が利用できないという現象が起こっています。こうした事情もあって、ロレックスの高騰が止まらないという背景があります。
ロレックスは、顧客の需要を満たすために様々なモデルが提供されています。そして、それらのこだわりのあるモデルを職人が1つ1つ丁寧に携わって製作していきます。問題なのは、品薄状態が継続しているため特に人気モデルへの需要が非常に高くなっているという点です。1つあたりの製作にかかる時間が長く、コストも必要になるという課題があるので、余計に単体価格が大きくなりがちです。そして、こうした高騰したロレックスに対しても高いお金を支払ってでも手に入れたいという人は現在でも非常に多いです。その結果、正規店にロレックスが入ってくる前に全て売れてしまうという循環に陥っています。つまり、正規店ですら人気モデルはもう在庫が存在しない状態です。
このような事態を重くみて、ロレックスの正規店では購入制限がかけられました。大きな問題として課題に挙げられたのが、転売屋の存在です。正規店からいくつもロレックスを買い占め、適正価格ではない価格で転売をされるとその時点で市場価格が狂ってしまいます。必要な人の手に正確にロレックスを届けることができなくなるので、2019年の11月に購入制限を設けました。
具体的には、購入日から5年以内は同じものを買うことができないという非常に厳しい基準です。他の人気モデルに関しても、1年以内の購入はできないと制限をかけるほど厳格な基準が設けられました。しかも、購入する場合には顔写真付きの身分証明書も提出しなくてはならなくなったので、安易に正規店に行って転売をする業者は激減しました。
ただ、こういった制限を行ってもまだ高騰を続けているのがロレックスです。品不足の現状を打開できたわけではないので、高騰を解消するためには需要を満たすだけの供給が求められています。

高騰がロレックスの
資産価値を上げる

ロレックスは、嗜好品として身に着けている人が大半です。ブランド力の高いメーカーとはいっても、それまでは一般的なサラリーマンでもボーナスなどを利用することで十分に購入できる範囲内でした。しかし、近年の急激な高騰の影響で普通に生活をしている人ではなかなか適正価格で購入しづらくなっているのが現状です。こういった状況下で、さらにロレックスが注目を集めて高騰した要因として資産価値の高さが挙げられます。
ロレックスが多くのコレクターから高い支持を集めているのは、機能性と耐久性の両方に優れているからです。ロレックスが発明した技術は、現在では世界中のメーカーに導入されているほどに優れているものなので、機能性の観点から非常に使いやすい魅力があります。実際に、目的に応じたモデルも提供されているくらいで生活状況に応じて最善のものを選択できます。特に人気なのが、ダイバーズウォッチと呼ばれるものです。文字通り、水の中で時計を利用したいと考えていた人のために提供されたモデルです。ロレックスの中でも、トップクラスの人気を誇ります。資産価値の観点からも、古いモデルでさえ希少価値が存在するものならば数千万円以上の価格が付いたこともあるほどです。古くなっても、時間経過とともに価値が向上する可能性があるので投資対象として非常に評価が高いのがわかります。高騰か進んでいる現状では、さらに価値が付く可能性が高いです。
また、これだけ高い価値を誇っているのはその耐久性の高さが要因です。どれだけ資産価値が期待できるとはいっても、将来的に管理できる状態になりづらいと意味がありません。経年劣化が激しいものでは、そのときは価値が良くても将来的に価格が下落します。この点、ロレックスにはこういった心配もほとんどありません。耐久性も、ダイバーズウォッチのようにそもそも過酷な環境下で動作することを前提に考えて製作されているからです。防水性能に非常に優れているものから、単純に衝撃に強いものまで様々です。時計は、日ごろから身に着けるために利用するものなので普通は長年使い続けることで劣化します。ところが、ロレックスはそういった耐久性にも注目をして対策を講じているので、長期的な観点からも資産価値を保ちやすい利点が存在します。

人気モデルが数倍の価値に
跳ね上がる

人気モデルは、2000年代半ばと比較すると数倍以上の価格に高騰しています。それまでは、人気モデルでも50万円もあれば十分に満足な時計を購入できました。しかし、近年の高騰の影響で買取価格でさえ既に100万円を超える人気モデルが登場しています。
例えば、コスモグラフ・デイトナ116506はプレミアも付いて現在では1千万円以上の価格がします。元々、デイトナというモデルはロレックスの中でも非常に高い人気を得ていたのですが、品薄状態が続くことでそれまで愛用していたヘビーユーザーですらなかなか入手することが困難になりました。実際に、デイトナそのものは誕生してから50年も経っている非常に人気のシリーズなのですが、多くの人の手元に行き届かない状態になっているので強烈なプレミアが付いています。特に、コスモグラフ・デイトナ116506はプラチナモデルに加えたブルーダイヤルという珍しい代物です。生産数そのものが少なかったという事情もあって、2021年を迎えるころにはとてつもない買取価格に高騰しています。ただ、これだけの値が付いても購入したいと考える顧客が多いことからさらに価格が高騰している現状です。
また、同じように人気モデルのGMTマスターIIも高い中古価格になっています。特にその中でも、GMTマスターII・126710BLROは評価が高いです。特徴的なのが、発売当初から高額な取引が行われていたのですが、数年経ってもその評価がほぼ落ちていないことです。発売当初の2018年では、約200万円近くで取引が行われていましたが、2024年の売却価格の推移をみても280万円から450万円ほどで推移しています。つまり、中古なのに当時から時計そのものの評価が全く落ちていないことがわかります。
さらに、ロレックスの一般ユーザーにも高い評価を得ているモデルではサブマリーナが存在します。その中でも、サブマリーナ・116610LNは流通量が多いにも関わらず100万円以上の中古相場を維持しています。

実は海外よりも
日本のロレックスの方が安い

ロレックスの高額買取や中古品の購入を検討する際に重要なのが、海外と日本国内の物価の違いです。そもそも、ロレックスは海外で生産されて販売されているので向こうを中心にまずは供給が進められていきます。そのため、海外で流通したロレックスを購入する行為は間違ったことではありません。しかし、これは通貨の相場を考えておかないと大きな損失を生み出すことに繋がります。
例えば、日本が円安になっている場合です。日本が円安の場合は、外国からみて日本の商品はお得になりますので大量の買い注文が入ることが多いです。これは、実はロレックスでも例外ではありません。ロレックスは、世界中で全く同じ価格設定をしているわけではなく通貨の状況に応じて適正価格が変化します。円安の場合、日本は海外と比較して買いやすい状況になっていますので実は日本国内のロレックスの方が安いという仕組みになっています。
反対に、ロレックスを今すぐにでも購入したいと考えて海外で流通しているものを探しても、日本国内の立場からはそのほとんどが適正価格よりも高額です。円安の立場から海外の商品を購入しなくてはならないので、たとえ先に海外でロレックスが流通したとしてもタイミングによっては少し待った方が良いと判断できることも少なくありません。
さらに、これは買取のときにも大きく左右します。仮に、外国でロレックスの中古を売却したいと考えているときに円安だった場合は、当然海外からみて安い状況にあるので安い見積もり査定になります。通貨が安い分だけで、必ず海外の通貨高の影響を受けるのでそれだけ安い金額で取引が始まります。問題なのが、ロレックスはそれ単体で非常に高額な取引が可能であるという点です。安い価格の商品ならば、確かに通貨安の影響をそれほど受けなくても済みます。しかし、ロレックスほど高額なものになると通貨安の影響で1つだけでも数万円以上の損失を招いてしまうことも珍しくありません。ですから、近年の円安時では実は日本国内だけでロレックスの売買を済ませた方がお得になることが多いです。
ロレックスは確かに高騰していることに違いはありませんが、この状況は各国家で全く異なることを理解しておく必要があります。通貨や相場の考えは、地域差が多いのでそれを知って適正価格になるように工夫をしなくてはいけません。

ロレックスの高騰は
ずっと続くのか？

ロレックスの高騰は、世界情勢が変化する前の生産ラインに戻れば自然と落ち着くと考えられています。現実的に、ロレックスの高騰は品薄状態が続いている影響が強いのでこの部分を解消はとても大切です。
ただ、こういった傾向が買取市場にとっては非常に大きな後押しになっています。品薄状態が続く限りは、ロレックスを求める人の大半は中古市場にその場所を求めるしかないからです。実際に中古買取の市場は現在でも拡大していますので、中古を数多く抱えている人は個人であっても高額買取が十分に可能です。特に、品質やそれがロレックスできちんと製作されたということを証明できるものがあれば、ほぼ必ず高額買取を期待できます。
また、こういった中古買取の市場が盛り上がっている大きな要因に実は既存モデルの廃盤という大きな転換点が存在します。近年、ロレックスはそれまで継続していた特定のもデルやそれに伴う仕様を大幅に変更してきているという背景があります。この代表的なものでは、新型ムーブメントの登場です。新型ムーブメントは、それまでと異なって72時間のパワーリザーブが可能になっているという点から高い評価を得ています。実は、ロレックスのモデルにはカレンダーの操作の禁止期間というものが存在しているものがありました。文字通り、この間は日付などを変更することが難しいのでこれが課題になっていました。ところが、新型ムーヴメントではこの心配がなくなって、しかも3日間は時計を着けなくても時間が止まる心配はありません。新型のモデルを投入して、より幅広い顧客を獲得しようと努力しています。
こうした背景から、旧モデルにしか搭載されていなかった仕様や廃盤となったものが爆発的な人気を集めているという事情が存在します。中古買取でも、プレミア化している時計の中には直近で販売されているものも多いです。これも、新型のムーブメントの登場と旧モデルの廃盤で現実的に正規店で入手することが難しくなったためです。
ロレックスは、確かに世界情勢の影響を受けて価格が高騰しています。一方で、その背景にはロレックス自体の販売戦略の影響があることも見逃せません。高騰が長期化することも十分に考えられますので、買取をしてもらいたい人にとってはとても良い環境だといえます。

まとめ

様々な要因で、ロレックスの高騰は継続しています。ただそれは買取市場では良いことです。むしろ、それまで人気だったモデルをさらに高額で売却できる可能性も生まれます。ですから、タイミングさえ間違えなければ個人でも十分に大きな利益を期待できます。

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