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    使用されるサファイアガラス

高い硬度を誇り高級時計にも
使用されるサファイアガラス

時計の風防には様々な種類の素材が使われていますが、サファイアガラスは主に高級時計を中心に普及している素材です。モース硬度9を誇り高い透明度と耐熱性を持つサファイアガラスとはどのような素材なのか、加工方法や修理方法、他の素材との見分け方などを確認してみましょう。

宝石のサファイアと同程度の
硬度を持つサファイアガラス

高純度酸化アルミニウムを結晶に変化させることで作られるサファイアガラスは、時計の風防素材としても利用されているガラスです。高純度酸化アルミニウムはアルミナとも呼ばれており、ここから作られたサファイアガラスは宝石のサファイアとも同等の硬度を備えています。人工的に作られた素材でありながら本物のサファイアと同程度の硬度を持つ素材として重用されており、光学実験などにも活用されています。
サファイアガラスはサファイアクリスタルの名称でも呼ばれることがありますが、この2種類は同じものです。サファイアクリスタルと呼ばれる場合は素材そのものを示し、時計の風防素材に使われる場合はサファイアガラスと呼ばれる例が多くなっています。基本的にはどちらも同じものと考えて間違いがないでしょう。あえて言うなら、サファイアクリスタルとサファイアガラスの違いは作成方法と素材の使われ方に差があります。
サファイアクリスタルはキロプロス法やCZ法などで作られることがほとんどです。キロプロス法は融液の温度を少しずつ下げていくことで、サファイアクリスタルになる巨大な結晶を作ることができます。CZ法は原料融液を融解させ、作成した種結晶を上方に引き上げることでサファイアクリスタルを作る方法です。これらのサファイアクリスタルは主に素材として利用されています。サファイアガラスはサファイアクリスタルをもとに人工的に作られ、硬度が高く傷つきにくい特徴から時計の風防などに使われている素材です。
サファイアガラスが登場する以前、1970年代前後まで時計の風防素材と言えばプラスチックが中心でした。プラスチックは加工しやすいものの硬度が低く、日常的に使っているだけで傷がついてしまうなどの弱点がありました。腐食の影響を受けやすいのもプラスチックの弱点で、これを補うために次に開発されたのがミネラルガラスです。
しかし残念ながらミネラルガラスは衝撃に弱く破損しやすいなどの欠点があることが判明したため、時計の風防には不適格でした。そこで登場したのがサファイアガラスです。高級時計の風防にも十分な硬度を持つ素材としてサファイアガラスは普及していきました。

モース硬度9の
サファイアガラスは
風防に最適な素材

サファイアガラスはそれまで時計の風防に利用されていたプラスチックやミネラルガラスよりも硬度が高く、使いやすい素材です。圧倒的な純度と硬度は宝石のサファイアにも比較され、様々な場所で活用されています。それまで風防に使用されていたプラスチックは傷つきやすく、ミネラルガラスは割れやすいのが欠点でした。しかしサファイアガラスは硬度の高さから傷つきにくく、通常の使用では割れることもありません。さらにガラスと同じように透き通った素材で、視認性の高さも抜群です。単純にその見た目も美しいサファイアガラスは高級時計を中心に普及し、今や利用頻度の高い素材となっています。
モース硬度において9レベルの評価を受けていることからも、サファイアガラスの硬度を理解することができるでしょう。モース硬度は鉱物の硬さを判定する方法ですが、9の評価を受ける宝石はコランダムなどがあります。ダイヤモンドのモース硬度が10であり、ここからもサファイアガラスの硬さが判ります。
モース硬度9を誇るサファイアガラスは、多少ぶつけたり擦ったりしても割れることはありません。ピッカーズ硬度でも高硬度を誇り、石英ガラスよりも高い数値を出しています。日常的な使い方では割れることがなく、傷をつけることすら難しい素材です。
また、サファイアガラスは耐熱性が高く、約2000℃程度まで耐えることができます。急激な熱変化により破損する可能性はありますが、一般的な熱であればまず割れることはありません。熱による変形なども避けることができるため、持ち主次第で様々な状況下で使用される腕時計の風防に適しています。通常のガラスの耐熱温度が100℃程度であることからもその耐熱性が見て取れます。
さらにサファイアガラスは透過率が高く、無色透明で視認性が良い点も時計の風防に適しているポイントでしょう。高い透過率によって時計の文字盤が見やすく、細かな秒針も楽に確認することができます。透明度の高さは非常に重要で、時計の使い心地にも影響します。一目で時刻を見て取れない時計は使用者にストレスを与えてしまいますし、使い勝手も悪くなるでしょう。人工石に作られたサファイアでもあるサファイアガラスは、プラスチックやミネラルガラスよりも圧倒的に高い透明度を誇っています。

ドーム型や湾曲型に加工される
サファイアガラス

サファイアクリスタルが時計の風防素材として最適な硬度と耐熱性、透明度を誇ることが判りました。それではサファイアガラスにはどのような種類があり、風防としてはどういった加工で利用されているのでしょうか。サファイアガラスの加工方法としては、ドーム型や湾曲型、そしてロレックス特有のグリーンサファイアクリスタルなどが挙げられます。
ドーム型サファイアガラスはアンティーク時計によく見られる加工形状で、レトロな見た目が特徴です。サファイアガラスの登場以前に使用されていたプラスチック素材の風防を備えたモデルに多く、例えばオメガのスピードマスターなどが該当します。プラスチック素材は傷つきやすいなどの欠点がありましたが、一方でその独自の雰囲気を好む人も存在しています。サファイアガラスを使用したドーム型の風防はプラスチック時代のレトロ感を再現しつつ、プラスチックにはなかった硬度や透明性を確保することが可能です。独自の丸みを帯びたドーム型は平面型とは異なる魅力を作り出しています。
湾曲型のサファイアガラス風防は高度な技術によって実現した加工で、フランク ミュラーのトノーカーベックスやハリーウィンストンのアヴェニューなどが該当します。ケース自体の湾曲設計は難しくはありませんが、風防のサファイアガラスを綺麗にカーブさせるには相当な技術力が必要になるでしょう。これは高級時計に見られる加工で、長方形のレクタンギュラーモデルや樽型のトノーモデルとも呼ばれています。独自のカーブを描くサファイアガラス風防の美しさに魅了される人も多いはずです。
グリーンサファイアクリスタルはミルガウスを採用し、一般的なサファイアガラスよりも高い硬度を誇ります。このグリーンサファイアクリスタルはロレックスが独自に開発を行ったもので、製造の難易度が高く、他社では真似ができないとされています。耐傷性と耐食性を高めたグリーンサファイアクリスタルはロレックスの時計にふさわしい風防と言えるでしょう。なお、グリーンサファイアクリスタルには、ロレックスの時計であることを証明する透かしが入っていません。グリーンサファイアクリスタル自体の製造が難しいことから、透かしによる証明は不要となっています。

破損したサファイアガラス
風防の修理方法

サファイアガラスは硬度と耐熱性が高く、通常の使い方をしていれば傷つくことはほぼありません。しかし、予想外の出来事で強い衝撃を与えてしまった、トラブルに遭ってしまったといった場合には割れたり傷がついたりといった可能性もあるでしょう。
サファイアガラスが使用されているのは主に風防で、時計の内部を守る役目を担っています。風防の破損をそのまま放置していると文字盤や針に影響を及ぼし、精密機器である内部機構にダメージを与えることも考えられます。傷がついてしまった場合には、時計本体に影響を及ぼす前に修理や交換が必要です。
注意しなければいけないのは、サファイアガラスは自力で研磨することはできないという点でしょう。高い硬度を誇るサファイアガラスは研磨剤の使用が不可能となっており、磨いても傷を消すことはできません。風防の傷が気になるからといって研磨剤を使用して自分で磨くと、逆に破損を広げてしまう可能性も高くなっています。プラスチック素材を使用した風防であれば研磨剤によって傷を磨きとることができますが、強度な表面加工を施されたサファイアガラスには研磨剤は使用できません。
サファイアガラスを使った風防に傷がついてしまったら、メーカーや一般の修理会社に修理を依頼すると良いでしょう。メーカーに持ち込んだ場合は純正パーツを使った交換になり、2万円程度から予算が必要です。プラスチックやミネラルガラスに比べて高価になりますが、サファイアガラス自体がもともと価格の高い素材であり、さらに純正パーツへの交換にはそれなりの金額が必要になる可能性があります。一般の修理会社に依頼することもできるようになっており、こちらは正規価格で修理に応じるメーカーよりも費用を抑えることができるはずです。依頼する際には評価が高く、しっかりとした仕事をしてくれる修理会社を選ぶことが大切です。メーカーでなくても純正パーツを利用できる会社もあるので、依頼時には十分に相談することをおすすめします。なお、メーカー修理を依頼する場合には、ロレックスなどの高級時計であればブティックやサービスセンターへの持ち込みなども利用できます。

無反射コーティングの
剥がれに注意

時計の風防に使っていたサファイアガラスに傷がついてしまった、欠けてしまったという場合には、コーティングの劣化も疑ってみましょう。一見すると傷がついてるように見えるサファイアガラスも、実は表面の加工が剥がれているだけかもしれません。サファイアガラスの表面には、無反射や両面無反射、裏面無反射などの加工が施されています。シチズン製の時計であれば、シチズンが独自開発した99%クラリティ・コーティングが使用されている例もあります。
無反射はサファイアガラスの表面から光の反射を抑え、文字盤の視認性を上げるために行われている加工です。光が反射しすぎると人の目では文字盤を読み取りにくくなるので、無反射コーティングによる視認性のアップは必須とも言える加工でしょう。無反射加工が施されたサファイアガラスかどうかは、ガラスの表面に光を当てることで判別できます。薄い緑や青が現れたサファイアガラスは無反射コーティングが施されたものです。
片面だけではなく両面加工を施した場合には、両面無反射となります。表面だけ加工した風防よりも視認性に優れ、文字盤がさらに読み取りやすいように調整されています。一見するとメリットが多いコーティング方法に思えますが、フッ素加工を使用しているため剥がれやすくなるのが難点です。表面だけ加工した風防よりも両面のほうが剥がれるリスクは高くなります。両面は主にパイロットウォッチなどに使用されています。剥がれが気になる場合には、裏面のみを選ぶと良いでしょう。視認性は劣るものの剥がれることがなく、見た目の美しさを保つことができます。
99%クラリティ・コーティングはシチズンが独自開発した技術で、撥水膜を付加することで透過率の上昇に成功しています。多種の上位版とも言える存在で、汚れもつきにくくなっています。ただし衝撃を与えたり傷を放置したりといった場合には、いかに優秀と言えども剥がれる可能性があるため注意が必要です。
いずれの場合であっても基本的には自力での修理は困難です。時計本体にダメージを与えないためにも、やはりメーカーや専門の修理会社による部品交換が必要になるでしょう。

サファイアガラスと
ミネラルガラスは
触って判断可能

サファイアガラスはその登場以前に使用されていたミネラルガラスと外観が似通っています。どちらも透明で美しく透き通っており、どちらであっても視認性の高さから容易に文字盤を読み取ることができるでしょう。サファイアガラスもミネラルガラスも時計の風防に採用されてきた歴史があります。購入した時計の風防がサファイアガラスかどうかの見分けがつかない場合には、実際に触れてみて体感温度や表面の形で判断する方法を利用できます。
サファイアガラスはモース硬度9を誇る素材で、人工素材としての地位を確立しています。現在では多種多様な場所で活用されており、特に時計の風防で見ることが多いでしょう。指先などで触れてみると人工素材ならではの冷たさを感じることができるはずです。ミネラルも時計の風防によく利用されていますが、サファイアガラスに比べると温度は高くなります。双方を比べてみるとサファイアガラスにはよりいっそうの冷たさが感じられます。
また、時計の風防に利用されてきた素材の一つにプラスチックなどもありますが、こちらは温度が伝わりやすく、触れているだけですぐに表面が暖かくなってくるでしょう。サファイアガラスよりも透明度も低いため、ぱっと見てすぐにプラスチックであることを確認できる例も多々あります。
触ってみてもサファイアガラスとの差が判らない場合には、表面の形で判断してみましょう。一部の高級時計に使われている湾曲型などを除き、サファイアガラスの表面は基本的にはなめらかで平らです。一方でミネラルガラスには球体や湾曲などの加工が施されているものも多く、表面が盛り上がっているかどうかで見分けることができます。さらにサファイアガラスよりも傷がつきやすいため、傷の付き具合でも判断可能です。一般的にサファイアガラスは硬度が高く、滅多に傷がつくことはありません。表面のコーティング剥がれが発生することはありますが、多くの細かな傷がつくことはまずないでしょう。他の素材はサファイアガラスよりも傷がつきやすく、割れやすい素材です。光を当ててみて傷が浮き上がってくるようならサファイアガラスではない可能性が高くなります。

まとめ

サファイアガラスはプラスチックやミネラルガラスに変わって登場した素材で、高い硬度と耐熱性、透明度を誇ります。高級時計の風防にも多く採用されており、視認性の高さから多くのユーザーに愛されています。時計を購入する際には風防にも注目してみましょう。

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