サファイアガラス時計とは?風防素材の硬度・強度や傷ついた時の対処法を解説
※下記の画像は全てイメージです
サファイアガラスは、腕時計の風防に使われる素材のひとつです。見た目はガラスと変わらないものの、硬度が非常に高く、傷がつきにくい特徴があります。しかし、「本当に割れにくい?」「クリスタル・アクリルガラスとどう違う?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、サファイアガラスの基本的な性質から、他素材との違い、メリット・デメリット、見分け方や傷の対処法までを詳しく解説します。時計選びで後悔しないために、まずは素材の違いを知ってみてください。
Contents
時計に使われるサファイアガラスとは
サファイアガラスは、宝石のサファイアと同じ結晶構造を持つ人工の単結晶で、時計の風防に用いられる素材として知られています。主成分は高純度の酸化アルミニウムで、モース硬度9という非常に高い硬度を誇り、ダイヤモンドに次ぐ強さを持ちます。
以前、時計の風防にはアクリルやミネラルガラスが使われていましたが、それぞれ傷つきやすさや割れやすさといった欠点がありました。そうした問題を補う素材として登場したのがサファイアガラスで、高級時計を中心に採用されるようになりました。
「サファイアクリスタル」と呼ばれることもありますが、時計の分野では「サファイアガラス」と表現されることが多く、どちらも同じ素材を指しています。
サファイアガラスと他の素材の違い
時計の風防にはサファイアガラスのほか、アクリルガラスやミネラルガラス(無機ガラス)、クリスタルガラス、ゴリラガラスなどが使われます。それぞれ硬度や特性を解説します
アクリルガラスとの違い
アクリルガラスは合成樹脂製の有機ガラスで、一般に「プラスチック風防」と呼ばれる素材です。モース硬度は約2と非常に柔らかく、日常使用でも細かな傷がつきやすい特徴があります。軽量で加工がしやすい反面、衝撃には弱く、割れやすいため、現在では高級時計での採用は減少しています。
ただし、浅い傷であれば研磨剤で磨くことで目立たなくできるため、レトロな風合いを好むアンティーク時計ファンには根強い人気があります。強度を補う目的でドーム状に成形されることが多く、この丸みが独特のクラシックな印象を与えます。
ミネラルガラス(無機ガラス)との違い
ミネラルガラスは、現在も多くの腕時計に使われている一般的な風防素材で、ソーダガラスをベースとした無機ガラスです。モース硬度は5〜7程度あり、プラスチックよりは傷がつきにくいものの、サファイアガラスと比べると耐傷性や耐衝撃性には劣ります。
日常使用で細かな擦り傷が生じたり、強い衝撃を受けるとヒビが入ることもありますが、粉々にはなりにくい点が特徴です。加工しやすくコストも低いため、比較的安価な時計に広く使われてきましたが、高級時計ではより硬度が高く透明度にも優れたサファイアガラスが選ばれる傾向にあります。
クリスタルガラスとの違い
クリスタルガラスという名称はサファイアクリスタルと紛らわしく感じられますが、時計業界ではミネラルガラスの一種を指すのが一般的です。一部メーカーでは、自社の強化ミネラルガラスを「クリスタルガラス」と呼んでいることもあります。
透明度が高く傷にもある程度強いため、プラスチックガラスより優れた素材として広く使われています。ただし、「クリスタル」という名称でも水晶などの結晶を含むわけではなく、透明度と屈折率の高さからそう呼ばれているに過ぎません。
実際はミネラルガラス系の素材であり、サファイアガラスほどの硬度や耐傷性はありませんが、加工しやすくコストを抑えられるため、多くの時計に採用されています。
ゴリラガラスとの違い
ゴリラガラスは化学強化ガラスで、主にスマートフォンやタブレットに使われている素材です。透明度や耐衝撃性に優れ薄く軽量に作れるのが特徴ですが、モース硬度は5程度とサファイアガラスに比べて表面の硬さでは劣ります。
そのため、日常使用でもサファイアでは傷がつかないような物質で表面に傷が入る可能性があります。一方で靭性が高く割れにくいことから、スマートウォッチやスポーツウォッチを中心に腕時計への採用も増えています。
ただし、機械式腕時計ではまだ採用例が少なく、耐傷性を重視する高級時計では現在もサファイアガラスが主流です。
サファイアガラス風防のメリット
サファイアガラスが高級時計に多く用いられるのは、その素材特性から得られるメリットが大きいためです。以下ではサファイアガラス風防のメリットをご紹介します。
傷に強い高硬度素材で長持ちする
サファイアガラスの最大のメリットは、抜群の硬さによる優れた耐傷性能にあります。モース硬度9という高い硬度を持っているため、日常生活で触れるほとんどの物質では擦り傷が付かず、美しく保つことができます。
時計の顔である文字盤の視認性を長く守ってくれる素材です。この高い硬度により摩耗にも強く、サファイアガラスの透明感や輝きは半永久的に維持されるとされています。
そのため、サファイア風防を採用した時計は、他素材と比べて美観を長く保ちやすく、結果的に資産価値や愛着を維持しやすいという大きなメリットがあります。
高温環境にも強く変質しにくい
サファイアガラスは、優れた耐熱性を持つ素材としても知られています。一般的なガラスが約100℃程度までしか耐えられないのに対し、サファイアガラスは約2000℃の高温にも耐えることができます。
プラスチック風防やミネラルガラスは、高温下で変形や変色を起こすリスクがありますが、サファイアガラスは物性を保ちやすく安心です。さらに、熱伝導率が高く急激な温度変化にも強いため、過酷な条件下でも安定して使用できます。
その特性から、航空宇宙分野や高温下の精密機器にも採用されており、時計においても高温による風防劣化の心配がほとんどない点は大きな利点といえます。
透明度が高く文字盤が見やすい
サファイアガラスは光の透過率が非常に高く、無色透明な見た目と優れた視認性が魅力です。合成時に不純物が極限まで除かれているため、文字盤の細部まで鮮明に映し出すことができます。
ミネラルガラスやプラスチックよりも高い透明度を持ち、時計を屋外で使用する際にも反射を抑えてクリアな視界を保ちます。視認性の高さは時計の高級感にも直結し、「サファイアガラスは文字盤が美しく見える」と高く評価されています。
サファイアガラス風防の弱点と注意点
優れた特性を持つサファイアガラスですが、完璧な素材というわけではありません。高硬度ゆえのデメリットも存在します。以下ではサファイアガラス風防の主な弱点について詳しく解説します。
一点集中の圧力に弱い
サファイアガラスは非常に硬い反面、衝撃に対しては脆さがあり、特に一点に集中する強い衝撃には弱いという欠点があります。尖ったもので突かれたり、コンクリートやアスファルトの上に落とした場合には、ひび割れや破損が起きる可能性があります。
特にベゼルより飛び出したボックス型風防では角に衝撃が集中しやすく注意が必要です。スマートフォンのサファイア画面と同様に落下には弱いため、取り扱いにはある程度の配慮が求められます。
割れると粉々になりやすい
サファイアガラスは非常に硬い反面、割れるときには粉々に砕ける特性があります。ひびが入る際には部分的な欠けにとどまらず、蜘蛛の巣状にクラックが広がって細かく破裂することが多く、破片は鋭利で危険です。
強い衝撃を受けた場合、プラスチック風防のように凹むだけでは済まず、内部に破片が入り込んでムーブメントを損傷させる恐れがあります。そのため、風防が割れた際は操作を止め、動かさずに専門業者へ修理を依頼するのが安全です。
日常的にも落下や衝撃に注意し、慎重に扱うことがサファイア風防を長く使うためのポイントです。
サファイアガラスの見分け方
高級時計ではサファイアガラスが多く採用されていますが、実際に見ただけでは他のガラスとの判別は難しい場合があります。以下に、サファイアガラス風防かどうかの見分け方をご紹介します。
見た目で見分ける
風防の形状と表面の傷は、素材を見分けるための有力な手がかりになります。ドーム状に大きく盛り上がっている風防は、アクリルガラスやミネラルガラスである可能性が高いのが特徴です。一方、サファイアガラスは加工が難しいため、一般的には平坦な形状が多くなります。ただしドーム型サファイアも一部存在します。
また、表面に細かな擦り傷があるかどうかも重要です。アクリルやミネラルガラスは柔らかいため、使用とともに線傷が増えやすいのに対し、サファイアガラスは通常使用ではほとんど傷がつかず、表面がクリアな状態を保ちます。この判断は、中古品や使用歴のある時計に限って有効です。
手触りで見分ける
風防の素材を見分ける方法として、触ったときの温度感も参考になります。無機素材であるサファイアガラスやミネラルガラスは熱をよく伝えるため、指先で触れるとひんやりと冷たく感じられます。
アクリルガラスは熱を伝えにくい有機素材なので、触っても冷たさはなく、体温に近い印象を受けやすいのが特徴です。室温や個人差はあるものの、複数の時計で比較すると違いがわかりやすくなります。
もう一つの目安として、爪先で風防を軽く叩いたときの音があります。アクリルは柔らかく、低くこもったような音が出やすいのに対し、サファイアやミネラルガラスは硬いため、澄んだ高い音が響く傾向があります。ただし、時計のケース素材や防水構造によって音の伝わり方が変わることもあるため、総合的に判断するのが効果的です。
ダイヤモンドテスターで見分ける
風防素材の判別には、観察や触感に加えて道具を使う方法も有効です。中でもダイヤモンドテスターは、熱伝導率の違いを利用してサファイアガラスを識別できます。テスターを風防に当てた際に反応があれば、サファイアの可能性が高く、ミネラルガラスやアクリルでは反応しません。
他にも息を吹きかけて曇りの引き方を比較する方法があり、サファイアはすぐに曇りが消える傾向があります。ただし環境によって結果が異なるため、複数の方法を組み合わせて判断するのが安心です。
確実に見分けたい場合はプロに鑑定を依頼する
見分けが難しい場合は、時計店や専門鑑定士に依頼するのが確実です。プロは知識や機器を備えており、必要に応じて分光器などで素材を特定してくれます。メーカーの正規サービスに持ち込めば、仕様から風防の素材を確認してもらえることもあります。
特に高額品や真贋が不明な場合は、自分で判断せず専門家に任せたほうが安全です。修理の際に素材が判明することもあるため、疑問があれば信頼できる店舗に相談しましょう。
サファイアガラス風防が傷ついたときの対処法
サファイアガラス風防は通常の使用で傷つくことは稀ですが、万が一傷や破損が生じた場合の対処法も押さえておきましょう。
破損した場合はメーカーや修理業者に依頼する
サファイアガラス風防が割れた場合、自分で修復するのは危険です。メーカーか信頼できる修理業者に交換を依頼する必要があります。非常に硬く特殊な素材のため研磨での修復はできず、破片がムーブメントに入ると故障の原因にもなります。
保証期間内なら正規サービスを、保証外で費用を抑えたい場合は実績ある業者を選ぶとよいでしょう。破損時は時計を止めて密封し、早めに専門家に相談することが大切です。
無反射コーティングが剥がれた場合も交換の必要がある
サファイアガラスに傷がなくても、無反射コーティングが劣化して視界が曇ることがあります。特に外側のコーティングは剥がれやすく、一度剥離すると再加工が難しいため、基本的には風防ごと交換する必要があります。
対応は破損時と同様で、メーカーや専門業者に交換を依頼します。保証期間内であれば無償の可能性もありますが、経年劣化や使用による剥がれは有償となるでしょう。無理に自分で対処せず、専門家に任せるのが安心です。
まとめ
サファイアガラスとは、腕時計の風防に使われる硬く傷に強い素材です。ダイヤモンドに次ぐ硬度を持ち、長く透明な美しさを保つことができます。一点集中の圧力には弱く、割れると粉々になりやすい点には注意が必要です。
他の素材との違いや見分け方、傷ついた際の対処法も把握しておくと安心できます。時計を選ぶ際は、デザインだけでなく風防の素材にも目を向けてみるとよいでしょう。
「おたからや」での「ブランド時計」の参考買取価格
ここでは、「おたからや」での「ブランド時計」の参考買取価格の一部を紹介します。
画像 | モデル | 参考買取価格 |
---|---|---|
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オメガ スピードマスター アポロ11号記念モデル BA145.022 ゴールド | 6,655,000円 |
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ロレックス デイトナ 126500LN ホワイト | 4,983,000円 |
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オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク 15450ST.OO.1256ST.02 | 4,638,000円 |
※状態や付属品の有無、時期によって買取価格が異なりますので詳細はお問い合わせください。
ブランド時計の買取価格は、「市場での人気」や「モデルの希少性」に大きく左右されます。同じスペックであっても、限定カラーや生産終了モデルはプレミアがつくこともあります。
ガラス面の傷や無反射コーティングの剥がれは目立ちにくくても減額要因となるため、状態の良し悪しも大きな評価ポイントです。
- おたからや査定員のコメント
「おたからや」では、ブランド時計のモデルごとの相場や希少性、状態を細かく見極めたうえで一点ずつ丁寧に査定しています。「古いモデルだけど大丈夫?」「コーティングに傷があるかもしれない」といった不安があっても、まずはお気軽にご相談ください。
専門スタッフが価値を正しく判断し、ご納得いただける価格をご提示いたします。
「ブランド時計」の買取なら「おたからや」
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