金の純度を高める技術とは?詳しく解説

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金の純度を高める技術とは?詳しく解説

金は、古来より様々な方法で取り出され、アクセサリーとして加工されてきました。現代では金の純度を高めたり、逆にほかの金属と混ぜて加工しやすくしたりする方法で利用されています。今回は、金の純度や精錬方法について詳しく見ていきましょう。

金を取り出す方法

金は「金鉱石」から取り出されています。地面に金が多く含まれていて、きらきらと輝いているようなイメージを抱きがちですが、実はまったく異なるのです。銀や銅が含まれている鉱石なので、その中から金だけを選り分ける必要があるのです。ここでは、金の取り出し方法をご紹介します。

灰吹き法

西アジアで約紀元前2000年から発達したと言われている灰吹き法ですが、日本に伝わったのはかなり後年です。戦国時代の1533年に博多の豪商が朝鮮の技術者を日本に招いたことで伝わったとされています。石見銀山の銀の精錬法としてもたらされ、この技術が金の精錬に応用されたと言われています。

灰吹き法はまず磨り臼や回転臼で鉱石を細かく粉砕する粉砕作業を行います。細かく砕かれた状態では金銀だけでなく不純物が含まれるため、金の純度を高める工程が必要となります。鉛と一緒に炭火で溶かしていき、金銀と鉛の合金を作られます。この合金を灰で敷かれた鍋の中で熱することで、最初に鉛が溶けて最後に金銀だけ残るのです。

灰吹き法が確立される前は金を生成する方法がなかったので、純度が低いまま使用されていました。地域によっては品位もばらつきがあったと考えられています。

アマルガム法

耳慣れない「アマルガム」とは、水銀とほかの金属との合金を指しています。金や銀が含まれた鉱石を水銀と混ぜると溶けだしてきて水銀アマルガムが作り出されます。この作り出され合金を高温で熱すると水銀が蒸発し金や銀を取り出すことができます。高度な技術や設備が不要のため金を取り出す方法として使われていました。現在では金を取り出す割合が高くないため使われない手法となりました。

現代の精錬方法

では、現代では金はどのようにして精錬されているのでしょうか。詳しく確認していきましょう。

電解精錬

金を回収する方法は電解精錬と呼ばれる技法が広く使われています。鉱石を溶炉に入れ、銅精鉱とケイ酸鉱、酸素をさらに入れて溶かします。取り出された粗銅を硫酸銅の水溶液の中で電気分解を行います。この過程でイオン化しにくい金や銀がイオン化しやすい銅と分離されるのです。その後銀を分離する工程を経ると、高純度の金を回収となります。

昔の方法と比べても、現在の発展した方法も繰り返し不純物を分離していく過程は変わらないことがよくわかります。高純度の金を精錬するのは時代を経ても変わらないのです。

 

金の純度とは?金をほかの金属と混ぜることがある?

金は、純度によってその価値が変わってきます。また他の金属と混ぜてアクセサリーに加工されることもあるのです。ここからは、金の純度などについて詳しく紹介します。

金の純度を示す単位

金の純度を示す単位はK=Karat(カラット)が使われます。ちなみにダイヤモンドの重量を表すcarat(カラット)とは別の意味です。24分率で純度が表され、24金が100%純金で、数字が小さくなると純度が下がってきます。なお、日本では99.99%以上であれば24金と表示できます。指輪の裏やジュエリーの留め具に刻印されているK24、K22は金の純度を表しています。

他の金属を混ぜるのはなぜ?

純度が高いほど価値が高くなると思われがちですが、金は金属の中でもかなり柔らかい性質をもっています。力を加えるとゆがんだり、傷がつきやすかったりしてしまいます。そのため純金だけで保存すると価値が下がることもあるのです。そのためほかの金属と混ぜると強度を上げることができます。混合する金属の種類によって純金とは異なった色になる効果も得られます。色合いが異なる金を楽しめるジュエリーができます。

 

まとめ

ピンクゴールドやイエローゴールド、ホワイトゴールドなど異なる金属を混ぜることで様々な色合いが楽しめる金は、手のかかる精製方法であることがわかりましたでしょうか?今後店頭で目にすることがあった際にぜひ作られる背景も考えながら商品を選ぶと楽しめますね。

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