2019年2月19日、世界中に突然の訃報が入ってきました。それはモードの帝王が天に召されたというものでした。
世界は悲しみに暮れると同時に、同日シャネルの公認のデザイナーが発表されたのです。
彼女の名はヴィルジニー・ヴィアールでした。
新生デザイナーについて紐解いていきましょう。
Contents
新デザイナーに就任した
ヴィルジニー・ヴィアールの
人生の軌跡
モード界の帝王化カール・ラガーフェルドが亡くなることは、ファッション界に激震が走ったのは言うまでもありません。長年にわたり、シャネルの電灯やエッセンスを受け継ぎ、新たな魅力のシャネルのスタイルを見事に具現化し世界中に発信し続け、それが世界のトレンドとして流行してきたからです。カール・ラガーフェルドの功績はあまりにも偉大であり、その後任を誰が受け継ぐのか、そもそも受け継げるデザイナーなどいるのかと懸念が広がっていました。後任として指名されたのは。カール・ラガーフェルドと長年一緒に仕事をしてきたヴィルジニー・ヴィアールだったのです。では一体彼女はどのような経歴の人物なのか、それを紐解いていくことにしましょう。ヴィルジニー・ヴィアールは1962年フランスのリヨン市に生を受けました。彼女の祖父母はシルクビジネスを行っており、幼少期から繊維や洋服生地に慣れ親しんでいたわけです。その影響もあり衣服や舞台衣装のデザインに深い関心を抱くようになって行きました。ファッションスクールに通いだし舞台衣装を専門的に学び始めたのです。卒業後には衣装デザイナーのアシスタントとして下積み生活がスタートしました。20歳になった時に、彼女の両親が懇意にしていたモナコのキャロライン王女に推薦されシャネルのメゾンに入ることになったのです。中でもシャネルのオートクチュールエンブロイダーという刺繍部門に配置されました。これは彼女の学歴や経験が見込まれて、シャネルのなかでも最高部門に配置された形となっています。このタイミングですでにカール・ラガーフェルドと知り合っています。カール・ラガーフェルドはシャネルに就任しすでに四年が経過していた時期でした。ヴィルジニー・ヴィアールのセンスや技術、感性がすぐに発揮され、頭角を現します。2000年にはスタジオディレクターに就任しプレタポルテやコスチュームジュエリーなども担当するようになるのです。次第にシャネル全製品の監修や現場スタッフの指導も担いました。2019年春夏オートクチュールでカール・ラガーフェルドが体調不良で欠席した際には、彼女がcollectionショーであいさつしたことにより、後任はヴィルジニー・ヴィアールなのではないかとささやかれ始めます。
ヴィルジニー・ヴィアールと
カール・ラガーフェルドの関係性
ヴィルジニー・ヴィアールとカール・ラガーフェルドの関係性とは非常に親密であり、かたい信頼関係が構築されていました。それは一時期カール・ラガー・フェルドがクロエに移籍した際にも、ヴィルジニー・ヴィアールを伴って移籍したのです。そして二人で再びシャネルに戻ってきたというエピソードもあるほどです。彼女はカール・ラガーフェルドのスケッチをもとに、見事に最適な生地を選び出しシャネルの世界を作り上げてきました。カール・ラガーフェルドの傍らに、常にヴィルジニー・ヴィアールが存在し、二人三脚でシャネルワールドを作る上げてきたのです。カール・ラガーフェルドも彼女のことを、自身の右腕であり左腕でもあると評価し、彼女とは絶対的な信頼関係を構築していたのです。ファッション業界とは、非常に華やかで美しくまるで夢の様な世界を見るようです。しかしその裏では、職人やデザイナーにディレクターの血を見るような努力と、地道な努力の積み重ねによる賜物であり非常に厳しい世界であるのは言うまでもありません。ヴィルジニー・ヴィアールがシャネルのメゾンで頭角を現し、スタジオディレクターになるまでに30年以上の歳月がかかっているわけです。裏方として時には血を見るような努力や、ライバルからの嫌がらせや誹謗中傷などもあったことでしょう。そうした逆境や苦難を乗り越え、カール・ラガーフェルドについていくことは並大抵の努力でないことは確かです。そして彼女の天性の感性やセンス、審美眼も相まってシャネルのシャネルのデザイナーに就任できているわけです。しかしシャネルでは自分の好きなようにデザインしたりすることはできません。やはり創業者の偉大な功績であるエスプリや、伝統を引き継ぐことも大きな仕事であるわけです。伝統にのっとって新たな価値観やファッションを提案できるヴィルジニー・ヴィアールは、かなり賢明な女性であるということが出来るでしょう。シャネルファッション部門のCEOも、彼女のことをカール・ラガーフェルドとガブリエルシャネルのDNAを受け継ぐものであると評価しています。
新生シャネルの
クルーズコレクションと
サマーコレクション
シャネルのプレタポルテのコレクションは、年に四回発表されます。では具体的にヴィルジニー・ヴィアールがそのようなコレクションを発表して来たのか、過去を振り返って行きましょう。2020年のクルーズコレクションが、ヴィルジニー・ヴィアールにとって初めて単独で手掛けたコレクションと成って居ます。カール・ラガーフェルドが発表したコレクションの際も、会場やランウェーは華美でありデコラティブで、舞台装置などを駆使し非常に精巧に出来た会場でした。2020年のクルーズコレクションでは、カール・ラガーフェルドを継承した様な会場で、シャネルファンをひとまず安心させたのは言うまでも有りません。会場には精巧に作られたトレインステーションが設置されたのです。テーマがトラベルだった為に、駅舎を模したセットが組まれた訳です。ファッションについてはシャネルが世界の女性に提唱したパンツルックが見られたり、ガブリエル・シャネルが好んで用いたツイード生地を使ったり、モノトーンを基調にしたスタイルなどを披露しました。単にガブリエル・シャネルの伝統を継承するだけでなく、従来の物とシルエットに変化を付けたり、ピンクやレッドにパープルのフレッシュカラーをアクセントに使う事で、ヴィルジニー・ヴィアールの個性が光る新生シャネルを披露したのです。続くサマーコレクションも面白いセットで人々を魅了しました。テーマが1950年のヌーヴェル・ヴォーグで有り会場がパリの家並みの様に作られ、モデルたちが屋根の上にセットされたランウェーを歩いたのです。シャネルの人気のあるツイードジャケットを少し変化させ、若々しい雰囲気に仕立て上げました。ショートパンツやミニ丈のオールインワン、デニムなども沢山用いられコレクションが発表されたのです。伝統を重んじながらも、そこに若々しさやエネルギッシュな雰囲気をプラスして、新たなシャネルの魅力を提案する事に成功しました。いずれのコレクションも大好評だったのです。
シンプルな会場の
ウィンターコレクションと
春夏コレクション
2020年のウィンターコレクションは自由とエネルギー、ピュアやシンプルがテーマになりました。テーマに組み込まれているシンプルのとおり、今までのシャネルのショーには見られないほどのシンプルですっきりとした会場に多くの人々が驚いたのです。会場では客席を段にしてそこを島に見立てて、その間を縫うようにモデルがランウェーとして歩く形式がとられたのです。いまだかつてない簡素なショーで有るものの、ファッション評論家の間からは称賛の声が寄せられました。これは環境やサスティナビリティに配慮したシャネルならではの取り組みであり、ファッション業界にもようやくこうした価値観が浸透してきたのだと評価されたわけです。ガブリエルシャネルはことのほか乗馬を愛しました。それをテーマにした乗馬ルック、メンズライクなファッションの提案や、モノトーンや淡いペールカラーを前面に押し出し若々しく新鮮な雰囲気の提案をしたのです。2021年の春夏コレクションは2020年パリのグランパレでショーが開催されました。テーマは、メゾン歴代のミューズたちの捧げるオマージュだったのです。シャネルとはハリウッドのスターや女優の衣装や婚礼衣装まで数多く手がけてきた実績があります。女優からシャネルでなければ嫌だと、熱烈なオファーがあって数多くの衣装を手掛けてきたのです。こうした女優やスターたちを想い、こうした衣装を現代風にアレンジした若々しいフレッシュなファッションが提案されたのです。一見ヴィンテージ風に見えるコレクションですが、活気がありカラフルであって現代的でありながらも、華やかなハリウッドの黄金時代を思わせるエッセンスもたくさんそこには込められていました。マリリン・モンローや、グレー・スケリー、オードリー・ヘプバーン等往年の名女優を想起させるどこか懐かしさがありつつも、新しさも感じられ幅広い年齢層のシャネルファンに支持されたコレクションショーでもあったのです。当然カメリアやツイードも多用され、ガブリエルシャネルの電灯も引き継がれています。
ヴィルジニー・ヴィアールが
手掛けたCHANEL19
シャネルを語る上でバッグを忘れてはいけません。何故ならシャネル製品の中で最も人気が有り、需要も高いアイテムだからです。プレタポルテで有ると、それを身に着けていてもシャネル製品なのか否かと言った事は、ほとんど多くの人には分かりません。ボタンなどのシャネルのロゴが小さくあしらわれている程度で、良く見ないとシャネル製品とは分からないのです。ところがバッグで有れば、格子状のステッチとキルティング加工の皮革、シャネルのロゴマークのターンロック、チェーンと皮革を編み込んだショルダーを見れば誰もが一目でシャネルバッグと分かってしまうのです。それこそがシャネルのバッグの魅力で有り、人気の所以と言えるでしょう。長きに渡り、カール・ラガーフェルドが1980年代に発表したモノグラムのチェーンショルダーがシャネルを代表するバッグでした。今でもこのバッグはヴィンテージで有っても多くに人に愛され、二ーズが高い訳です。新デザイナーヴィルジニー・ヴィアールがどの様なバッグを手掛け、世間にお披露目するかそれは大変な注目でした。彼女はCHANEL19と言うバッグを新たに提案したのです。CHANEL19は2019年2020年の秋冬コレクションで発表されました。今迄のシャネルマトラッセのクラシックをさらに優しく、女性らしさを表出したバッグにモデルチェンジされたのです。マトラッセの格子ステッチよりも、幅を広く大きくしたキルティング加工が特徴的です。幅を大きくする事で雄大な女性らしい甘さが演出されています。ターンロックには彫金装飾の様に施されたCCマークが施されて居るのです。どこか80年代を思わせる様なCCマークであり、ヴィンテージ風に成って居るのがCHANEL19の特徴と言えるでしょう。カラーバリエーションも黒のモノトーンに限らず、優しくアンニュイな淡いピンクや紫の皮革が用いられて居たりもします。皮革のカラーもスイートな女性らしさが演出されて居る訳です。
シャネルミッション1.5
シャネルに代表されるスーパーブランドは、富裕層や皇室、王族などからの発注も多く、非常にたくさんの売り上げを誇っています。最近シャネルは最高益となったとの報道もなされ、企業としての経営は順風満帆そのものです。しかしスーパーブランドを除く、アパレル業界やファッション業界は、今まさに冬の時代を迎えていると言わざるを得ません。ファストファッションの到来や、ヴィンテージや中古市場が活況に成っていて、新たなコレクションを提案しても定価で完売することがほとんどなくなってるのです。そして各アパレルメーカーは、大量の在庫を、シーズンが過ぎると焼却処分しなければならず、その損害額とは何十億円にも上るとも一部では言われています。この在庫処分の焼却処分は、いま世界が懸命に取り組むSDGsやサスティナビリティと相反する行為であり、アパレル業界が排出するCO2が全業種の中で最も多いともささやかれています。こうした事態に警鐘を鳴らすべく、シャネルもサスティナビリティな取り組みを行うようになってきました。そのことは2020年のウィンターコレクションの簡素な会場やランウェーを見ても一目瞭然です。カール・ラガーフェルドの時代には、世間をあっと驚かせる舞台装置や賞味がたくさん使われ、毎シーズンどれだけ華美に会場を装飾できるかがテーマでした。しかしヴィルジニー・ヴィアールがデザイナーに就任してからは、いかにSDGsにのっとってショーを発表できるかといった工夫が随所にみられるようになったのです。シャネルはシャネルミッション1.5を2020年3月に発足させました。シャネルミッションの1.5で掲げられている内容とは、30年までに二酸化炭素の排出量を50パーセント減らすといったものから、25年にまでに100パーセント再生エネルギーに切り替えるといったものも見られます。二酸化炭素量の相殺や気候変動に対する取り組みへの投資も掲げました。シャネルが真剣に地球環境に取り組むことで、ほかのアパレル業界も追随し真剣にサスティナビリティな取り組みが行われるだろうと予測されているのです。
グラミー賞歌手との
コラボレーション
シャネルは販売促進やプロモーションのために様々な企画や取り組みを行っています。ファッションショーもその一つであり、世界の貴族や王室、富裕層をターゲットに招待制のファッションショーを開催し、新たなルックの提案と販売促進を行っているわけです。しかしガブリエルシャネルは、こうした富裕層や貴族だけに限定されず、人種や性別に関係なくボーダーレスで世界中の人々にスタイリッシュに美しくなってほしいという願望を抱いていました。自身も孤児院や修道院育ちの孤児であり、ことさら富と権力を嫌い、ファッションが富裕層だけに限定されるものとなるのを嫌がっていたのです。こうしたガブリエルシャネルの思いを受け継ぎ、シャネルも購入し易い価格帯の製品を展開してきました。メイクアップやコスチュームジュエリーの一部は、一万円前後で購入できるものもあるのです。最近は特に若い人のブランド離れが深刻で、スーパーブランドといえども顧客獲得に躍起にならざるを得ません。そこで若い人からも人気の有るグラミー賞歌手などとコラボレーションをし、メディアに取り上げてもらう販売戦略も打ち立てています。若者はSNSやネットの情報キャッチは早く、シャネルがグラミー賞歌手とコラボレーション下スニーカーは、瞬く間に話題となったのです。そのグラミー賞歌手とは、ファレルウィリアムスであり、2019年にヴィルジニー・ヴィアールはファレルと協業しカプセルコレクションを発表しました。時にはシャネルのファッションショーに登壇したり、広告フイルムにも登場したり、その宣伝効果は絶大なものです。スニーカーに限らずウェアやサングラス、アクセサリーなどその商品ラインナップは豊富であり、若者の子悪露をとらえてやみません。数に限りがある商品で今ではプレミアム価格となっているのです。新デザイナーのヴィルジニー・ヴィアールは、こうした若者の子tころをとらえる宣伝広告や、販売促進活動の分野でも頭角を現しています。
まとめ
カール・ラガーフェルドが亡くなり、新デザイナーとしてヴィルジニー・ヴィアールが就任しました。彼女はシャネルの刺繍部門に入社し、天性の才能と感性、センスを発揮して頭角を現し、やがてカール・ラガーフェルドの右腕であり左腕になった人物なのです。新たなバッグCHANEL19の発表、グラミー賞歌手とのコラボレーションや、サスティナビリティな取り組みのシャネルミッション1.5を実践しています。
その他のブランド品
コラム記事
ブランド品買取に役立つ記事を
コラム形式で紹介しています。
タグ一覧
- #4℃
- #A.ランゲ&ゾーネ
- #GMTマスター
- #K10(10金)
- #K14(14金)
- #K22(22金)
- #K24(純金)
- #MCM
- #アクアノート
- #アンティーク
- #アンティーク時計
- #イエローゴールド
- #ヴァンクリーフ&アーペル
- #エアキング
- #エクスプローラー
- #エベル
- #エメラルド
- #エルメス
- #オーデマピゲ
- #オパール
- #オメガ
- #カルティエ
- #カルティエ(時計)
- #グッチ
- #グラハム
- #グリーンゴールド
- #クロエ
- #クロムハーツ
- #ケイトスペード
- #ケリー
- #コーチ
- #ゴヤール
- #サファイア
- #サブマリーナー
- #サマンサタバサ
- #サンローラン
- #シードゥエラー
- #ジェイコブ
- #シチズン
- #ジッピーウォレット
- #ジバンシィ
- #ジミーチュウ
- #ジャガールクルト
- #シャネル
- #ジュエリー
- #ジュエリー買取
- #ジョージジェンセン
- #スカイドゥエラー
- #セイコー
- #ゼニス
- #セリーヌ
- #ターノグラフ
- #ダイヤモンド
- #タグ・ホイヤー
- #チューダー
- #ディオール
- #ティソ
- #デイデイト
- #デイトジャスト
- #デイトナ
- #ティファニー
- #ティファニー
- #トリーバーチ
- #ノーチラス
- #バーキン
- #バーバリー
- #パテックフィリップ
- #パネライ
- #ハミルトン
- #バレンシアガ
- #ピーカブー
- #ピンクゴールド
- #フェラガモ
- #フェンディ
- #ブシュロン
- #プラダ
- #プラチナ
- #フランクミュラー
- #ブランド品
- #ブランド品買取
- #ブランド時計
- #ブルガリ
- #フルラ
- #ブレゲ
- #ボッテガヴェネタ
- #ポメラート
- #ホワイトゴールド
- #マークジェイコブス
- #マトラッセ
- #ミキモト
- #ミュウミュウ
- #ミルガウス
- #モーブッサン
- #ヨットマスター
- #ラルフローレン
- #リシャールミル
- #ルイ・ヴィトン
- #ルビー
- #レッドゴールド
- #ロエベ
- #ロレックス
- #ロンシャン
- #ロンジン
- #地金
- #宝石・ジュエリー
- #宝石買取
- #時計買取
- #珊瑚(サンゴ)
- #真珠・パール
- #色石
- #財布
- #金
- #金・プラチナ・貴金属
- #金アクセサリー
- #金インゴット
- #金の純度
- #金価格・相場
- #金歯
- #金縁メガネ
- #金貨
- #金買取
- #銀
- #銀貨
-
店頭買取
-
査定だけでもOK!
買取店舗数は業界最多の
1,000店舗以上!おたからやの店舗数は全国 1,000 店舗以上(待機店舗を含む)。これは、数ある買取店の中で最多を誇ります。日本全国津々浦々にて、地域密着でお買取りを承っております。
-
出張買取
-
査定だけでもOK!
買取専門店おたからやの
無料出張買取。買取専門店おたからやの無料出張買取です。出張料・査定料・買取手数料は全て無料、査定は最短5分です。随時キャンペーンを実施をしております!まずはお気軽にご相談ください!