世界の金生産はどのように移り変わってきたのか

昔から世界各国で常に金の採掘が続けられています。金はいつでも一定の価値を有しており、世界の国々でも優先して採掘されている鉱物です。過去と現在を比較して、金の生産量が大きく変わっている国はあるのでしょうか。今回の記事で、世界の金生産がどのように変化してきたのか詳しく解説していきます。
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世界の国々における金生産量の変化を探る
ここ数年で金の生産量の上位国には大きな変化が起きています。長い間生産量TOPを誇っていた国が急落し新しい国が上位へとランクインするなど、様々な変化が巻き起こっています。そこで以下では、世界の国々における金の生産量移り変わりについて詳しくみていきましょう。
現在第1位の中国は右肩上がりが続く
現在金の生産量第1位を誇っている中国は、高い水準を維持しています。
金は鉱物ですのであくまでも採掘できなくなれば生産できなくなってしまいますが、中国は10年前と比較しても2倍近くの数字になっているのが特徴です。
広大な国土面積を有しているので、まだまだ金の鉱脈が隠れている可能性が高く、今後も生産量が大幅に下がるとは考えにくいでしょう。そのため今後も金の分野では、中国が世界をリードしていくと考えられます。
かつてトップの南アフリカは急落
あまり金のイメージがなく採掘量も少ないのではと思われがちですが、南アフリカは中国が台頭するまで金の生産量でトップに輝いていました。
もっとも約10年前に自国内の治安が悪化し、採掘に回せる予算が少なくなってしまったため、毎年のように生産量は減り続けています。
また採掘活動を維持できる経済力もないので、今後大きく生産量を伸ばすことは難しいでしょう。ただ自国の治安が改善して、国全体で経済力が成長すれば金の生産量が伸びる可能性もあります。また国土面積も比較的大きいので、まだ知られていない鉱脈が見つかる場合もあるでしょう。
金分野では南アフリカは注目しておきたい国の1つです。
アメリカやロシアなどの大国は常に上位をキープ
経済力に優れているアメリカやロシアなどの大国は、常に生産量で上位をキープしています。
アメリカやロシアは金の採掘に伴う経済的負担に耐えきる経済力があるので、ここ10年でも順位を落とすことなく金の生産量で5位以上をキープしているのが特徴です。
またロシアは近年中国と提携して、約1000億円近く金の採掘事業に追加投資をしたというニュースも出ており、まだまだ金を取ることのできる鉱脈は尽きていないことがうかがいしれます。
今後金の生産はどうなる?
今後金の生産は世界各国でどうなっていくのでしょうか。金は既に需要のない鉱物であるという有識者も存在しますが、まだまだ世界各国で必要不可欠なのは否定できないでしょう。以下では今後の金生産を左右するであろう要因について詳しく解説していきます。
最先端技術の発達
現在私たちの生活を支えているPCやタブレット端末を構成している精密部品は、金を多く使用しているものも。
また新型コロナウイルス感染拡大後には、医療機器の需要が高まったこともあり、精密機械の生産が活発に行われています。そして精密機械の部品には金が必要不可欠となっているため、金の需要もそれに伴い高まっているのが特徴です。
少なくとも現在では、金は技術の発達に必要不可欠であるので、世界で金の重要性が下がっていくことはしばらくないでしょう。
発展途上国などでの需要の急上昇
近年では発展途上国や新興国の経済的な成長が目覚ましい傾向にあります。
特にこういった発展途上国や新興国では、金そのものや金でできた装飾品などが富の象徴として非常に人気です。そのため発展途上国などで金の消費が高まっており、これまで以上に需要が急上昇しています。
また最近では日本でも中国の外国人観光客が、金の宝飾品を大量に買っていくなどもあったように、金の需要はまだまだ止まることを知りません。
今後も発展途上国や新興国の成長が止まらない限り、金の値段が突然急落してしまうことは考えにくいでしょう。
まとめ
金生産国の移り変わりと今後の金生産について詳しく解説しました。まだまだ世界中で需要がある状態が続いているので、生産が止まったり価値が急落したりするとは考えにくいでしょう。もっとも金の鉱脈が尽きてしまい、突然採掘することができなくなることも考えられるので、金投資に興味がある方は分散投資などによる対策をしておく必要があります。