世界の金の産出量ランキング トップは日本の隣国?

かつては金の保有量によって国力が決まるといわれていたほど価値のあった金。現在でも高い価値を有していることは変わりありません。そんな金の産出量が多いのは一体どの国でしょうか。今回は金の産出量が多い国をランキング形式で紹介していきます。
Contents
金の産出方法
そもそも金はどのように生み出されているのでしょうか。
私たちがイメージするようなインゴットのような状態で眠っているわけではなく、砂金の状態で採掘されます。そのため砂や砂鉄など他の鉱物と分別をしなければいけません。実際には砂や鉄などと同時に溶鉱炉へと流し込み、電解して取り出す方法が採用されています。
そのため金を熱するための大規模な施設が必要になり、自ずと広大な面積を有している国が金の産出量が多くなるのです。
実際に以下で紹介している金の産出量が多い国は、国土が広く大規模な溶鉱炉を建設できる国が多くなっています。
国別金の産出量ランキング
金が生み出される過程についてここまで解説してきました。金を手に入れるためには熱するための大規模な施設が必要になり、自ずと広大な面積を有している国が上位に位置している傾向にあります。そこでどのような国が金の産出量が多いのか、以下で詳しくみていきましょう。
第1位 中国
現在もっとも金の産出量が多い国は中国です。
あまり金のイメージはない国ですが、他の国と比較しても現在ダントツの産出量を誇っています。現在世界では金が1年に約3000トン前後生み出されるのですが、中国はその10分の1である380トンを毎年産出しているのです。
また日本などとは異なり広大な国土があるので、1度金がある鉱脈を発見したらそこに溶鉱炉なども建てやすく、国自体が鉱物を産出しやすい環境にあるのも影響しているのでしょう。
現在でも中国国内で経済状況が良く、金の現物や装飾品を買うことが流行していることも後押しして金の採掘が積極的にされています。
第2位 オーストラリア
オーストラリアは中国に次いで金の産出量が2番目に多い国です。
昔から採掘活動が活発に行われていたわけではなく、およそ1980年代前後から国を挙げて採掘が行われるようになりました。
実際にオーストラリアの主要都市であるカルガリーやコールドフィールズなどは、世界でも有名な金開発地域として知られており、世界中の金に関係する企業が集まっている場所として有名です。
また最近でも新しく鉱山が発見され生産を開始するなど、まだまだ鉱脈が尽きる気配はありません。オーストラリア国内で生産された金は、世界でも最大の金消費国であるインドなどを中心に輸出されており、オーストラリアの貿易活動でも重要な位置を占めています。
第3位 ロシア
広大な国土面積を誇っているロシアも金産出量で3位に位置づけています。
ロシアの金採掘に関する歴史は長く、古くは中世から採掘活動が行われていたようです。採掘技術が向上した19世紀にはゴールドラッシュも経験しており、鉱山だけではなく都市部でもなんとか金を掘り当てようとした人々もいたことが記録されています。
現在でも大規模な採掘活動が行われており、世界最大の産出量を誇る中国と共同で採掘をするなど積極的な活動がみられるのも大きな特徴です。
2017年には中国と共同で金採掘のために980億円の投資をするなど、世界中で金の需要が増加している中で採掘量を増やそうとする積極的な動きがみられます。
かつてはTOPだった南アフリカ
実は近年まで金の産出量のTOPだったのは南アフリカでした。
1970年代まで世界における金産出量の約7割を占めていたのですが、国の政策やデモ活動による治安の悪化などで徐々に産出量は下がってしまったようです。実際に2000年代前半にはトップだった産出量も、2020年には10位以下まで落ちてしまっています。
もっとも現在でも南アフリカは広い国土から「世界で一番資源が眠っている国」ともいわれており、国が落ち着き体制が整えば産出量が爆発的に増える可能性も十分あり得ます。
日本はどうなのか?
中尊寺金色堂や金閣寺にふんだんに金を使っており、一時は佐渡金山で考えられないほどの金が生み出されていた日本は現在どうなっているのでしょうか。
実は既に日本の中で金は取り尽くされたといわれており、産出量もほとんどないといってよい状況です。もっとも精密機械が多い日本では、不法投棄されている様々な電子機器の中に金が眠っているため「都会の金」が多い国ともいわれています。
実際に廃棄物から取り出された金の量は約6000トンを超えており、リサイクルなどがより活発化することで金が鉱山と同じくらい取れるのではないかと考えられているのも日本の大きな特徴です。
金の産出量が高まっている?
近年では最先端技術に使用されることが多いことから、採掘が盛んに行われている傾向にあります。
また世界同時多発テロや新型コロナウイルス感染拡大によるパンデミックなど社会不安を起こすような出来事が続いていた関係で、金の需要が高まっていることも追い風となっているといえるでしょう。
またこれまでは採掘できなかったようなところが、今後最先端技術によって堀りおこせるようになることは十分考えられます。
実際に他の分野ですが最先端技術によって深海の天然ガスを採取できるようになったニュースも報道されており、新しい技術で鉱脈が発見されることも十分あり得るでしょう。
まとめ
今回は金の産出量について詳しく解説してきました。金を産出するためには広大な国土面積と技術が必要になります。そのためそれを兼ね備えた国が産出量でも上位を占めており、今後もその傾向が大きく変わることはないでしょう。もっとも今後南アフリカなど、まだ技術が追いついていない国が爆発的に産出量を伸ばす可能性は十分考えられます。