金箔の豆知識~意外と身近な金~

「金」と聞くと、どのようなものを思い浮かべますか?金の延べ棒、金貨、ゴールドアクセサリー……さまざまな金製品がありますが、どれも高価でやや縁遠いイメージを抱く方も少なくないと思います。
「金箔」もそのひとつ。京都の金閣寺や栃木の日光東照宮など、金箔装飾が施された豪華絢爛な建物を想像する方もいらっしゃるでしょう。しかし金箔は、食用としても使われているなど意外と身近な存在でもあるのです。
今回は、そんな金箔の豆知識をご紹介します。
金箔の基礎知識
金箔とは、金を紙のように薄く延ばしたもののこと。その厚さは、およそ0.1μmすなわち1万分の1mmほどです。日本国内では、約99%が石川県金沢市で製造されています。
金箔の成分は、金のみのこともあれば他の金属が混ぜられていることもあります。金だけで作られた金箔は、K24の純金箔のみ。一般的には銀や銅を混ぜた合金の金箔が多く流通しています。混ぜ込む金属の種類や量によって赤味や青味を帯びたものもあるなど、一口に金箔と言っても種類はさまざまです。
金箔の製法は2種類
金箔の作り方には、「断切」と「縁付」の2種類があります。金箔を打ち延ばす作業は紙に挟んで行われるのですが、その際に使われるのが「箔打紙」と呼ばれる紙です。この紙の種類や質によって、金箔の仕上がりにも差が出ると言われています。
断切は、カーボンを塗ったグラシン紙を箔打紙として使う製法です。効率よく生産するために開発された方法で、現在国内外ではこちらの製法が主流となっています。金箔を仕上げる際に、金箔と合紙を交互に重ねて1000枚の金箔をまとめて裁断することから、「断切」と名がつきました。
縁付は手漉き和紙を使う日本の伝統製法で、断切と比較して柔らかな輝きを持っているのが特徴です。打ち延ばす際に破れにくいよう、和紙を半年ほどかけて加工してから使用。さらに、仕上げの際には竹製の枠を使用して1枚ずつ丁寧に切り揃えます。職人の技と長い時間をかけて大切に行われているのが、縁付製法です。2020年12月に「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」のひとつ「縁付金箔」として、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。
金箔の純度は「カラット」で表す
前述したように、金箔には銀や銅を混ぜて作られたものも多く存在しています。そのため、他の金製品と同じように「純度」の違いがあるのです。
金箔の純度は、金と同じように「カラット」で表されます。英語では「karat」と表記されるカラットは、24分率の単位です。通常「K」と省略して表示されます。ちなみに、ダイヤモンドの重さを表す「カラット(英語ではcarat)」とは別の単位です。
金箔の活用シーン
金箔は、伝統的な神社仏閣をはじめとする建物の修繕や、オブジェや絵画などの美術品、輪島塗などの工芸品にも多く使われています。その一方で、意外と身近なところでも金箔が使われているのをご存じでしょうか。
食用としての金箔
金箔には、食用のものもあります。料亭などで料理の彩りとして食用金箔が飾られていたり、お正月には金箔入りのお屠蘇が店頭に並んだり。贈答用のスイーツに添えられていることもありますし、主要産地の金沢では話題性抜群の「金箔ソフトクリーム」なども売られています。
「金箔を食べても大丈夫なの?」と心配になるかもしれませんが、食用の金箔は食品添加物として認められていますので、安心して食べられます。
金は酸やアルカリでも腐食しない安定性の高い金属として知られており、体内でも吸収されることはありません。なかには合金箔もありますが、使われている銀も同じく体内では吸収されない金属です。銅は一定量体内に蓄積されると有害とされていますが、食用として認められている金箔の多くは銅を含みません。また、食用に特化したデンプンが主成分の食用金箔も多く使用されています。
これらの理由から、食用金箔は食べても問題ありません。
金箔は美容にも取り入れられている
食用だけではなく、美容シーンでも多く活用されている金箔。ネイルアートのワンポイントとして使われることもありますし、最近では金を配合した化粧品なども販売されています。例えば金箔を使った美容マスクや、金箔入りのローションなど。
これらは見ための豪華さだけでなく、金箔の成分が肌細胞を活性化して新陳代謝を促すと言われていることから、注目が集まっています。
まとめ
意外と身近な金である「金箔」についてご紹介してきました。食や美容といった日常のシーンを、ちょっと豪華に演出してくれる金箔。暮らしの中に取り入れてみてはいかがでしょうか。