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    足利義満の名

金閣寺とともに永ごうに残る
足利義満の名

足利義満とはどんな人物だったのか?

室町幕府の3代目将軍として有名な足利義満。日本人であれば1度は歴史の授業で聞いたことのある人物ですが、どういった人であったのか、またなぜ金閣寺を建造したのかは知られていません。そこで以下では、足利義満とはどんな人物だったのかについて簡単に解説しています。

10歳で征夷大将軍

室町幕府の3代目将軍として有名な足利義満ですが、実は10歳とあまりにも若い年齢で日本のトップである征夷大将軍になったことはご存じでしょうか。 

父親が若くして亡くなってしまったこともあり、10歳の年齢で室町幕府を継いだ足利義満は、周囲の人間たちに支えられながら政治を学んでいくことになります。

その時代には日本は南朝と北朝の形で政権争いをしており、足利義満は長い年月をかけて敵である南朝を打ち倒し政権を統一することに成功しました。

その後中国(当時の国号は明)に朝貢をしながら諸外国との交易を発展させることによって、ばく大な富を成すことに成功したのです。

金閣寺の建造

その後征夷大将軍の座を息子に譲った義満は、金閣寺の建造に着手します。

金閣寺は別荘として使う目的で建造されており、当時では破格の金の量を使用していたことからも、かなりの財力と権力を持ち合わせていたことが分かるでしょう。

ちなみに金閣寺は放火などで1度焼け落ちましたが、焼け落ちた金閣寺を建て替えるために使われた工事費用は約7億4,000万円だったそうです。お金と手間がふんだんに使われている建造物であるため、現在では日本だけではなく世界中にも名が知られており、世界遺産にも登録されている貴重な建造物になります。

 

金閣寺にこめられている秘密

実は金閣寺には建造の仕方に秘密がこめられていることはご存じでしょうか。足利義満が金閣寺にこめた秘密は、当時の歴史や慣習からすると驚きです。そこで以下では、その秘密について歴史的観点から詳しく解説していきます。

建築方法にこめられた秘密

金閣寺は全部で3段となっているのですが、それぞれ建築方法が全く違うことはご存じでしょうか。

確かに外側から見ると金がふんだんに使われた派手な建物のイメージしかありませんか、その内部は以下のような作りとなっています。

  • 1階 当時の貴族が住んでいた建物に使われていた寝殿造
  • 2階    当時の武士が住んでいた建物に使われていた武家造
  • 3階 中国(当時の国号は明)をモチーフにした禅宗様

このように1階は貴族を意識した建築、2階は武士を意識した建築、そして最上階は中国をモチーフにしたものとなっています。

これにこめられた秘密は、武士である足利義満は貴族よりも上の存在であり、その上に当時朝貢といった形で貢ぎ物を送っていた明が存在していることを表しているそうです。つまり日本の中では自分こそが最大の権力者であり、上に存在しているのは明しかいないと豪華な建造物の金閣寺で誇示していることが読み取れます。

装飾品にこめられた秘密

金閣寺はお城などの天守閣に鯱(しゃちほこ)のような派手な置物が置いてあるのと同様に、鳳凰の像が取り付けられています。

金閣寺を見守るように配置されている鳳凰は、昔から縁起がよい架空の生物として有名です。当時の日本でも鳳凰は幸福や富の象徴として知られており、大陸のほうでの神話では徳がある権力者のもとに訪れる生き物として愛されています。

一見縁起がよい架空の生き物を配置しているだけのように見えますが、当時の日本を支配していた天皇や貴族達からするとかなり屈辱的な行為です。

鳳凰の意味とは

鳳凰は大陸の神話の中で徳のある権力者、特に最高権力者である天子のもとに現れる存在として日本に伝わっていました。そんな生き物を模した像を自分建てた建造物に置くことは、自分こそが日本の最高権力者であることを暗示しているのです。

特に足利義満が活躍していた時代は、まだまだ天皇の権威が色濃く残されていた時代でもあるので、かなり勇気のいる行為だったのではないでしょうか。

 

現在の金閣寺 

そんな足利義満の下で建築された金閣寺は、現在世界遺産として日本だけではなく世界中の人々に知られています。

毎年多くの観光客が訪れるスポットであり、京都観光の際には金閣寺の見物は欠かすことができません。

当時自分の権力を誇示するために建築された金閣寺が、長い歴史を経て世界中の人々に認知されることになるとは足利義満も思いもよらなかったのではないでしょうか。

 

まとめ

今回は金閣寺とそれを建造した足利義満について詳しく解説してきました。金をふんだんに使用した金閣寺は、日本だけではなく世界中の人々の関心を集めている文化価値の高い建造物です。今後も金閣寺の名前と共に、永遠に足利義満の名前も残されることは間違いないでしょう。

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