金市場は世界経済と密接に関係している・変動の要因を解説

金市場の話題がニュースなどでしばしば紹介されています。この金市場、世界経済にお互い影響を及ぼし合う関係です。ここでは金の値段が上がったり下がったりする要因から、変動の要因について紐解いていきましょう。
金の値段が上がる要因
金の値段が上昇するのはほかの品目同様、需給関係をベースにしています。しかしそのほかにも経済的な事情で値段が急騰することもあるのでここで見ていきましょう。
インフレ局面に入った
なぜ金の値段が上昇するのか、金を購入する人が多くなるからです。では金の確保を急ぐのはなぜか、リスクマネジメントによるところが大きいのです。その中でも主要なきっかけとしてインフレがあり、物価が急激に上がります。一方で貨幣は相対的に価値が減少します。金の価値は左右されないので、自分の資産が目減りしないように金を買い求めるわけです。
日本の場合円安局面であがる
通貨の価値が下がった時、金の価値は安定しているので資産保全の観点から金を買い求めます。その結果、金の値段が上昇するのです。通貨の価値は各国の事情によっても変わっていき、日本の場合は円安局面に入ると金の需要が増大します。円安になるのは相対的な円の価値が減少するわけです。そこで損失回避のために金を買い求める人が増加して、値段が上がるというからくりです。
金の値段が下落する要因
値段が上がるのと同様、下がる要因についても経済動向が影響を及ぼすこともままあります。主要な原因についてここでピックアップしてみました。
世界情勢が安定している
金はよく「有事の商品」と呼ばれます。大恐慌のような景気の急激な悪化、戦争リスクが高まるような不安定な情勢になると金の価値は上昇します。逆に言えば、世界が比較的安定している状態だと金の値段は下落傾向になるわけです。金は世界の情勢を映し出す鏡とも言えます。
ドル高局面である
世界の通貨の中でもドルはもっともポピュラーな通貨とされます。ですからドルの変動は金の値段に大きな影響を及ぼすと考えられています。両者は逆比例の関係です。
もしアメリカの景気が好調でドル高の局面に入っているのであれば、金の価値は下がってしまいます。ですから金を高く売りたいと考えているのであれば、ドルの動向をチェックしたほうがいいでしょう。
まとめ
ここまで見ていたように金のマーケットは世界経済に影響を及ぼす半面、世界経済の動向で値段が上下動する相互作用の関係にあります。も資金取引で運用したければ、世界の経済や政情がどのようになっているかをチェックしたほうがいいでしょう。