金の純度について徹底解説!単位の意味や調べ方

ゴールドジュエリーなどに刻印されている「K24」「K18」などの表記。そのそれぞれに意味があります。金の品質を表すこの表記は、金製品選びの際に必ずチェックしたい重要なポイントです。今回は、金の純度に関する基礎知識から単位ごとの特徴や用途、金のカラーや純度の見分け方などを解説していきます。
Contents
金には純度がある
金を含む指輪やネックレスなどの商品には、純度が刻印されています。例えば「K24」や「K18」といった表記を目にしたことのある方も多いでしょう。
金製品にはジュエリーをはじめ、食器やゴールドバーなどさまざまな種類があります。各商品の価値を見極める際には金の純度がポイントの1つとなるため、正しい知識が必要です。金の純度について詳しく解説していきます。
金の純度とは?
金の純度とは、ジュエリーなどの金製品に含まれる純金の割合のことです。一般には「18金」や「K18」、「18K」などと表記されます。「K」は純度の単位です。読み方は「カラット」。「K」の代わりに「KT」や「KP」と表記される場合もあります。
「○○金」や「K○○」などの数値が高いほど純金含有率が高く、高品質で価値の高い金製品です。しかし、必ずしも純度が高い金製品だけが良いとは限りません。純度100%ではない金製品にもメリットはあるのです。満足できる商品選びのためにも、金の純度について知っておきましょう。
純度が刻印されていない製品もある
国内においては金の純度を刻印することが義務づけられているわけではないため、「K18」などの刻印がない商品もあります。刻印が見つからない商品は、別の手段で純金の含有率を測定し、品質や価値を見極めるのが良いでしょう。
もちろん、純度の刻印がないからといって偽物とは限りませんし、品質に問題があるともいえません。その製品の価値を見定められるだけの知識を身につけていれば、刻印がなくても価値ある商品を見出せるのです。純度表記の有無にかかわらず、価値に見合った価格で金製品を購入できるよう、金の純度に関する正しい知識を得ておきましょう。
「K」とは?純度が24分率で表される理由
ゴールドジュエリーやゴールドバーに記されている「K24」や「K18」といった印は、必ず「K+数字(数字+Kもあり)」の形式で表示されています。共通して表記されている「K(カラット)」は、前述した通り純金が含まれる割合を示す単位です。金の純度を表す際に不可欠な「K(カラット)」について、詳しく見ていきましょう。
Kは金が含まれる率
純金含有率は、慣例的に24分率で表記されます。24分率とは、100%を24としたときの割合を示す特殊な計算基準です。純度別の純金含有率は、以下の表をご覧ください。なお、この数字は暗記しなくても、K24を基準にして計算すれば簡単に各純度の金含有率を割り出せます。
金の純度 | 純金割合 |
K24 | 99.9%〜100.0% |
K22 | 91.7% |
K18 | 75%(混合物25%) |
K14 | 58.5% (混合物41.5%) |
K10 | 42% (混合物58%) |
例えば、K18の場合の計算方法は下記の通りです。
18÷24=0.75 (75%)
K24の金の含有率が100%で、K18の場合は24分の18であるため、上記のような計算方法で金の含有率が分かります。
なぜ24分率で表すのか
金以外の金属の純度は、基本的に1000分率を用いて示します。金の純度を表すためになぜわざわざ24分率を用いるのか、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。実は、これは金がはるか昔から貴金属として用いられてきたという事実に起因しています。
かつては「100分率」や「パーセント」という概念が存在しておらず、その代わりに一般的に使われていたのが、24分率でした。その当時からの名残で、金の含有率を表すための表記は現在でも24分率が用いられています。当時から金は希少性が高かったため、金の含有率は非常に重要視されていました。一方で、白金や銀といった金属が認知された頃にはパーセントの概念が定着しており、そこから派生した1000分率が用いられるようになったのです。
マエKとアトK
日本では、Kを数字より前に出して表記する「マエK」が用いられます。例えばK24ではなく24Kと表記されたものは「アトK」です。この表記は、海外で製造されたジュエリーや非常に古いジュエリーに多く見られます。
アトKは刻印自体の信頼性に欠けるといわれており、なかには実際の純度が表記よりも低かったり、純度のばらつきがあったりといったケースも。驚くことに、実際には金の含有率が0%という偽物も見つかっています。特に、東南アジアで作られた金製品には警戒が必要です。必ずしも悪意があっての刻印詐称とは限りませんが、だます目的で製造されているものもありますので、注意しましょう。
もちろん、「アトK」の表示でも問題のないケースもあります。「アトK」表記を使っているブランド・メーカーも少なくはありませんので、「アトK」表記がすべて悪いわけではなく、製品によって状況が違うということも知っておかなければなりません。
ダイヤモンドのカラットとの違い
ダイヤモンドに関しても「カラット」という言葉をよく聞くのではないでしょうか。しかし、ダイヤモンドと金で使われるカラットは意味合いが異なり、まったく別の単位です。2つの違いは、以下の通りとなっています。
- ダイヤモンドのカラット=質量
- 金のカラット=金の含有率
このように意味合いに違いがあるため、混同してしまわないように気をつけましょう。専門家のなかには、ダイヤモンドの方を「キャラット」と呼んで区別する人もいます。
金に他の金属を混ぜるわけ
ジュエリーショップやアクセサリー関連のオンラインショップでは、「K18」や「K14」のアイテムも多く取り扱われています。金の純度からすると純金100%の「K24」がもっとも価値が高いはずですが、ジュエリーのような実用性あるアイテムに関しては強度や見ためも重視されるため、「K18」や「K14」といった合金製品の方が需要は高めです。
もちろん、ジュエリーに限った話ではなく、その他の金製品においても他の金属が混ぜた合金製品の需要があります。金に銀や銅などの金属を混合する理由は、以下の2つです。
強度や性質を変えるため
純金は、品質が高い一方で非常にデリケートで柔らかい性質のため、次のような欠点が生じます。
- 傷つきやすい
- 熱に弱い
- 型崩れしやすい
- 劣化しやすい
眺めるだけで楽しめるオブジェならば、そこまで耐久性が高くなくても問題ないかもしれません。しかし、日常的によく利用するアクセサリーや腕時計、小物などの場合は、日常生活に耐えうる強度が求められるでしょう。そこで、金以外の混合物が必要になるのです。
銀や銅などの混合物は金よりも強度が高く、混ぜて合金にすることで利用や管理、加工がしやすくなります。金の品質を保ちながら、金のデメリットをカバーできるのです。つまり、輝きは美しくても柔らかくてもろい金の性質を補うために、用途に合わせて他の金属がミックスされています。
カラーや印象を変えるため
金製品のなかでもアクセサリーやジュエリーは、見ためや印象も重視したいと考える方が多いのではないでしょうか。オーソドックスなゴールドの黄金色も美しいですが、アクセサリーやジュエリーの利用シーンによっては、カラーや輝きのバリエーションが求められます。
純度は同じであっても混合物の割合によって色味を変えられるため、仕上がりのカラーや輝きの印象が異なる製品が作れるのです。その違いをうまく利用して、アクセサリーやジュエリーの個性を演出しています。
特に女性は、いろいろなファッションコーディネートを楽しむために、身につけるゴールドのアクセサリーやジュエリーのカラーバリエーションにもこだわりたい方が多いのではないでしょうか。多様化するニーズや利用シーンに合わせて、さまざまな色味や印象をもつゴールドジュエリーが求められているのです。
金の純度によって、用途が変わる
同じ金であっても、「K24」「K22」などの純度によって金とその他の金属の割合が異なります。純度が違えば、必然的に性質や耐久性も違ってきますので、それぞれの特性に合わせて用途が分けられているのが一般的です。
金製品といえば、以下のようなものが思いつくでしょう。
- アクセサリー
- ゴールドバー
- 金箔
- コイン
- オブジェ
純金を含む割合によって特性が変わるため、これらの製品にも特に適した純度があります。金の純度によって異なるそれぞれの特徴や適した用途について見てみましょう。
金の純度別に特徴が違う理由
品質の高さでいえば「K24」が最上位ですが 、強度や性質の観点では「K24」以外の合金が優位です。その理由は、純金以外に混合物が含まれていることで強度が高まるため。
金は丈夫で耐久性のある素材に思われがちですが、実はデリケートで扱いにくい素材です。その性質をカバーするために、銀や銅などの混合物が混ぜられます。「K24」はジュエリーやアクセサリーには適しません。ジュエリーやアクセサリーには、主に合金が使われています。日常的に身につけるジュエリーやアクセサリーは傷などに強いことが求められますし、さまざまなパーツと組み合わせるためにも強度がなければいけません。
このように、金の純度によって性質も異なり、適した使い道も違ってくることを頭に入れておきましょう。
金の純度別の特徴と用途
金の純度別の特徴と、主な用途を見てみましょう。
金の純度 | 特徴 | 用途 |
K24(99.9%〜100.0%) | ・混合物が含まれていない
・時間が経っても輝きがなくならない ・腐らない |
・コイン
・ゴールドバー ・オブジェ |
K22(91.7%) | ・K24と比較すると耐久性がある
・純金に近い輝きをもつ |
・ジュエリー
・アクセサリー |
K18(75%:混合物25%) | ・金の純度と強度のバランスが良い
・ピンクやホワイトなどの色が豊富 ・金属アレルギーのリスクが低い ・加工を施しやすい |
・ジュエリー
・アクセサリー ・カメラ ・時計 |
K14(58.5%:混合物41.5%) | ・強度が高く耐久性がある
・金特有の輝きが少ない ・変色や色落ちのリスクが高い |
・ジュエリー
・アクセサリー |
K10(混合物58%) | ・リーズナブルな価格で手に入る
・混合物の割合が高く金属アレルギーのリスクが高い |
・ジュエリー
・アクセサリー |
純度が同じでも違う製品になるケースがある
ここまで、金の純度によって特徴や用途が異なることを解説してきました。しかし、同じ純度の金であっても異なるカラーや強度をもつものもあります。そのため違う製品に仕上げられるケースもあるのです。
例えば、「K18」と刻印されたゴールドジュエリーは一種類ではありませんね。指輪をはじめ、ネックレスやブレスレッドなども存在しますし、カラーゴールドと呼ばれるものもあります。作りたい製品によって金に混ぜ合わせる金属の種類や割合を変えることで、新たなカラーゴールドが生まれるのです。
カラーゴールドは5種類ある
金の色というと、ゴージャスに輝く黄金色をイメージされる方も多いことでしょう。しかし、実は仕上げ方によって多彩なカラーを放つ金も存在しています。それこそが、金製品の1つの魅力ともいえるのです。
「K24」の金製品は金100%で不純物ゼロのため、金そのものの黄金色をしています。しかし、K24以外の金製品は「金+その他の金属」で作られているため、純金にプラスする金属の種類や割合によって他金属のカラーの要素が混じり、新たな色合いに変化するのです。なかでも、5種類のカラーゴールドがよく知られています。
- イエローゴールド
- ピンクゴールド
- グリーンゴールド
- レッドゴールド
- ホワイトゴールド
5種類のカラーの違いは、純金製のジュエリーと比較すると一目瞭然。純金にどんな金属をどのような割合で加えるかによって、色合いや見せる表情が違ってきます。特にジュエリーやオブジェなどには、その違いが活かされやすいでしょう。加えられる金属の種類や割合によって、金製品の耐久性や特徴にも違いが出ます。
カラー別の特徴と用途の違い
金の純度とともに、金のカラー別の特徴や主な用途も知っておくと、金製品選びの際にも役に立つはずです。特にゴールドジュエリーを選ぶ際には、純度の他に見ためや強度などもチェックするでしょう。
カラーゴールドの色味を決定づけるのは、含有金属の割合です。金独自の黄金色にどの金属のカラーをミックスするかによって、色が決まるのですね。5種類のカラーゴールドの違いを知るために、K18を例にとって5色の「含有金属の割合」「特徴」「用途」をまとめました。K18ですから、金の割合が75%、残りの25%が他の金属です。
カラー | 含有金属の割合 | 特徴 | 用途 |
イエローゴールド | 銀15%・銅10%・パラジウム0% | ・華やかな印象
・金に近い発色 ・銀と銅が同じくらいの割合で含まれている ・曲がったり折れたりしにくい |
・ブライダルジュエリー
・アクセサリー |
ピンクゴールド | 銀5%・銅18%・パラジウム2% | ・柔らかい印象
・強度がある ・変色しやすい ・銅の割合が高い |
・女性向けのアクセサリー
・男性向けの腕時計 |
グリーンゴールド | 銀25%・銅0%・パラジウム0% | ・爽やかな印象
・銅が含まれていない |
・指輪
・オブジェ |
レッドゴールド | 銀10%・銅15%・パラジウム0% | ・金よりも耐久性がある
・銀と銅が含まれている ・硬くて柔軟性がある ・温かみある印象 |
・女性向けのアクセサリー
・指輪 |
ホワイトゴールド | 銀15%・銅0%・パラジウム10% | ・清楚な輝き
・メッキ加工されている ・変色や変質に強い |
・アクセサリー
・時計 |
金の純度を自分で簡単に調べる方法
自分で金の純度を見分けるためにチェックしたいポイントが、刻印と比重の2つです。どちらも簡単な方法で確認できるため、覚えておくと金製品選びの際にも役立つでしょう。
刻印とは、金製品自体に刻まれている金の純度やカラーを示す表記のこと。一方比重とは、水に対して純金がどのくらいの重さをもっているかを示す数値です。2つの見分け方を解説していきましょう。
刻印から見分ける方法
金の純度は、刻印で確認するのが基本です。多くの金製品には「K18」「K22」や「K18PG」のような刻印がされています。なかには刻印がない商品もありますが、刻印がある製品の方が圧倒的に多いでしょう。そのため、まずは刻印にて金の純度を調べるのがベストです。
金製品の刻印には、カラット表記とカラーゴールド表記の2種類があります。カラット表記はスタンダードな刻印であり、金製品に詳しくない人にもよく知られているでしょう。一方で、カラーゴールド表記は比較的歴史が浅いため、カラットよりも認知度が低いかもしれません。
まず、カラット表記は「K18」「K14」のように刻印されています。前述したように、「K24」が純金100%です。K24を基準に、数字が小さくなるほど純金含有率が下がります。刻印を見てすぐに金がどれだけ含まれているか判断できるように、純度から金含有率を計算する方法を頭に入れておくと良いでしょう。
計算方法は簡単です。K18であれば「K18÷K24=0.75(75%)」、K22であれば「K22÷K24=0.92(92%)」というように、該当する刻印を24で割るだけで純金の含有率分かります。
次に、カラーゴールドを示す「K18PG」「K18RG」などの刻印から判断する方法です。この場合、「PG」や「RG」などの左隣にある「K18」の数字で金の純度を判断します。「K14PG」であれば「K14」ですので、純金含有率は58.5%です。「K18RG」であれば「K18」に分類されるため、純金が75%含まれていることになります。
「K18PG」「K18RG」などの場合、「K18」の右にある「PG」や「RG」がカラー名を表す表記です。「PG」はピンクゴールド、「RG」はレッドゴールドを表しています。
カラーゴールドの表記は以下のようになっています。
- YG=イエローゴールド
- PG=ピンクゴールド
- RG=レッドゴールド
- GG=グリーンゴールド
- WG=ホワイトゴールド
比重から見分ける方法
金製品のなかには、刻印の表記がないものもあります。その場合は、比重から純度を推測する方法が便利です。比重とは、基準物質(金の場合は水)の密度と対象物質の密度の比であり、同じ体積の水と比べてどれだけの重さをもっているのかを示します。比重は自宅でも簡単な方法で測定可能です。比重の測定方法を説明していきます。
- 金製品自体の重さをはかりで計測する
- 測定したい金製品が収まる程度の容器に水を張った後にはかりに乗せ、「ゼロ機能」を使って「0」に設定する
- 測定したい金製品を糸などで縛り、糸で釣った状態のまま2.の水中に入れる(このとき、容器の底に金製品がつかないように注意しましょう)
- 金製品が水中にあるときの重量を測定してメモする
- 金製品自体の重さ(1.の測定結果)÷金製品が水中にあるときの重さ(4.の測定結果)を計算し、比重値を算出する
例えば、金製品自体の重さが150g、金製品が水中にあるときの重さが10gの場合、150g÷10g=15で「15」が比重値と分かります。
製品の比重が分かったら、純度別の比重値を参考にして純度を見分けましょう。金の純度別の比重値は、下記の一覧の通りです。
- K24……19.3
- K20……16〜17
- K18……15~16
- K14……16〜17
- K10……11.5~13
つまり、先ほどの比重値が「15」のケースでは、金の純度は「K18」であると分かります。
まとめ
今回は金の純度に関する基礎知識や「K」の意味、金の純度やカラー別の特徴と用途、純度の見分け方などをご紹介しました。純金だけで作られた「K24」の製品は高価値ですが、混合物を含む合金には耐久性や見ためのバリエーションといったメリットがあります。製品ごとの特徴を知り、価値に見合った価格の金製品選びをしましょう。