カリフォルニアだけではない・もう一つのゴールドラッシュ

ゴールドラッシュといえば、カリフォルニアが世界的に有名です。しかし実は過去の歴史を紐解くと、世界各国で様々なゴールドラッシュが過去には起きています。その中でも世界史のテキストや文献でもしばしば登場する、クロンダイク・ゴールドラッシュについて紹介していきましょう。
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クロンダイク・ゴールドラッシュとは何か
クロンダイク・ゴールドラッシュについて詳しく知らない人もいるでしょう。クロンダイク・ゴールドラッシュとは、カナダのユーコン準州クロンダイク地方で起きたゴールドラッシュ。地名から「ユーコン・ゴールドラッシュ」とも呼ばれます。それではまずは基本的な情報についてみていきましょう。
1896~1899年にかけて発生したクロンダイク・ゴールドラッシュ。きっかけになったのは1896年に報道されたニュースです。ユーコンのクロンダイク地方で金鉱が発見されたと報道され、それがアメリカのシアトルやサンフランシスコにまで伝わりました。すると金を掘り当てて身を立てようとする人たちがカナダのユーコン州に殺到。一時期3万人以上の人口を記録するほど。このゴールドラッシュの結果、ドーソンシティという街ができました。
厳しいサバイバルゲーム
クロンダイク・ゴールドラッシュではこのブームの期間中、10万人以上がクロンダイクを目指したとされています。しかし地形の険しさと極寒といわれる厳しい寒さのため、実際に到達できたのは3~4万人と半分以下だったようで、リタイアをした人も少なくありませんでした。
しかもこの地に到達できた人全員が金を採掘できたわけではありません。実際に金を掘り当てられたのは、4000人ほどとされ成功率はわずか4%。厳しいサバイバルゲームを勝ち残った一部の人たちしか、その恩恵にはあずかれなかったわけです。
ちなみにこのゴールドラッシュはわずか3年で終焉。それはアラスカ州のノームで、新たな金鉱が発見されたからです。こちらに人々が殺到し、ドーソンシティなどの人口も急減してしまいました。
ゴールドラッシュを感じられる場所
クロンダイク・ゴールドラッシュの痕跡は今でも各地に数多く残されています。どのような場所にあるかについて紹介しますので、興味のある人は旅行に出かけてみてはいかがでしょうか?
ドーソンシティ以外のスポット
金鉱探しの主戦場となったドーソンシティ以外にも実は、ゴールドラッシュのポイントとなった基地が2つあります。ひとつは東南アラスカにあるスキャグウェイ。こちらはゴールドラッシュを目指した人たちの前線基地になった場所です。そしてもう一つがシアトルでした。後方兵站地のような役割を果たした結果、当時実に650万ドルもの金がシアトルに持ち込まれたといわれています。
シアトルとスキャグウェイに博物館がある
実はこの2つの基地となったスキャグウェイとシアトルには、当時をしのぶ博物館が建てられました。クロンダイク・ゴールドラッシュ国立歴史公園の中にあります。こちらの博物館には、金鉱を掘り当てようとした人々が雪の中、列をなして移動している写真が展示されているのです。この写真を見れば、いかに多くの人々が一獲千金を求めて過酷な環境の中を移動してきたのかがうかがえます。
またゴールドラッシュの出発点だったスキャグウェイ。ここから雄大な渓谷も見られます。ホワイトパス・ユーコン鉄道に乗れば、景色を堪能できるでしょう。またその険しい絶景を見ると、当時の人々がいかに厳しい中を移動してきたのか見てとれます。このようにゴールドラッシュの模様を今でも感じられる場所がいくつもあり、人気の観光スポットです。
まとめ
世界中で今までに何度か起こっているゴールドラッシュ。有名なのはカリフォルニアのゴールドラッシュですが、ほかにも今回紹介したクロンダイクのようにあまり知られていないゴールドラッシュの舞台があります。今度チェックしてみてはいかがでしょうか?