1月の誕生石として知られるガーネットは、和名を「柘榴石(ざくろいし)」と言い、深い赤色を持つ宝石です。
しかし、実はガーネットとは1つの石の名前ではなく、ガーネットという鉱物グループの総称で、赤以外にも緑やオレンジなど、様々な色が存在します。
この記事では、ガーネットの誕生石としての意味に加え、色の種類や価値の違い、そして高い価値がつくガーネットの特徴をご紹介します。
ガーネットの購入や売却を検討している方は、ぜひご参考にしてください。
Contents
ガーネットの誕生石としての意味と石言葉
ガーネットの代表的な石言葉は「真実」「情熱」「友愛」「忠実」です。
真実の愛や情熱を象徴する宝石とされ、古くは戦場に赴く兵士が妻にガーネットを贈り、変わらぬ愛を誓ったと言われています。
現在でも、結婚18周年を祝う「ガーネット婚式」では、永遠の愛や信頼の証としてガーネットを贈る風習が残っています。
また、欧米では「人生に忠実であれ」という願いを込めて、親が子どもに初めての宝石としてガーネットを贈る風習があります。
さらに、赤色が血を連想させることから生命力を高める石ともされ、中世ヨーロッパでは守護石として兵士に愛用されてきました。
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ガーネットの代表的なカラーバリエーション
ガーネットと聞くと赤色を連想する方が多いですが、実際には赤紫、黄色、オレンジ、緑など、様々なカラーが存在します。
大きく赤色系(パイラルスパイト系統)と緑色系(ウグランダイト系統)に分類され、結晶構造内の成分の違いによって発色が異なることで、色や輝きに多様性が生まれるのです。
以下では、代表的な9種類のガーネットについてご紹介します。
パイロープガーネット
ガーネットをイメージする際、多くの方が真っ先に思い浮かべるのがパイロープガーネットです。
深みのある落ち着いた深紅色が特徴で、その美しさからルビーと混同されることもありました。
主要産地がボヘミア地方であることから、「ボヘミアン・ガーネット」とも呼ばれます。
鉄やクロムを多く含む点もこのガーネットの特徴です。
ロードライトガーネット
紫がかった赤色やラベンダーカラーが特徴で、薔薇を思わせる美しい色合いのガーネットです。
名前の由来は、ギリシャ語で薔薇を意味する「Rhodo(ロード)」からきています。
また、アルマンディンガーネットとパイロープガーネットの中間タイプ(固溶体)として知られています。
スペルサルティンガーネット(マンダリンガーネット)
スペサルティンガーネットは、マンガンや鉄を含むことで鮮やかなオレンジ色に発色します。
特に、ナミビア北部の片麻岩から産出されるスペサルティンは「マンダリンガーネット」と呼ばれ、その強い輝きが特徴的なガーネットです。
その美しさから、最も人気のあるガーネットの1つとなっています。
なお、マンガンの含有量が多いものは黄味が強いオレンジ色になり、鉄の含有量が多いものは赤色に近い色味になります。
マラヤガーネット(ウンバライト)
マラヤガーネットは、数十年前にタンザニアやケニアで発見された、比較的新しい宝石です。
このガーネットは、スペサルティンガーネットとパイロープガーネットの中間タイプ(固溶体)に分類されます。
混合種であるため、レッド系、ピンク系、オレンジ系、ブラウン系など、多彩なカラーバリエーションを持つことが特徴です。
また、一部のマラヤガーネットには照明によって色が変わるカラーチェンジ効果が見られるものもあります。
デマントイドガーネット
デマントイドガーネットは、その名が「ダイヤモンドのような」を意味する通り、高い屈折率と分散度を誇り、ダイヤモンドに勝るとも劣らない美しい煌めきを放ちます。
濃い緑色が特徴で、希少価値の高さから多くのコレクターにとって垂涎(すいぜん)の的となっています。
また、「ホーステイル(馬のしっぽ)」と呼ばれる細かい繊維状のインクルージョン(内包物)を含むものがあり、この稀有な特徴から「幻の宝石」としても知られています。
ツァボライト(グリーンガーネット)
グリーンガーネットは、1970年頃に発見され、1974年にティファニー社によって「ツァボライト」と命名されました。
その後、ティファニーによる大々的なプロモーションが行われ、エメラルドに似た透明感のある鮮やかな緑色が人気を博しました。
しかし、現在では産出地が限られており、産出量も極めて少ないことから、非常に高い希少価値を持つ宝石となっています。
シャンパンガーネット
シャンパンガーネットはマラヤガーネットの一種で、タンザニアのウンバ渓谷で採掘される希少なガーネットです。
パイロープガーネットとスペサルティンガーネットの中間タイプ(固溶体)に分類され、オレンジからベージュ、またピンクベージュ系などの色味を持つことが特徴です。
特に、ピンクベージュ系の石は、蛍光灯下ではピンクベージュ、自然光下では淡いピンク色というように、光源によって異なる色合いを楽しめる点が魅力です。
カラーチェンジガーネット
マラヤガーネットの一種として、パイロープガーネットとスペサルティンガーネットが混ざり合った、カラーチェンジタイプのガーネットが存在します。
このガーネットは、日光下とロウソクの灯火の下で色味が変化するという、神秘的な輝きを放つ点が大きな魅力です。
特に、1987年にタンザニアのウンバ峡谷で発見されたカラーチェンジガーネットは、ロシア産のアレキサンドライトに似ていることで話題となり、それをきっかけに注目を集めました。
そして、現在においても高い需要を誇る人気の宝石です。
スターガーネット
スターガーネットは、半球状のカボションカットを施すことで、光を当てた際に針状のインクルージョンが光を反射し、複数の光の筋が浮かび上がる「スター効果(アステリズム)」を持つガーネットです。
一般的に、4条の光の筋を示すものが多いとされていますが、稀に6条の光の筋を持つものも存在しており、その希少性の高さから、高い価値を持っています。
その神秘的な美しさは多くの人々を魅了し、パワーストーンとしても高い人気を誇ります。
ガーネットの主な産地
ガーネットの主な産地は、タンザニア、アメリカ、ロシア、ブラジルです。
ガーネットは、採掘される場所によって石の色が異なり、その色の違いを楽しめることが魅力です。
タンザニア
タンザニアでは、様々な種類のガーネットが採掘されます。
中でも、タンザニアのウンバ川で発見された「マラヤガーネット(ウンバライト)」が有名です。
マラヤガーネットは、独特のパープル&レッドの色味が美しく、人気があります。
アメリカ
アメリカでも様々な種類のガーネットが採掘されており、1882年にアメリカのノースカロライナ州で発見された、紫がかった色味の「ロードライトガーネット」が特に有名です。
そのほか、「パイロープガーネット」や「アルマンディンガーネット」など、主に赤色系のガーネットが採掘されます。
ロシア
ロシアは美しさと高い希少価値を誇る「デマントイドガーネット」の産地として知られています。
デマントイドガーネットは、美しい緑色とダイヤモンドのような強い輝きが特徴で、1875年からロシア宮廷のジュエリーとして王侯貴族に愛用されるようになりました。
また、ロシアのウラル山脈で採れたガーネットは、ほかの産地と比較しても非常に美しいことで有名です。
ブラジル
様々な宝石の豊富な供給源であるブラジルでも、ガーネットは採掘されています。
特に、赤色系の「パイロープガーネット」やオレンジ色系の「スペサルティンガーネット」などが多く見られます。
中でも、ブラジル産の赤色系ガーネットは、紫がかっているという特徴があります。
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ガーネットは日本でも採掘されており、その多くは赤色系のアルマンディンガーネットが占めています。
その中でも、特に注目を集めたのが「レインボーガーネット」と呼ばれる虹色の輝きを持つ希少なガーネットです。
奈良県天川村で採掘され大きな話題となりましたが、不法採掘が続き地元住民とトラブルが発生したため、現在では採集が禁止されています。
そのため、このガーネットは現在でも、宝石や鉱物のコレクターの間で高い人気を誇っています。
ガーネットのパワーストーンとしての効果
ガーネットはパワーストーンとしても高い人気を誇る宝石です。
熟したザクロに似た原石から「実りの象徴」とされ、努力が実ることや恋愛の成就を願う石として親しまれています。
また、赤色が血を連想させることから、ネガティブなエネルギーを吸収し、活力を与えるとも言われます。
さらに、心身の浄化や人間関係の調和を促す力があると信じられています。
情熱の石とも呼ばれるガーネットは、愛を継続させ、永遠の愛を誓う宝石としても人気があります。
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ガーネットの歴史・名前の由来
ガーネットの歴史は、古代エジプト時代にまで遡ります。
ガーネットは高貴な装飾品として珍重されており、ツタンカーメン王の墓からも発見されました。
さらに、古代ローマでは印章として使われ、中世ヨーロッパでは兵士の守護石にされていた歴史があります。
19世紀にはボヘミア地方(現在のチェコ共和国)が主要な産地となり、「ボヘミアン・ガーネット」としてヨーロッパ中で人気を博しました。
そして現在でも、その美しさと歴史的背景から、多くの人々に愛されています。
また、「ガーネット」という言葉の語源は、ラテン語でザクロを意味する「granatum(グラナトゥム)」や、種子を意味する「granatus(グラナタス)」と言われています。
これは、採掘される時のガーネットの結晶が赤く実ったザクロに似ていることが由来とされており、日本でも「柘榴石(ざくろいし)」の和名で親しまれています。
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ガーネットにまつわる伝承は、世界各地に存在します。
旧約聖書「創世記」の『ノアの方舟』にも登場し、四十日四十夜の悪天候で覆われた空の下、方舟を照らした赤い宝石がガーネットだとされています。
その明かりのおかげでノアたちは大洪水を乗り越えたと言われており、古来からガーネットは力を持つ美しい宝石として、人々に愛されてきたことがわかります。
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価値が高いガーネットの特徴とは?
様々な種類があるガーネットですが、その価値は、色、クラリティ、カラットにより評価されます。
購入や売却をお考えの方は、価値が高いガーネットの特徴を押さえておくことがおすすめです。
緑色系で鮮やかな発色
ガーネットは赤色系と緑色系に大きく分類され、緑色系は採掘量が少ないため高く評価されます。
特に、ツァボライトは希少性と人気が高く、高値で取り引きされる傾向があります。
また、黄緑色でダイヤモンドのような輝きを持つデマントイドガーネットも、その希少性から非常に人気があり、特に、ロシア産の小粒で鮮やかな発色を持つものが高品質とされています。
なお、赤色系のガーネットでも、他の条件によっては高い値段がつく可能性があるため、一概に価値が低いわけではありません。
透明度が高い
ガーネットは他の宝石と同様に、インクルージョンが少なく透明度(クラリティ)が高いほど価値が上がります。
一般的に赤色系のガーネットには目視できるインクルージョンはほとんど見られませんが、ひび割れや欠けがある場合は価値が下がる可能性があります。
一方、オレンジ色のスペサルティンガーネットには、目に見えるほどの大きさのインクルージョンがあることが多く、透明度が高いものは希少性が高まり価値が上がります。
また、緑色系のデマントイドガーネットには、ホーステイルと呼ばれる美しい馬のしっぽ状のインクルージョンが含まれる場合があり、このインクルージョンは例外的に宝石の価値を高める要素となります。
カラット数が大きい(希少な種類の場合)
一般的に宝石はカラット(重量)が大きいほど価値が高まりますが、ガーネットの場合は種類によって異なります。
デマントイドガーネットやツァボライトは、大きなサイズがほとんど採掘されないため、大きいほど希少性が高く価値が上がります。
しかし、他のガーネットでは大きいサイズも多く見られるため、カラット数による価値の上昇はあまり大きくありません。
ガーネットの価値は、カラット数だけでなく、カラーの鮮やかさや透明度、そして希少性など、総合的な評価によって決定されるのです。
- おたからや査定員のコメント
ガーネットは比較的安価な宝石と思われがちですが、種類によっては高値で取り引きされるものもあります。
例えば、デマントイドガーネットは、宝石研究者クンツ博士に「エメラルドのようなグリーン」と称賛され、ティファニー社の主力ジュエリーに採用されました。
そして現在、デマントイドガーネットは、資産価値のあるジュエリーとして評価されています。
また、ガーネットは種類が多岐にわたるため、査定には専門知識が必要です。
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