東洋で愛されてきた深緑で魅了する翡翠の魅力について

宝石は世界中の人に愛されていますが、東洋で特に人気が高いものが翡翠です。翡翠の美しさは東洋人の方がより深く理解していて、装飾品にも多く利用されています。ここでは、そのような東洋で人気のある翡翠について詳しく紹介します。
深緑で美しいカワセミを彷彿とさせる翡翠
翡翠は深い緑色が特徴の宝石です。外観が非常に美しいことから、さまざまな目的で利用されています。翡翠という名前は難しい漢字を使用して書きますが、こうした名前が付けられたことにははっきりとした理由があります。翡翠とはもともとカワセミのことを意味する言葉で、カワセミのような色をしていることからこの鉱物にも同じ名称が付けられました。カワセミは水辺に生息している小型の鳥で、スズメと同じくらいの大きさの鳥ですが、スズメと違うところは、クチバシが体と比べて大きいことです。メスとオスでは模様に若干の違いがあり、メスはクチバシの下側が赤くなっていることが特徴です。翡翠という名前が付けられていますが、実際には水色に近い色をしています。青い宝石と呼ばれることもあり、野生の鳥が好きな人にも人気があります。青い鳥であるこの鳥が深緑の鉱物の名前に付けられた理由は、光の当たり具合によってたまに緑色に見えることもあるからです。カワセミも翡翠も自然界に存在する美しいものとして多くの人に愛されています。
宝石と認識された翡翠の歴史
翡翠は非常に古い時代から、人間に愛されていました。翡翠は古代の中国でも人気があった鉱物で「玉」と言われ宝石の一種として認識されていました。名称も中国で付けられたもので、日本でも同じ名前が使われるようになりました。この鉱物は日本でも非常に古い時代から愛用されており、その歴史は縄文時代までさかのぼることができます。今から5,000年ほど前には、縄文人がこの鉱物を加工していたこともわかっています。時代が下ってもこの鉱物は多くの人に利用され続け、日本が弥生時代や古墳時代になると、さらにさまざまな目的で使われるようになりました。この時代の用途として多かったものが、祭礼や呪術を行う際に使用する方法です。勾玉に加工されたものも多く、そうしたものの一部は現在でも博物館などで保管されています。特定の場所で産出したものが日本の広い地域に流通していたこともわかっていて、北海道や沖縄でも本州で採れた翡翠の加工品が見つかっています。2016年には日本の国石に認定され、ますます注目されている宝石です。
パワーストーン翡翠が持つ意味
翡翠はパワーストーンとしても人気がある宝石です。パワーストーンにはそれぞれ固有の意味がありますが、この宝石にもいくつかの有名な意味があります。翡翠には繁栄や飛躍などポジティブな意味合いが多く、運勢を上げる目的で身に着ける人も多い宝石です。忍耐という意味も持っていて、我慢をしたいことがある人にも使われることがあるパワーストーンです。ダイエットをしたいときに身に着けるといった使用方法もできます。翡翠には長寿という意味合いもあり、長生きをしたい人にも愛されている宝石です。このストーンを身に着けながら生活することで、長寿を実現しようと考えている人もいて、高齢の人への贈り物に使用されることもあります。翡翠には調和という意味合いもあり、仲が良くなりたい人がいる場合にも使用できます。古くから伝わっている意味としては「仁・義・礼・智・信」の5つの徳があり、持っていることによりこれらのすべての徳が得られるようになると考えられていました。所有している人の能力を総合的に高めるパワーストーンといわれています。
翡翠の品質と価値の判断基準
翡翠の品質で特に重要になるポイントは石の色です。緑色が鮮やかなものの方が品質が高いとされています。表面にツヤがあることも高い品質の翡翠の条件になっていて、質の高いものは磨いた宝石のような輝きがあります。緑色が澄んでいるかどうかもクオリティを決める重要な要素です。明るい緑色のものであっても色に濁りがあるものは価値が低くなります。特に緑色が美しいものには琅玕という名前が付けられていて、非常に価値が高いものなので古い時代から珍重されていました。琅玕とは中国語で「青くて美しい竹」という意味があり、ミャンマーなどの地域で採掘されています。緑色以外の翡翠の中にも高い価値を持っているものがあり、その中でも特に人気があるのはラベンダー翡翠というタイプの石です。これは産出する地域によって色が微妙に異なっていて、日本のものは青みがかっていることが特徴です。ミャンマーのものは紫色で、通常のものとは違った魅力があることから高値で取引されています。硬さによっても価値に違いはあり、軟玉より硬玉の方が高く評価されています。
まとめ
宝石として人気がある翡翠について紹介してきました。昔から日本人に愛されてきた宝石で、縄文時代から使用されていたことが知られています。古墳時代には祭祀の道具にも使われています。日本以外の地域でも人気があり、特にアジア地域では高い人気があります。中国でも広く愛されていて、翡翠という名前が付けられた場所も中国です。もともとはカワセミという意味で、色が似ていることから名前が付けられました。パワーストーンとしても人気のある宝石です。