宝石・ジュエリー
2021年11月1日

【オブシディアン(黒曜石)-Obsidian】

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【オブシディアン(黒曜石)-Obsidian】

オブシディアンは火山に由来する天然のガラスで、研磨すると艶やかになることから宝石にも用いられる、人類が古くから利用してきた鉱物です。日本を含む世界中で産出され、黒曜石の他に十勝石という名称も用いられています。

オブシディアン(黒曜石)の特徴と宝石言葉

オブシディアン(黒曜石)の特徴と利用

オブシディアンは和名で黒曜石と呼ばれる鉱物で、火山の噴火に伴う粘り気のあるマグマが水中などで急激に冷やされることにより発生します。同じマグマからは石材に利用される御影石の一種である花崗岩も発生しますが、花崗岩がゆっくりと冷やされて結晶化しているのに対し、オブシディアンは結晶化していません。火山に由来する岩石はごつごつとした印象や御影石のように小さな結晶が集まった模様を想像する人も多いでしょう。しかし、オブシディアンはガラス質のためガラス状の光沢を持ち、カボションカットで加工されているものは非常に艶やかです。火山に由来する岩石の一種であることから、古代より人間の生活に利用されてきた鉱物でもあり、石器時代には矢じりや刃物として使用されてきました。この理由には、鉱物的にはガラス質のため割れると鋭利になる点や、モース硬度が低く研磨しやすい鉱物だった点が考えられます。現在でもオブシディアンの鋭利さが利用されており、海外ではカミソリや医療用のメスに用いられることがあるほどです。ほかにも1000度の高温で加熱すると内包された水分が発泡して多孔質の軽石状に変質する特性があります。この加工をされたものは白い色に変化し、パーライトと呼ばれ、土壌改良材に用いられるようになりました。

オブシディアン(黒曜石)の宝石言葉と伝説

オブシディアンはパワーストーンとしての人気も高く、比較的手ごろな天然石素材として手作りのアクセサリーにもしばしば使用される素材です。古くから利用されているため、神秘的な伝説も残されており、アステカ文明の中では黒曜石の粉末を混ぜた鎮痛薬が傷の治癒を早めると信じられていました。そのオブシディアンが持つ宝石言葉は『摩訶不思議』や『名誉の保護』であり、災厄から身を守るお守りとして、仏像や仏具をかたどった品物を販売しているショップを見ることもあります。

オブシディアン(黒曜石)の色と魅力

オブシディアン(黒曜石)の色とバリエーション

オブシディアンは黒曜石の和名に見るように黒い宝石ですが、ただ真っ黒なだけではないバリエーションを持っていることが特徴的です。流通量が多く一般的に認知されているのは不透明でつやのあるタイプですが、鉱物としてはガラス質であるため透明な個体も発生します。不透明なものは深い黒色や非常に濃い緑色が多く、こうしたものは艶やかに見えるカボション・カットで加工してジュエリーに利用されることが多いです。同じく不透明でカボション・カット加工されるスノーフレーク・オブシディアンは、鉱物の発生過程で生じた気泡や、凝固する際に内包したカリ長石を含んだ個体であり、黒い地色に白い模様が浮かんで見える様子が美しく珍重されています。スノーフレーク・オブシディアンは同じ模様の個体が存在しない点においても希少性が高く、パワーストーンの世界では一般の黒曜石とは別の石と考えられている特徴的なバリエーションです。そのため、ガラス質に由来する透明度の高いものに関しては、多くの宝石と同様にステップ・カットで利用されることがあります。そのほか、パワーストーン向けにビーズとして加工されている場合もあるほどです。

オブシディアン(黒曜石)の魅力とは

オブシディアンの魅力は吸い込まれるように艶のある黒い色に加え、火山ガラス特有の神秘的な透明感を持っている点です。艶やかさが際立つ存在感のあるカボション・カットであっても、光にきらめくステップ・カットであってもその神秘的な雰囲気は損なわれません。どのようなジュエリーであっても魅力を味わうことが可能です。スノーフレーク・オブシディアンでは、個体ごとに異なる個性を楽しむことができます。また、太古の時代より用いられ、鉄資源に乏しかったアステカ文明の繁栄にも寄与したことなど、人間の歴史の中で身近な存在だったという背景に思いを馳せてもその魅力が感じられるでしょう。

オブシディアン(黒曜石)の産出国

世界中で産出されるオブシディアン(黒曜石)

オブシディアンが発生するためには火山が存在していて流紋岩となるマグマが噴出することと、噴出したマグマ急激に冷却される条件が合致している必要があります。しかし、こうした条件が揃った土地は世界中に点在しているため、世界各地からオブシディアンの産出が可能です。このような理由からオブシディアンは石器として活用され、人類の移動に合わせて火山のない地域まで広がりました。それ故に長い歴史があり、名称の由来は古代ローマの博物学者・大プリニウスが記した『博物誌』にまでさかのぼります。大プリニウスの『博物誌』の記述によると、オブシディアンを発見したのはエチオピアのオブシウスです。これが現在の名称につながっていると共に、エチオピアでは全域に黒曜石が存在しています。現在商業的な産地として有名なのはメキシコですが、この土地はかつてアステカ文明が反映し、アステカでは祭祀用のナイフから武器に至るまで多くの道具に黒曜石が利用されていました。多くの火山を有し、マグマが急速に冷却される水資源にも富んだ日本にも多くの産地があり、国内で産出された個体も一部で流通しています。

日本のオブシディアン(黒曜石)と歴史

条件が揃えば世界中のどこにでも発生する可能性のあるオブシディアンは日本でも産出が可能な鉱物です。安永2年に奇石収集家の木内重暁が記した『雲根誌』には現在と同じ『黒曜石』の記述がされています。本州の山間部であれば静岡県の伊豆や熱海、神奈川県の箱根が主な産地です。沿岸部では離島に多く存在していて伊豆諸島や島根県の隠岐島、長崎県佐世保市の沖にある針尾島などがあります。加えて大分県東国東郡姫島村にある『姫島の黒曜石産地』は、かつて九州から中四国、大阪に至る広い範囲で使用された黒曜石の産地として、2007年に国の天然記念物に指定されました。

オブシディアン(黒曜石)のお手入れと保管方法

オブシディアン(黒曜石)のお手入れ方法

オブシディアンはモース硬度が5から5.5と、ガラス質で加工しやすい反面オパールに並ぶ繊細な宝石のひとつです。着用後のお手入れは研磨剤を含まない乾いた布かセーム革での乾拭きで十分でしょう。しかし、ガラス質で水には強いため、天然石ブレスレットのように直接肌に触れるアクセサリーの場合、汚れが強いと感じたら水洗いをすることも可能です。ただし、モース硬度が低い宝石なので超音波洗浄はできません。指輪などのジュエリーを専門店で洗浄してもらう場合には、その旨をきちんと伝えてからお願いしましょう。パワーストーンの目的で着用しているのであれば、パワーストーンの浄化もお手入れといえます。オブシディアンは厄除けの力を持つとされており、自浄作用の強い石と考えられているため頻繁な浄化は必要ありません。日光や流水を使う方法も可能ですが、変質を防ぐために塩を使った浄化は非推奨です。また、水晶クラスターを使う場合はモース硬度7の水晶の方が硬い石になるので、ビーズのブレスレットなどは傷つけないように注意してください。

オブシディアン(黒曜石)の保管方法と注意点

オブシディアンは水や紫外線による影響をあまり受けない丈夫さを持っていますが、天然ガラスという特性上、衝撃に対する耐性が低く壊れやすい点に注意が必要です。万が一割れてしまった場合には、破片がガラスと同様に鋭利なものになるので、怪我をしないように処理する必要があります。また、アクセサリーの継続使用もできません。水に強い宝石であるため頻繁なつけ外しはせず、外した後は厚手の布でできたポーチやタオルのハンカチなどで保護しましょう。着用後に保管する場合は、固いものとの摩擦で傷つくことを防ぐため、他のアクセサリーとは分けて収納するとよいでしょう。パワーストーンの場合もクッション性のある入れ物に入れておくのがおすすめです。

オブシディアン(黒曜石)の市場価値

高い天然ガラスへの注目度

宝石には様々な鉱物が用いられていますが、近年は産出量の少ないレアストーンやオブシディアンを含む天然ガラスなど、珍しい宝石にも注目が集まっています。隕石の衝突で生じた熱エネルギーによって気化した鉱物が再結晶化したテクタイトの一種と考えられるモルダバイトもその一つです。チェコ周辺の限られた地域で発見される緑色の天然ガラスで、その美しさから価格が高騰する宝石になりました。モルダバイトに類似した由来を持ち、リビアン・グラスあるいはリビアン・デザート・グラスと呼ばれる濃い黄色が特徴の天然ガラスも注目されています。こちらは科学的な由来が確定していないものの、発見される地域に隕石由来とみられるクレーターがある点が特徴です。隕石が空中で炸裂した際の放射熱によって砂が解かされ、再結晶化した結果であるとされます。隕石由来の天然ガラスはいずれもごく限られた量しか存在していません。価格は高騰を続けると考えられますが、オブシディアンは火山由来の天然ガラスであり、産地も多岐にわたることから極端な高騰に直面する可能性は低いでしょう。

原石のままでも人気

オブシディアンは火山由来の天然ガラスですが、宝石として利用できる品質のものはあまり多くありません。隕石に由来するテクタイトに比べれば産出量は見込めますが、透明度の高いものや高い光沢が生じるシラー効果を持ったものは数が少ない状況です。そのため、高騰していないといっても十分に希少価値が高くなっています。バリエーションであるスノーフレーク・オブシディアンの他、赤色の模様を含有したヴァーミリオン・オブシディアンなどの変わり種を見つけることもできるでしょう。こうした天然の模様を持った石は同じものがないため価値が高くなります。また、オブシディアンは宝石だけでなく鉱物そのものの珍しさから研磨されていない原石の状態での取引も活発で、鉱物愛好家からの注目度の高さもうかがえる珍しい宝石です。

オブシディアン(黒曜石)の値段と価格相場

オブシディアン(黒曜石)の相場

オブシディアンはガラス質の鉱物です。多くの宝石で用いられている、大きさを示すカラット数でその大きさや重さを換算しないため、購入に際しては寸法と重量から大きさを判断します。最も一般的な黒くて艶のあるメキシコ産個体のルースであれば、重量が10グラムで300円台と考えてよいでしょう。原石の状態や加工する形により、全く同じ大きさや重さに整えられているものばかりではないため、同じ価格でも個体差がある点を理解しておきましょう。購入を検討するのであれば、各個体の特徴が分かる店舗で探すのがおすすめです。また、オブシディアンは非常に加工しやすい宝石のため、彫刻による加工を施した品物や、マッサージに使用するかっさに加工された品も多く流通しています。こうした加工品は加工の度合いや大きさによって価格が異なるのが通常です。ジュエリーとしてのクオリティが必要なく、片手で持てるかっさであれば500円から1,000円程度で購入することができます。

珍しい模様やジュエリーは若干高額

宝石の中では手ごろな価格のオブシディアンですが、珍しいものやジュエリーに加工されているものは若干価格相場が高くなります。例えば北海道産のヴァーミリオン・オブシディアンは1グラム当たりの価格が120円と、一般的なメキシコ産と比べると4倍程度の価値です。また、宝石よりもクオリティの低い石からも加工できる天然石ビーズはジュエリーのルースに比べて割安になります。産地指定のない黒いオブシディアンのビーズは10ミリ大のラウンドカットで1粒100円程度ですが、メキシコ産のスノーフレーク・オブシディアンは同じサイズで1粒200円程度です。ジュエリーに加工されているものは地金のコストも含めて安価なものだと1万円台から販売されていますが、婦人物のハイグレードな商品であれば3万円台から10万円前後までと価格帯が広がります。

まとめ

黒曜石の和名で知られるオブシディアンは、人類の繁栄にも寄与した天然ガラス質の鉱物で、深い黒とガラスに由来する光沢が魅力的な宝石です。スノーフレークと呼ばれる白い斑点を持つものや、赤色の斑点模様が入ったものなどバリエーションも豊富で、鉱物愛好家もこの原石にも注目しています。天然ガラスの中でも火山性の岩石から産出されるため世界中に産地があり、極端な価格高騰の可能性も低いことから手に取りやすい宝石のひとつでしょう。

 

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