印刷工場などで大量生産された市場流通量の多いポスターは、一般的な絵画やリトグラフに比べると美術品としての価値では劣ります。 しかし、人気アイドルや俳優、映画をモチーフにしたものであれば、その話題性と希少性によって価値の高いコレクターズアイテムになることもしばしばです。またポスターには、発行されてから時間が経った後でプレミア的価値が付くものもあります。「高値で売りたければとにかく早く売るべき」といった固定観念に縛られない点は、ポスターの売買における面白さのひとつと言えるでしょう。 では、どのようなポスターが高値買取の対象になりやすいのでしょうか。 一例として、1960年代以前のポスターは高額買取が期待できます。市場での流通量が少ないために評価が高く、高値で取引されやすい傾向にあるのです。 今の時代のようにデジタル技術が発展していない頃、1960年代以前に作成された映画のポスター、パンフレット、チラシは、職人による手描きのイラストで描かれていました。映画の登場人物が写真のように描かれている、戦後の日本の香り漂う手描きの映画ポスターは、今でもコレクションとして高い人気を誇ります。 ただ古いというだけでは価値が付きにくいこともあるでしょう。ポスター、パンフレット、チラシはいずれも1980年代以降のものになると分野的にも新しく、大量生産技術が確立された後に作成されていて市場流通量が非常に多くなるため、希少価値もそれだけ低くなります。 しかし、特撮、怪獣映画、当時のアイドルや有名俳優のものなど、コレクターの多い特定分野を題材にしたものは、その人や作品タイトルによって高価買取につながるケースが多数あります。