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金貨の種類を徹底的にご紹介!
地金型金貨から
日本の金貨の歴史まで

投資用に製造される地金型金貨とは?

みなさんは、金貨も種類によって名前が異なることをご存じでしょうか?最初に、現在では一般的になっている「地金型金貨(じがねがたきんか)」から紹介していきましょう。投資目的で発行している金貨で、オークションや貴金属を取り扱っているお店で購入できます。

投資目的で発行される金貨

地金型金貨は発行時の地金価格に製造・流通コストなど、少額の諸経費がこの額面に上乗せされて販売される金貨です。この諸経費のことをプレミアムといい、プレミアムの額は、含まれている金の純度によって変動します。

地金型金貨には普通、法定通貨としての額面が表示されており、含まれている金の量や、品位(純度)が表示されていることもあります。鋳造を行うのは各国政府の造幣局などで、重量や品位に関しては各国の政府によって保障されています。

買取価格は地金型金貨の価格

地金型金貨の買取り価格は基本的に地金価格がメインなので金相場の影響を大きく受けます。金相場をチェックしていれば買取り価格の大枠を判別できますので、買取時には確認してみてください。

また、地金型金貨の買取時に再販が可能な状態であれば、コスト分のプレミアムも上乗せして買い取ります。もし状態が悪くても地金価格での買取は可能です。

地金型金貨は投資向けに発行していますが、なかにはデザインの美しさやプレミア感から、コレクターから人気があり、取引価格が高い金貨もあります。ですが基本的に地金型金貨は大量に現存しているため、希少価値や歴史的価値は低くなることが大半です。

 

人気の高いK24の代表的な地金型金貨

K24とは金の純度を表しています。各国の造幣局が発行している純度99.99%以上と人気の高い純金の金貨です。ここからは地金型金貨の代表格ともいえる金貨をご紹介していきます。

メイプルリーフ金貨

世界一の流通量を誇るメイプルリーフ金貨は、カナダ王室造幣局が発行している地金型金貨です。知名度がとても高い金貨ですので、名前だけ知っているという方もいるかもしれませんね。1979年に創鋳されて以来毎年発行されており純度は99.99%以上になります。

表側にはエリザベス2世女王の横顔が。彫られているエリザベス女王の横顔ですが、年度ごとにデザインを変えて発行。コレクションすることでエリザベス女王の一生を見てとることができるんですね。一方裏側には、メープルシロップでおなじみのサトウカエデの葉が通年変わらず施されています。

金貨は5つの種類がありますが、それぞれ表記されている額面はあくまで名目上のもの。したがって、市場価格において表記された額面より大幅に価値が高くなるのです。

マイクロ単位のレーザーマーキングや放射線状のラインの彫刻など、高度な技術が多く施されているメイプルリーフ金貨は偽造が困難とされています。そのため世界で最も安全性のある金貨だという評判です。

ウィーン金貨

オーストラリア造幣局により1989年以降、毎年発行されているウィーン金貨。純度99.99%以上の地金型金貨です。他にもオーストラリア造幣局で初めてのプラチナコイン、プラチナウィーンコインハーモニーも発行されています。

ウィーンときくと、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を思い浮かべますよね。表側には、定期演奏会場である楽友協会の「黄金の間」にあるパイプオルガンがモチーフのパイプオルガンが。裏側にはビオラやヴァイオリン、ホルン、ハープからファゴットなどの管弦楽器が彫られています。

2004年に直径37センチ、31.1キログラムの大きな金貨を15枚の限定販売品として発売。当時では世界最大の金貨としてコレクターから大きな注目を集めました。オーストラリアの伝統が表現された金貨といえますね。

バッファロー金貨

地金型金貨のみならずコレクター向けのプルーフ金貨としても発行されているバッファロー金貨。純度は99.99%のこちらは、アメリカ合衆国が初めて発行した純金貨です。アメリカ合衆国の造幣局が2006年以降から発行している比較的新しい地金型金貨になりますが、純金という点やそのデザイン性からかコレクターに人気がある金貨です。

表側にはアメリカの先住民インディアンの肖像。裏側には名前の由来になっているバッファローの姿が彫られています。アメリカの原住民であるネイティブ・アメリカンにとって、バッファローはアメリカの歴史を象徴する動物です。

バッファロー金貨の発行以前にも、他の地金型金貨がアメリカにも存在しましたが、金の純度が低く信用性に劣るとされていました。このような時代背景により純金のバッファロー金貨は、人気を集めているのでしょう。

カンガルー金貨

過去に自然金塊(ナゲット)のデザインが施されていたため、別名ナゲット金貨とも呼ばれているカンガルー金貨。1986年以降にオーストラリアの西オーストラリア州政府公営のパース造幣局によって、発行され続けている純度は99.99%以上の地金型金貨です。

こちらも表側にはエリザベート2世女王の肖像が彫られています。裏側には、名前の由来になっているオーストラリアを象徴するカンガルーが彫られているのですが、毎年カンガルーの絵柄が変わりますので、コレクターにも人気の金貨。

他の金貨とは違い、各年のデザインに評価の差があらわれるのが特徴です。発行年によって発行枚数が変わってくるため、金相場以上に価値や価格が変動。それゆえ、日本では知名度が高い金貨で、ウィーン金貨やメイプルリーフ金貨と並んで「世界三大金貨」とも呼ばれています。

 

K24以外の地金型金貨も魅力的

純度の高い金貨はもちろん人気ですが、K24以外の地金型金貨でも魅力的なものが多くあります。純度以外の魅力をもつ地金型金貨についてもご紹介していきましょう。

イーグル金貨

イーグル金貨は、アメリカの造幣局が1986年から発行している人気の金貨です。

表面には自由の女神が、裏面にはイーグル(白頭鷲)というアメリカ合衆国の国鳥が彫られています。デザインは1種類であるため、イーグル金貨の種類は重さの違いでわけられるのです。純度は91.67%となります。

かつての流通用金貨と同じように、銀や銅と合わせて合金にすることにより摩耗することを軽減しているのがイーグル金貨の特徴といえるでしょう。更にイーグル金貨は、収集目的のために加工されたものも発行されています。

昔「イーグル」という用語は、1933年以前アメリカ合衆国で発行していた10ドル金貨のことを指していました。1933年ルーズベルト大統領がアメリカ市民の金保有を禁止。金本位制・金貨の製造も停止され、1933年銘の金貨は全て溶解されることになったのです。

ブリタニア金貨

1987年から毎年発行されているブリタニア金貨の純度は91.7%。イギリスの王立造幣局が発行する金貨です。1980年代、金に投資する機運が高まり、地金型金貨の先駆者だった南アフリカが発行するクルーガーランド金貨に対抗して発行するはこびとなりました。

表面にはメイプルリーフ金貨と同様にエリザベス2世女王の肖像。裏面にはブリタニア女神がデザインされています。ブリタニア女神は、グレートブリテン島のラテン語名に由来する、イギリスを擬人化した女神。

女神ブリタニアの姿は、海の神ポセイドンが持つ三叉の槍とユニオンジャックの盾を手に持ち、頭にはコリント式の兜をかぶっています。18世紀ごろの家具装飾に多用されており、イギリス国民のあいだでは昔から親しまれているモチーフです。加えて平和と食物を表したオリーブの枝も彫られました。

金貨のデザインには、英国を象徴する女神ブリタニアにとって重要なコンセプトを暗示させるデザインです。地金金貨を発行している他の国とは違って、発行枚数が限定されデザインの豊富さといった観点から、資産価値が非常に高い地金型金貨。希少性が高いため、見つけたら買うというスタンスが多くなっています。

クルーガーランド金貨

クルーガーランド金貨は、1892年から1900年にかけて発行されていた「1ポンド金貨」を模したもの。世界有数の金産出国である南アフリカ共和国の造幣局が発行している純度は91.67%の金貨です。

表面には20世紀初めまで存在した、トランスヴァ―ル共和国の大統領ポール・クルーガーの肖像が。裏面にはウシ科であるアフリカの動物スプリングボックが彫られています。

この金貨は投資用金貨の先駆であり、1980年代に日本でもブームを巻き起こしました。その後、アパルトヘイトへの抗議として世界各国で輸入が自粛されることに。現在ではわずかに製造・販売されているのみとなっています。

現在では日本でも売買されていますが、製造枚数が約5000万枚と多く希少性がないため、金市場でのプレミアムが削減しており、地金再生価格が主流となりました。

 

収集型金貨とは

投資目的の金貨が多くなっているとはいえ、収集家向けの金貨も存在します。金が持つ光沢やその独特の魅力から、昔から金は鑑賞用・収集用という用途でも愛されてきました。ここからはコレクター向けの収集型金貨を紹介していきます。

記念で発行される、収集家向けの金貨

金地金による資産管理の一つの形態として購入される地金型金貨。それに比べて趣味としての収集や、付加価値増大の期待によって購入されることから「収集型金貨」と呼ばれるようになりました。

現代においては通貨としての流通目的とはされていません。強制通用力はあるものの、その性質はメダルに近いものになっています。プレミア価値を期待して収集するコレクターが多く、ハイリスクハイリターンの傾向がある金貨です。

賭け事にも通ずるものはありますが、リスクがあるものほど魅力的にみえるのかもしれませんね。金の地金価格や通貨としての額面の両方を大幅に上回る価格で発売されており、発行当局は鋳造原価との差額を利益として得る仕組みです。

例えば、愛・地球博の記念金貨の額面は1万円ですが、販売価格は4万円になっています。一見矛盾が生じているように感じますが、収集型金貨の大きな特徴が表されていますね。

そのなかで記念金貨とは、世界各国の国家的な出来事を記念して発行される金貨です。しかし特に何かを記念しなくても、シリーズとして文化遺産や野生動物等をモチーフにすることもあります。高値の買取を目的とするだけでなく、コレクションとしての価値も高いのが収集型金貨の特徴です。

かつての貨幣制度において、金本位制が適用されていた際、本位貨幣として鋳造し販売され、流通していた記念金貨もありました。現在において記念金貨は、どれも金融機関において両替方式で交付された補助貨幣として発行されたものもあり、天皇陛下御在位六十年記念十万円金貨があげられます。

多くの場合は収集型金貨として販売されていますが、貨幣と違い表記額面と実質価値に差があるため、限定通用力しかありません。

記念貨幣を発行するにあたっては、何の素材(金・銀・銅)で製造するかはそれほど重要な問題ではないのです。世界的なイベントでは金貨幣が販売されることが多く、単なる歴史上事柄の周年記念硬貨などは銅貨で販売されることが多くなっています。

この銅でつくられた記念貨幣は、場合によっては発行する年の通常貨幣に替えて発行されることも少なくないため、普通に流通しているのです。カナダやアメリカ、フランスやイタリアといった国の記念硬貨はこの例に当てはまります。記念硬貨がそのまま通貨として使用できるのは魅力的ですね。思わぬ場面でレアな硬貨と出会えるかもしれません。

記念貨幣を最初に発行したのはローマ帝国といわれています。ローマ帝国では戦勝記念の貨幣を度々発行しており、被征服者を象徴的に表すことで権威を誇示するプロパガンダの目的がありました。

さらに貨幣には多くの場合、公定や国王の肖像が刻まれています。新しく即位した君主を記念する貨幣が発行されることもあり、新しい君主の肖像を宣伝する意味ももっているのです。広告のような役割を貨幣で行う手法は、現代でも広く普及できそうですね。

記念金貨は製造数の関係で数量が限られており、基本的に金地金の価格と額面を大幅に超えるような高価格で発売されます。額面は、ほとんど金地金の価格よりも低く設定され、市場における取引価格は収集家か、貨幣商の間の市場価格によって決定するのです。

しかし、日本の記念金貨の場合には価格に反映されるほどの希少価値がないことも多く、基本的にほぼ地金の価格での買取になっています。

収集型金貨が発行されるイベントの例

収集型金貨は、オリンピックのような国家の行事を記念して発売。コレクションや稀少性に対する付加価値の増大への期待によって購入されることより、「記念金貨」とも呼ばれています。収集型金貨は世界各国で発売。それぞれのデザインはもちろん、発行された背景なども様々で、世界中に収集家が存在します。

世界各国で記念金貨の発売が起こるのは、例えば国王の即位戴冠、婚儀、長期債委などの王室の慶事。またオリンピックやサッカーワールドカップ、万国博覧会などの世界的なイベントの場合がほとんどです。加え、単なる歴史上事柄の周年記念においても、記念金貨が発売されることもあります。

日本でも上述したような事象で記念金貨が販売されているのです。昭和天皇の御在位60年記念で初めて記念金貨が発行されて以降、日本での皇室の記念事項以外での記念金貨発行は、オリンピック・サッカーワールドカップ・万国博の3つでした。

皇室記念事項では「天皇陛下御在位記念10万円金貨」や「皇太子殿下後成婚記念5万円金貨」などがあります。

1964年の東京オリンピックでは記念銀貨を発売。収益を大会運営費にあてられたほど、爆発的な人気がでました。この成功をきっかけに、その後のメキシコオリンピックでも記念銀貨を大量に発行し成功。それ以降のオリンピック大会が開催されるごとに記念貨幣を販売することで、収益を大会運営費にあてるサイクルができあがりました。

さらに開催国以外の国でも、コレクターによる収益目当てで便乗することがあるようです。イベントの記念貨幣を販売したり、記念切手と同じような現象も生じています。

 

プルーフ金貨

みなさんは、日常的に使う硬貨に美しさは求めませんよね?しかし、コレクションにしたくなる金貨には美しさが必要です。そのための加工についてご紹介します。

美しい鏡面加工

元々は「流通用の貨幣を作る前の試作金貨」の意味として、プルーフ金貨との名称が使われていました。現在では「流通を目的としないコレクションとしての金貨」のことをさします。コレクターが楽しめるように、擦り傷などがない状態として製造されることが特徴です。完璧な美しさが求められているのですね。

では、コレクターが楽しむための加工とはどのようなものでしょうか。プルーフ加工を施すと、金貨の表面が鏡のように磨かれ、金貨の美しさがより一層引き出されるようになります。

一方でプルーフ加工をしている金貨はその分値段が上がっていくのです。相乗効果に伴い、コレクターはその美しさに魅了されていくのででょう。

プルーフ貨幣の歴史は、イギリスの17世紀に存在していたことが確認されていますが、正確な起源は不明とされています。

日本では明治時代の金銀貨幣において、技術者の指導者の下に、様々なテストを行いながら試験的に製造され、展示用の硬貨として製造したことが最初です。

その後も試験的にプルーフ貨幣の製造が行われましたが、本格的に開始されたのは昭和62年からといわれています。後ほど、日本の金貨の歴史について紹介いたしますが、明治時代が日本の金貨にとって大きな変化をもたらしたことがよく分かりますね。

次に、製造方法について紹介していきましょう。表面を磨き上げた極印といわれるハンコの役目をする金型を使用します。ここまでは地金型金貨と同じ製法ですが、更に、模様を鮮明にするため2回打ちをすることもあり、手間暇がかかっているのです。

現在、各国の硬貨には鏡面加工がされているものと、通常のものが製造されています。基本的には通常の硬貨を流通目的として製造され、鏡面加工が施されたものをコレクション向けとして製造。しかし、中南米貨幣のようなほとんどがプルーフタイプという珍しいケースも存在します。

プルーフ加工の種類

表面を鏡面に仕上げる「プルーフ加工」には3つの種類が存在します。一つずつ紹介していきましょう。

1つ目は「フロステッド・プルーフ」です。デザインの盛り上がった部分をすりガラスのような質感、平らな面は鏡面仕上げにします。

この加工によってデザインがより美しく際立つのです。日本の造幣局で製造されているプルーフ金貨は、このフロステッド・プルーフを採用しています。湿度による錆等を防止するために樹脂でコーティングする場合もあるそうです。

2つ目は「ブリリアント・プルーフ」。こちらはフロステッド・プルーフとは異なり、デザインで盛り上がった部分にも光沢が出る仕上がりになります。金貨全体をツルツルに仕上げることで光沢を際立たせるのが特徴です。

アメリカや中南米で製造されている多くのプルーフ金貨は、このフロステッド・プルーフを採用しています。

3つ目は「マット・プルーフ」です。こちらはブリリアント・プルーフとは逆に、金貨全体をマット仕上げ(つや消し)にしています。

このマット・プルーフを施している金貨は希少で価値が高いのですが、落ち着いた重厚感のある金貨としてコレクターの間で評判に。イギリスのエドワード7世戴冠記念コインセットが代表作です。

プルーフ貨幣の買取相場

鏡面加工が施された金貨は人気で高価値がつけられると紹介してきました。では実際の相場はどれほどなんでしょうか。

まずはじめに、プルーフ貨幣セットについて紹介します。プルーフ貨幣セットとは、造幣局が発行した未使用のプルーフ硬貨をセットにしてケース販売している物です。セットには大きく2種類に分けられます。

1つ目は「通常プルーフ貨幣セット」です。生活に流通している貨幣(1円・5円・10円・100円・500円)がセットになっており、1987年から毎年発行されています。

発行年代によって異なりますが、比較的「年銘板無」のセット数の発行部数が少ないことより、希少価値が高いとされるのです。

2つ目は「記念プルーフ貨幣セット」。特定の記念行事や著名人・キャラクターの生誕を記念して発行される貨幣のセットになっており、1997年から不定期で発行されています。

種類によって発行部数が異なってくるため、少ない部数のセットがより高額で買取られやすいです。特に、1995年に発行された「ロシアバレリーナコインプラチナプルーフセット」は発行数が少なく、人気のプルーフ貨幣セット。

最期に気になる買取相場ですが、日本発行のでは500円前後~10000円前後です。買取相場がかなり幅広いですが、価値を大きく左右するのはやはり「見た目の美しさ」。

不注意でほんの少し傷がはいってしまっただけでも、額面通りの価値で査定されてしまう場合がほとんどですので、取り扱いには細心の注意を払いましょう。

また、世界的に話題となった「天皇陛下御即位記念」や「東京2020オリンピック記念」の貨幣セットも高く買取されます。硬貨の状態や業者によって差がありますので、参考にしてみてくださいね。

古金貨

新しいものに目移りする中、歴史のあるものに価値がつくことも珍しくありません。

金貨も同様、アンティークものが人気を集めているのです。

古金貨とは

新しく発行される記念硬貨だけでなく、古金貨もコレクターのあいだで人気があります。古代リディアのアケメネス朝ペルシャで流通していた、ダリウス1世にちなんだダリック金貨は、コレクターのあいだでも人気の古金貨のひとつ。

また、古代ローマ帝国時代の初代皇帝アウグストゥス帝の時代に鋳造されたアウレウス金貨も、ダリック金貨に負けないほど人気です。

ナポレオン金貨やソブリン金貨も定番の古金貨になります。これらはさほど希少価値が高いわけではありませんが、地金型金貨として投資目的で購入する人も多いようです。加えて、明治時代に本位貨幣として発行された円もコレクターのあいだで人気。数万円から数十万円、ものによっては数百万円の価格がついています。

ウナライオン金貨

ウナライオン金貨とは、1839年に400枚のみ発行された5ポンド金貨です。有名な彫刻家で、イギリス王立造幣局の主任も務めたウィリアウム・ワイオンが施した「世界で最も美しい」といわれる金貨は、181年たった今でも世界中のコレクターを魅了しています。その証拠に、わずか400枚しかないウナライオン金貨は数千万円で取引されることもあるのです。

ウナライオン金貨は、ヴィクトリア女王の即位2年後に発行された記念金貨。贈呈用に発行されたコインセットのうち、5ポンド金貨のみデザインが刻まれています。世界の人類史において最も平和であった時代を築いたヴィクトリア女王。1822年に金本位制が始まったことから、19世紀の大英帝国(イギリス)は「世界の支配者」と表現できるでしょう。そんな国を率いたのは若く美しく、そして強いヴィクトリア女王でした。

表面にはうら若き麗しのヴィクトリア女王の肖像が彫られています。一方裏面には、イギリスをライオンに模しており女王がイギリスを世界の覇権へと導くデザインです。裏面の女王は「ウナ」といわれるイギリスの擬人として描かれており、「DIRIDGE DEUS GRESSUSMEOS」(我が君主が進むべき道を示すであろう)と彫られています。ヴィクトリア女王がイギリスでどれほど愛されているかがわかりますね。

ウナライオン金貨は、金貨の美しさだけではなくヴィクトリア女王の歴史を表しており、「繁栄の象徴=成功の象徴」として人気を誇ります。元々金貨を保有していた貴族層から、現在は資産家などの手に渡り、その価値は上がり続けているのです。2015年に行われたイギリスの首都「ロンドン」で開催されたオークションではウナライオン金貨が含まれる記念金貨フルセットが1億円で落札されるほど高額でした。

2019年には復刻版も販売され、本来のデザインの美しさを、現代技術を駆使し再現されました。オリジナルのものと区別するように、復刻版は「モダンウナ」という名称があります。この復刻版も大変人気があり、オークションでは約1000万円の値段がつくほどコレクターを熱狂させました。

日本の金貨の歴史-人々を魅了する理由

ここまで外国の金貨についてご紹介してきましたが、日本にも金貨は存在していますよね。日本の金貨の歴史と、人々を魅了する理由についてご紹介します。

大判・小判

日本は金とのゆかりが深い国です。マルコ・ポーロが『東方見聞録』で日本のことを「黄金の国ジパング」と紹介したことは有名な話ですね。マルコ・ポーロの時代の日本は、日宋貿易で中国と金を使った取引をしており、イスラム社会でも倭国の黄金伝説と言われる「ワクワク伝説」が伝えられていました。

実はマルコ・ポーロは日本に行ったことがなく、そもそもジパングは日本ではなかったのではないかという説もあるようです。とはいえ、日本では昔から金を生活に取り入れていました。ゴールド・ラッシュなど、金がたくさん掘り出された時期もあります。そうして金を使った大判・小判がたくさん作られました。

このマルコ・ポーロの時代は、日本では鎌倉時代にあたります。しかし、日本の鎌倉時代にはまだ鋳造貨幣が存在せず、砂金が取引に使われているだけでした。その後の室町時代にも、金貨はほとんど作られていません。

ただ戦国時代に入ってから、海外との交易が盛んになり、精錬法が導入されたことをきっかけに、金判がたくさん作られるようになりました。これがいわゆる大判・小判です。

大判の方が歴史も古く、天正16年に豊臣秀吉の命で鋳造された「天正大判」がもっとも古いものとして知られています。その後、「天保大判」「享保大判」などが鋳造され広く普及していきました。

大判は、延金(のしきん/のべきん)という槌やローラーで薄く広げた金塊のうち、楕円形で大型のものを指します。それに対して小判は、単に「金」と呼ばれるもの。これに対して大判は特に「黄金」や大判金とも呼ばれます。小判には決められた定義がないという特徴がありるのです。

江戸幕府の時代になると、貨幣制度は日本全国で統一されました。これにより貨幣でのやり取りがより一層活発になり、金貨が流通するとともに貧富の差も大きくなっていったのです。

興味深いのは、大判・小判の価値は時代によって大きく異なっていること。戦国時代では、金貨一枚あたりには現代の約29万円の価値があったといわれています。この金貨は小判にあたりますので、大判は小判の10倍の価値があるとされているため約290万円の価値があったといえますね。

現代においての大判は、金としての価値のみならず「古銭」としての価値が上乗せされます。特に大判は現存する枚数が非常に少なく、保存状態によっては高値で買取が可能です。安いもので200万円、人気で状態も良ければ、なんと1000万円に近い値段で取引されることも。

それに対して、大判よりも流通量が多かった小判はどうでしょうか。種類が豊富な小判は、種類によって値段設定が大幅に変わります。数が少なく貴重な小判は、そのぶん非常に高値で取引されるわけですね。

小判は大判に比べると意外なところから発見することも少なくありません。もし、手元に要らない小判がある方は、一度査定を受けて価値を把握してみるといいかもしれませんね。思わぬ収入になるかもしれませんよ。

円形の貨幣が発行された明治時代

幕末期では、金銀貨の改鋳によって貨幣が額面通りにならないことがありました。それぞれの貨幣が実質価値に基づく相場にて取引され、財政難に苦しむ藩から偽装貨幣がでることも。幣制は混乱を極めることになるのでした。

明治時代に入ると、明治維新の影響で貨幣の政策が幕府から明治政府へと移ります。国際的に信頼がある貨幣を発行するように迫られたため海外の金融制度が取り入れられて、現代のものに近い銀行制度が整ったのです。

日本は香港の造幣局にあった機械設備を導入して、大阪に造幣局を設置しました。こうして西洋式の貨幣を取り入れて、小判ではなく円形の貨幣がつくられるようになります。

明治4年には、新貨条例が発布されて日本は金本位体制をとるようになりました。これによって、江戸時代からの両・分・朱の単位から、円を単位とするようになったのです。純度90%の本位金貨である二十円金貨、五円金貨、十円金貨、一円金貨などがつくられ、いまでも高値で取引されています。金貨は法貨(通貨)として、金貨の鋳造を希望する者が貨幣局に金地金を輸納して金貨が交付される自由鋳造が定められました。

当初、硬貨のデザインはイギリスに委ねる予定でしたが、彫金師の加納夏雄による龍のデザインが優れていると認められたため採用。表面に天皇の肖像を彫ることも案としてあがっていましたが、西洋のような貨幣の伝統をもたず、また日本の伝統にはあわないとされた結果天皇を表す龍のデザインになったようです。

また、裏面には天皇と皇室の紋章としている菊紋「十六弁八重表菊紋」と、格式がある桐紋「五七桐花紋」があしらわれています。加えて、左右にはそれぞれ月と日が描かれた錦の御旗、中央には日章と八稜鏡、それを取り囲む菊と桐の枝飾りが配置されました。

新金貨では、当時の中国が龍のデザインを使用した硬貨を鋳造していたことから変更されたようです。表面には龍から「日の出る国」としての象徴、日章図案および八稜鏡に変更。裏面にあった菊花紋章は表面上部に移動し、その左右から菊と桐の枝飾りが半分ずつ配置されました。

 

まとめ

金が貨幣として使われるようになったのは、金が本来持っている耐久性や加工のしやすさ、そしてその美しさです。金は時代を超え国境を越え、人類を魅了しています。

人類にとって普遍の価値を持っているからこそ、金貨がいつまでも価値を維持しているのでしょう。

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