「ポメラート」は魅惑のジュエリーブランドとして世界中に知られている

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「ポメラート」は魅惑のジュエリーブランドとして世界中に知られている

ポメラートは、イタリア発のジュエリー会社です。このブランドを説明するときに「先進的」や「個性」という言葉が挙がりますが、それにはこれまでのプロダクト(商品)が関係しています。ブランドの歴史を解説しながら、その魅力に迫ります。

魅惑の雰囲気が漂うジュエリーブランドといえば「ポメラート」

ポメラートは、1967年にファッションの聖地であるイタリアのミラノで創業されました。創業者兼デザイナーを務めたのは、ピノ・ラボリーニです。彼はフランスのピエール・カルダンに影響を受けて、ジュエリー業界の革命を主導しました。常に新しい風を吹かせる開拓精神と、美しいカラーリングに代表されるブランドです。2013年からは、グッチやボッテガヴェネタも傘下に入る「ケリンググループ」に参画しています。

また、ポメラートが創業した60年代から70年代は、ウーマンリブに代表される女性の解放が叫ばれた時代です。ブランドもこの時代の雰囲気を取り入れて、女性が自ら選択できるプロダクトを展開しています。ジュエリー製品にはパワフルさや個性を押し出し、新しい形のスタイルを提案しています。もうひとつの特徴は、洗練された色の配置です。しばしばアヴァンギャルドとも称される前衛的な製品は、モダンでありつつ型にはまらない美しさが表現されています。

 

後発ながら世界的な名声を短期間で確立

100年以上の歴史を持つファッションブランドが多い中、ポメラートは1967年に創業と、ジュエリーブランドのなかでは後発です。しかし、今では世界的に認知のある巨大なブランドに成長しました。きっかけは二つあります。ひとつがプレタポルテを取り入れたこと、もうひとつがここで説明する「ドド(Dodo)」というポメラート発のセカンドブランドです。

ドドがスタートしたのは1995年です。キュートな動物がモチーフのジュエリーは、ユニセックスかつ幅広い年齢層に大ヒットしました。このドドの成功により、認知度は大きくアップしました。60種類以上の動物がラインナップされており、今でもブランドを牽引する存在です。2007年にはポムポムという新しいシンボルも登場し、他にもマーマノンマーマなどが控えるなど、充実のラインナップとなっています。時代とともに変わり続け、新しいファン層をどんどん開拓しているポメラートの快進撃は、まだまだ続いています。

 

ジュエリー界の常識を打ち破る「既製品」を実現

ポメラートはジュエリーの業界を大きく変えたと言われますが、その代表例が「プレタポルテ」の導入です。プレタポルテとはフランス語で「すぐ着られる服」を意味する造語で、転じて「高級既製服」のことを指します。これまでジュエリーの販売はオートクチュール(高級の仕立品)が主流でしたが、ファッション業界では1950年代より既製品の品質が上がり、高級品であっても既製品が店頭に並ぶようになりました。さらに、各国で所得水準があがったことで、ベビーブーマー世代という新しく大きな購買層が形成されつつありました。

その変化にいち早く気づいたのが、ポメラートの創業者であるピノ・ラボリーニです。彼は徐々に既製服が市場を席巻しているのに気づくと、これをジュエリー界に持ち込みます。彼が影響を受けたピエール・カルダンがプレタポルテを主導したことも要因のひとつです。ポメラートはジュエリー界でプレタポルテを先導するシンボル的な存在となり、大きく成長しました。

 

まとめ

今ではジュエリー界では知らぬものがいないポメラートですが、この成長の影にはプレタポルテの導入やドドの成功がありました。どちらも未来を先取りした戦略ですから、いかにこのブランドに先見の明があるかが分かったでしょう。広告やPR活動にも力を入れて、現在は女性のリーダーシップをサポートする活動も行われています。ジュエリーファッションを牽引することはもちろん、価値観の上でもトレンドセッターであり続けている存在です。

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