エルメスは150年以上の歴史を持つ皮革製品ブランドです。
出発点は馬具であり時代と共に革小物の財布やポーチ、バッグを主体に移してきました。
ここでは1998年に発表されたエールバッグとその後継のエールバッグジップについて解説していきます。
Contents
エールバッグから
エールバッグジップ
エールバッグはケリーを元にしており、より大胆にアレンジした作品になります。1998年に発表されて2006年に一度廃盤になりました。その後ファンの要望でファスナーを付け細部をアップデートして復活したのがエールバッグジップです。
エールバッグはハンドルからフラップ、本体の全てを分解可能であり、自分で組み立てを行える仕様になっています。また、本体はキャンバス素材でフラップ部分はヌメ革と異素材コンビになっているのが特徴です。モデルによっては縦の長さが違う本体が2種類セットになっています。
自分で分解してパズルのように組み立てられるバッグは斬新でした。発売当初はエルメスの新しい試みが話題になり、また10万円前後とエルメスの中ではリーズナブルであったため、かなりの数が販売されました。
好評なエールバッグでしたが、2006年には廃盤となりました。しかし、エールバッグは根強い人気があり再販を望む声が少なくありませんでした。そこで2009年人々の期待に応えて、リニューアルした新モデルのエールバッグジップが再販されました。
エールバッグジップは背面にファスナーがあり、同素材のストラップ付ポーチバッグとショルダーストラップが付属したモデルになります。元々のエールバッグの機能に加えてショルダーバッグとしても使えるように利便性がアップし、人々の期待に応える人気バッグとなりました。
用途や収納力で選ぶ
エールバッグジップ
エールバッグの廃盤から復活を遂げて人気のエールバッグジップは進化しています。ハンドルとフラップがレザー仕様で、本体はキャンバスのモデルを基本として、カラーやレザーなどのバリエーションが増加しています。
本体のサイズは4種類まで増え、荷物の収納量に応じて任意のモデルを選ぶことが可能になりました。GMは高さ33cm幅50cm奥行き25cmで、エールバッグでは最大の大きさのバッグになります。高さを41cmにした本体部分が付属しており、気分や用途で分解組み立ても行えるのが特徴です。JIS規格のB4ファイルがすっぽり入る大きさで、ビジネスシーンから小旅行まで対応が可能なバッグになります。
MMは高さ30cm幅38cm奥行き13cmであり、替えの本体は高さ38cm幅38cm奥行き13cmです。A4ファイルが入る大きさで、日本人に一番使いやすい大きさだと言われています。フラップとボディを黒やネイビーカラーなどのダークトーンで構成すれば、ビジネスショルダーバッグにぴったりです。
PMは高さ25cm幅30cm奥行き10cmで中間の大きさになります。雑誌などを入れるのに最適なサイズ感で、プライベートに丁度良い大きさになります。PMの替え本体は色違いや素材違いの同じサイズがセットになっています。組み合わせて楽しんだり、友人と違うのを購入してカラーを交換してみるのも面白いかもしれません。
TPMは最小サイズになります。高さ20cm幅15cm奥行きは7cmとポーチサイズで上部のハンドルはありません。ショルダーバッグにしたり、ポーチとしてバッグインバッグにすると最適な大きさになります。
エールバッグは
形でも選ぶことが可能
エールバッグには様々なデザインがあり、同じシリーズ展開でも雰囲気が異なるものがあります。特徴的なカデナが付いたモデルやショルダーまで様々です。自由に分解と組み立てが出来るのは、シリーズを通じた共通点です。一部モデルは互換性があるので、他のエールバッグと組み合わせて使ってみるのも面白いでしょう。
オータクロアや後続のサック・ア・クロアから引き継がれていたカデナを無くすのは思い切った発想でしたが、エレガントな雰囲気は全く失われていません。
エールバッグカバスはフラップのないオープン仕様であり、サイズの違う本体がセットになっています。エルメス独自のクロアやカデナはありませんが、よりシンプルに使いやすくなっています。
エールバッグアドはオータクロアのデザインを引き継いでいる代わりに大きなストラップを二本付けたリュックタイプのエールバッグになっています。カデナとクロアは好きな人からは一度でエルメスと判別出来るアイコンです。電車やバスなどの公共交通機関の利用や、長距離を歩く時にはこのアドシリーズは見逃せない名品になります。エールバッグだけではなく、代表モデルであるケリーバッグにもケリーアドが展開されており、こちらも人気です。ハンズフリーなので移動中に手摺に掴まりながら書類に目を通すなどのアクティブな使い方が出来ます。
エールバッグの正統な後継モデルであるエールバッグジップは、ファスナーポケットやポーチが付属していることで貴重品やスマートフォンの持ち運びも安心して行えます。ショルダーとして使えるのでプライベートから仕事まで幅広く使えるようになりました。
エールバッグを
自由に組み合わせてアレンジ
エルメスのエールバッグシリーズは様々な使い方や組み換え方が出来ます。自由に組み立てアレンジして自分だけのオリジナルを追求してみても良いでしょう。
シンプルに収納を増やしたり、小さなサイズをバッグインバッグにして小物整理に役立ててみる事もおすすめです。エルメスに拘らず、飾り紐を通してスタッズやワッペンでカスタマイズすることもユニークでしょう。エールバッグをキャンバスにして自分の好きなカラーを演出できます。
エルメスのようなブランドを自分で分解・組み立てられる事に驚く方は多いでしょう。特に分解に躊躇してそのまま使っている人もいるぐらいです。しかし、コンセプトが自由にアレンジできる事であり、エルメス初の試みの実験的な作品ではありますが作りは他のバッグと変わりません。エルメスのバッグは最良の素材を熟練した職人が20時間以上かけて丁寧に完成させると言われているのとエールバッグも同様です。
分解して付属の本体と交換してみても印象が変わります。何度かやってみると直ぐに慣れますので、お出かけの際に予備の本体に交換すれば余裕を持たせることが出来ます。
シリーズによりセットの本体は大きさ違いではなく色違いの場合があります。その日の気分に合わせて配色を変える楽しみ方が出来ます。複数のエールバッグシリーズを持っていると、フラップを交換したりクロアやハンドルを付け替えたりなど、アレンジのバリエーションを広げることが出来ます。モノトーンカラーで楽しんで原色の本体にするなど、イメージ違いにして遊ぶことも出来ます。
エールバッグで遊ぶ
アクセサリー
エルメスには様々な小物があり、定番化してロングセラーになっているモデルも少なくありません。代表的なのはスカーフです。
例えば、エールバッグにスカーフをベルトストラップの穴に通して結び付ければ華やかな印象を加えることが出来ます。
古くからの定番商品であるメダル型ネックレスチャームもハンドルに通して結べば、バッグのアクセサリーに早変わりします。シルバーのピルケース型アクセサリーを同じように結び付けて、中に小物を入れておくのもいいかもしれません。
エールバッグの本体がキャンバス素材である事を活用して、ピンブローチをあしらうのも良いでしょう。黒や赤のバッグ本体が金色のピンブローチで、引き締まってクラシックな印象が強くなります。他にもレザーのアニマルチャームなどを付けて可愛く変化を持たせるなど、アイデア次第でイメージは一新します。
エルメスで遊ぶ
バッグインバッグ
ポケットやファスナーが多いバッグは一見便利そうに思えますが、使ってみると不便な事があります。小分けにすることで収納場所がわからなくなり、バッグの製造工程が増えれば材料や重さも増え、耐久性も損なわれるなどの構造的なデメリットもあるのです。
その点、シンプルなバッグは物が取り出しやすく構造的に軽く作ることが出来ます。一方で荷物が中で暴れてしまうなど、ポケットがないことで起きるデメリットもあります。こんな時には調整にバッグインバッグを使うと便利になります。
エルメスのエールバッグはシンプルな内装で物が取り出しやすい反面、小物を収納すると中が散らばってしまいます。そんな時にはミニバッグやポーチがあると使い勝手は飛躍的に上昇します。
エルメスのバッグインバッグとして有名なのは、フールビ20やフールビ25です。エルメスが選んだサイズ感と機能が集約したバッグインバッグであり、エールバッグだけでなく、ケリー25やバーキン25にも丁度納まるように出来ています。
贅沢なバッグインバッグをするのならば、ミニミニサイズのケリーバッグをポーチとして使う方法もあります。エールバッグよりもポーチバッグの方が高価であるという遊び心がある選択になります。定番の財布であるベアンのマチ幅があるモデルを小物入れやパスポートケースにして、バッグインバッグにするのもおすすめです。
エールバッグの面白さ
エールバッグは着せ替え感覚でセットの本体を交換し、複数のモデルのハンドルやフラップやベルトを交換しながらお気に入りのデザインを楽しむことが出来るバッグです。同色で落ち着いた印象にしてもいいですし、補色や重ね色などのカラーチャートを参考にしてみても面白いかもしれません。最初期のモデルは10万円前後で購入出来たこともあり、こうした遊びをしながらエルメスのファンになる人も少なくありません。
鞄を部分ごとに構造的に観察出来ることもエールバッグジップの良いところです。縫い目のステッチの美しさやフラップレザーのコバの処理、金具の打ち込みなどでハンドメイド独自の雰囲気を楽しめることも醍醐味です。レザーチャームやアクセサリー、スカーフなどでアレンジすればさらに遊びの幅が広がります。
まとめ
エールバッグやエールバッグジップは、実用性だけでなく、幅広いアレンジや遊び心を持たせることができる商品でエルメスの数ある商品の中でもおすすめの物になります。
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