20年前の傑作機を上回ったトゥールビヨン・スヴランの新作のポイント
正確な時を刻む手巻きの高度な技術
2019年1月14日、スイスのジュネーブにて開催された国際時計見本市SIHH、この会場でコレクターの話題をさらったのが、F.P.ジュルヌのトゥールビョン・スヴラン・ヴァーティカルでした。世界初のルモントワール機構を搭載したトゥールビョン・スヴランの発表から20年を経て、満を持して投入した新作は、トゥールビヨンケージを縦軸に配置、水平配置したものの倍となる30秒に1回の回転により、正確に時を刻むことができます。この垂直というのは、地面に対し常に垂直であることを意味します。時計を腕に付けて移動したり、時間を確認するために肘を曲げても垂直、さらに腕から外しデスクの上に置いたときも垂直です。常に姿勢を保持できる配置により、人の姿勢や時計の保管姿勢が精度に与える影響を最小にします。水平に配置されているトゥールビヨンを縦軸に配置するという革新的な発想は、機械時計の伝統への敬意を払いながらも創造と革新の道を歩み続けるF.P.ジュルヌならではと言えるでしょう。
緻密な設計に基づいた高度な仕組み
一見すると奇をてらったように見えるF.P.ジュルヌの設計思想は、精度を求めた結果が形になったに過ぎません。これは、1999年に発表された初代トゥールビヨン・スヴランに採用されたルモントワール機構にも共通しています。ルモントワール機構は、パワーリザーブが失われる42時間、機械時計の動力であるゼンマイの巻き上げ量を安定させ、トルクを一定に保つことで精度を安定させます。その名が知られるようになったのは、1999年以降からと言っても良いでしょう。実はこの機構は、長く忘れ去られていた技術であり、F.P.ジュルヌの手によって、本格的に日の目を見ることになります。その存在が知られるようになると、他のブランドもルモントワール機構搭載モデルを発表しました。しかしF.P.ジュルヌにとっては精度を追求する中でルモントワール機構の必要性を実感し、精密な設計に基づいて採用したに過ぎないのです。2004年に開催されたジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリにおいて、最高の栄誉「金の針賞」を授与されるなど、精度を追求し続ける姿勢は、他の有名ブランドや時計師からも一目置かれています。
高い技術を駆使した精度へのこだわりは秀逸
世界で注目を集めるF.P.ジュルヌは、出荷する国や地域によって微妙な調整を加えています。国や地域ごとに異なる経度によって変化する重力の違いを考慮した調整を施すことで、機械式時計の課題である遅れや進みの影響を最小化、さらにバックルの違いまでも意識するなど、精度へのこだわりは秀逸です。またトゥールビヨン・ヴィラン・ヴァーティカルにも精度へのこだわりが見て取れます。トゥールビヨンを水平から垂直へと置き換えたのも、時計が置かれている状態やバックルの尾錠の位置に関係なく、同じ振り角を保てるようにするためです。その結果が、回転速度が60秒に1回から30秒に1回へと倍に、さらに精度を±2秒に収めるなど精度を飛躍的に向上させています。トゥールビヨンの縦軸配置を必要と確信したとしても、腕時計という限られた空間で実現するのは簡単ではありません。意味のない変更はしないといわれるF.P.ジュルヌは、試行錯誤と高い技術力を駆使した末に精度へのこだわりを形にしたのです。
トゥールビヨン・スヴラン・ヴァーティカルの本当の魅力
トゥールビヨン・スヴラン・ヴァーティカルの魅力は、機械式時計の中でも屈指の高い精度、複雑機構をさらに進化させる独創性と革新性を備えた、孤高の天才時計師ジュルヌ氏が生み出した至高の逸品です。自社製エナメル製オフセットダイヤルは、見るものに心地よさを与え、周囲に施された職人の手によるギョーシェ彫りのクル・ド・パリは、美しさとともに天才時計師ブレゲへのオマージュを感じられます。見せる機構も健在、パックリと口を開けた開口部に振動数を見て楽しめるフドロワイヤント機構が存在感を放っており、コレクターが注目するのも無理はありません。高い実用性を証明するパワーリザーブは80時間、トルクを安定させる縦軸配置のトゥールビヨンは耐衝撃性にも優れており、高い精度を担保するルモントワール機構により、今までにない精度へと到達しました。孤高の天才と評されるジュルヌ氏が生み出したトゥールビヨン・スヴラン・ヴァーティカルには、どこか伝説的な時計師ブレゲを思わせる雰囲気が漂っています。
まとめ
独立時計師が支える世界的な高級時計ブランドの世界に一石を投じたのが、F.P.ジュルヌです。天才と評価されるジュルヌ氏は、ブレゲとの交渉の末、最初に制作した時計を提供する代わりに支払いの前金50%を受け取る契約を結びブランドの立ち上げを実現、以降、世界を驚嘆させる数々のアイテムを生み出し続けています。創造的で革新性に富みながら伝統への敬意を欠かさないF.P.ジュルヌは、歴史こそ短いものの機械時計の本質を体現する存在と言えるでしょう。
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