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【アンデシン-Andesine】

アンデシンの特徴と宝石言葉

アンデシンの特徴と鉱物学的な性質

アンデシンは鉱物グループである長石の中にある斜長石に分類される鉱物のひとつで、ナトリウムの多い曹長石とカルシウムの多い灰長石の中間にある鉱物で、これは中性長石と呼ばれています、アンデシンは独立した鉱物であり、現在は学術的に中性長石の分類を使わなくなりました。また鉱物名としてのアンデシンは役目を終えていますが、宝石の名前としては現在も使用されています。このアンデシンの名称は、アンデス山脈に多く見られる安山岩・アンデサイトにちなむと考えられているのが一般的ですが、アンデシンはアフリカ大陸のコンゴで発見され、主な産出国はチベットやモンゴルを含む中国大陸です。

アンデシンが珍しい宝石である理由

アンデシンは産出量の少ないレアストーンと考えられますが、それは鉱物学的な特徴に由来します。宝石のアンデシンを含む斜長石はケイ酸塩鉱物で、アルミニウムとケイ素、そして酸素を含有しますが、そこに加わるナトリウムとカルシウムの量によって鉱物の種類が変わります。アンデシンはナトリウムに富む曹長石とカルシウムに富む灰長石の中間の性質を持ち、これがかつて中性長石と呼ばれた理由です。この中間の性質を持つ宝石にはラブラドライトがあり、曹長石と灰長石の性質が少し違うだけで別の鉱物が生まれるのです。

アンデシンの宝石言葉

アンデシンは古代より、チベットで神聖な石と考えられていたとも伝わっていました。宝石言葉には「変化」や「調和」が挙げられます。一見するとひとつの宝石が全く反対の意味を持っているように見えますが、様々なエネルギーを最も良い状態に整える効果があると考えれば、非常に意味のある言葉といえるでしょう。

アンデシンの色と魅力

アンデシンの色と
よく似た宝石・サンストーンの存在

アンデシンは透明なものから褐色のものまで広く存在していますが、アンデシンの名前で最も知られている宝石の色はオレンジ色を帯びた赤色です。特にフェルドスパーに分類される宝石の中でも、高い透明度と濃い赤色を兼ね備えるのはこのアンデシンだけです。意外なことに赤色が美しいアンデシンには対照的な緑色のものが存在していますが、アンデシンの赤や褐色の色味は微量の胴を含有していることに由来していて、緑色を呈するものもまた銅の影響を受けています。珍しい宝石のアンデシンですが、この宝石には非常によく似た宝石が存在しています。アンデシンは灰長石と曹長石の中間の性質を持ちますが、その比率は全くの同率ではなく6:4の比率になります。これが中性長石から灰長石に分類が改められた理由で、アンデシンが珍しい原因です。しかし、カルシウムとナトリウムの比率が異なっていても、よく似た色合いと性質を持っている宝石があります。それは同じフェルドスパーに属するサンストーンで、アンデシン同様に胴を含有したオレンジ色を呈しています。しかしサンストーンはナトリウム分の多い曹長石に分類される鉱物で、雲母などを内包するために生じるアベンチュリン効果があらわれていることも多く、アンデシンとは別の宝石です。

アンデシンの魅力

アンデシンの魅力は透き通った深い褐色系の赤色の美しさにありますが、鉱物学的に見ても珍しい性質を持っており、その希少性からコレクターアイテムとしての魅力があります。古くはチベットで神聖視されてきたという歴史にも神秘的な印象を持ちやすいので、パワーストーンとしても非常に興味深くとらえられるでしょう。

アンデシンの産出国

アンデシンの産出国と異名

現在、アンデシンが産出されているのは中国大陸のチベットやモンゴルで、中国においては2008年のオリンピックを機に、このアンデシンとこれによく似た宝石であるサンストーンが大会を象徴する石と定めています。このほかにはアフリカのコンゴも挙げられることがありますが、発見されたコンゴにおいても継続的な商業採掘には至っていないため、現在流通しているアンデシンはほぼ中国大陸で産出されたものと考えてよいでしょう。また、アンデシンは古代のチベットで珍重されたとも伝えられており、現在もチベットで産出されています。こうしたチベットに所縁のある宝石であることから、アンデシンは「チベットの石」をあらわすチベットナイトの異名で呼ばれることもあります。

産地とは異なる命名の由来

アンデシンの名称は、南アメリカを貫くアンデス山脈に多く存在する安山岩(アンデサイト)から、この宝石が発見されたという逸話に基づき命名されたとされています。しかし、南アメリカの山中から赤い宝石のアンデシンが採掘されてきた歴史はありません。宝石以外の石を含めた鉱物学の世界では、かつて曹長石と灰長石の中間にある鉱物で、宝石のアンデシンを含む中性長石をアンデシンと称していました。このことから、アンデス山脈の安山岩に由来する説は、宝石以外の中性長石を含めたアンデシンの名称の由来と考えられます。また、現在では学術的に中性長石の分類が用いられておらず、アンデシンは灰長石(アノーサイト)の一種とみなされています。そうした経緯の中でもアンデシンの名前は宝石に残されていることから、名前の由来が複雑になっているといえるでしょう。

アンデシンの
お手入れと保管方法

アンデシンのお手入れ方法

アンデシンはモース硬度が6から6.5の宝石で、ジュエリーとしての加工には向きますが、決して丈夫な鉱物ではありません。斜長石自体が強度の低い鉱物なので、ジュエリーに加工できる石は珍しいのです。したがってアクセサリーを着用後は乾いた柔らかい布か、研磨剤を含まないシカなどの動物の革で作られるセーム革を使って乾拭きをします。パワーストーンアクセサリーで直接肌に触れる場合も少なくない宝石ですが、水に対しても耐性があまりないので、水洗いは推奨されていません。指輪やブレスレットは濡れやすい場面では外し、濡れてしまった場合はよく拭いてから風通しのいい日陰で乾燥させてください。専門店でクリーニングする場合、超音波洗浄とスチームに適していないことを伝えましょう。

アンデシンの保管方法

アンデシンを含む長石類には、特定の方向に割れやすい『へき開』という性質があります。アンデシンは、へき開性があると同時に鉱物の硬さを示すモース硬度があまり高くないので、落とすと割れてしまう危険性があります。アクセサリーを外す場合は固い地面や机の上に落とさないように注意しましょう。他の固い金属や宝石と擦れた場合には傷つく恐れもあるので、他のアクセサリーとぶつからないように保管することが推奨されます。加えて日光に当たると赤色が褪せてしまう可能性があるので、直射日光に当たらない場所に保管しましょう。

パワーストーンとしてのお手入れについて

パワーストーンの用途で利用している場合、日常のお手入れに加えてパワーストーンに合わせた浄化のお手入れを行うことがあります。アンデシンの場合は水に濡れることと日光にさらされることを嫌うので、水洗いや日光浴を避けた方法で行ってください。

アンデシンの市場価値

アンデシンは希少性が高い

アンデシンが正式な宝石として認知されるようになったのは、2002年にアフリカのコンゴで赤いフェルドスパーのアンデシンが発見されたのが始まりです。他の名だたる宝石と比べると発見からの日が浅く、産出量の少ないレアストーンに含められているため市場価値は高いといえます。さらに2008年の北京オリンピックに際して、大会を象徴する石にアンデシンが挙げられたことから認知度も高まっているので、世界的に注目されている宝石のひとつになっています。このように注目されたアンデシンですが、大きな原石では見つからない宝石なので、カラット数の高いものはより価値が高いです。加えてチベット産は「チベットナイト」の異名があるだけに、色や透明度が格別とされているのでより価値は高まります。価格は色の濃さや透明度により異なりますが、産地を証明する書類が手元にあるジュエリーを持っているのであれば、証明書とあわせて保管するのがおすすめです。

アンデシンは知る人ぞ知る宝石

認知度はそれなりに高くなっているとはいえ、アンデシンはダイヤモンドやガーネットに比べると珍しい、マイナーな宝石のひとつです。そのため一般的な宝石専門店で広く販売されている宝石ではないので、探す場合はレアストーンに詳しい宝石専門店から探すのがよいでしょう。またレアストーンのひとつではありますが、ジュエリーとしての需要はあまり高くないので既製品での流通はあまり多くありません。パワーストーン用途であれば既製品も購入しやすいですが、一般的なアクセサリーの購入を検討している場合には裸石(ルース)を探してオーダーする方が購入しやすい可能性があります。

アンデシンの値段と価格相場

フェルドスパーの中では最も高価

アンデシンは同じフェルドスパーの中でも希少性が高いため、特に価値が高いのが特徴です。例えばルースの状態ならムーンストーンが1カラット当たりの相場が5,500円前後、オーソクレースとも呼ばれる透明感のある黄緑色が特徴的なサニディンであれば、黄緑色で質の良いもので1カラットが7,000円ほどです。一方、チベット産の濃い赤色を呈するアンデシンのルースは1カラットあたりの相場が16,500円前後と、フェルドスパーの中では非常に高く、チベット産に代表される透明度と色の濃さをあわせもつ質の良いものは多くありません。フェルドスパーに属する宝石は不透明なものが多いため、透明度の高いものはやや高額になりますが、アンデシンは産出量の少なさもあってその中でも特に価値が高いです。

アンデシンは天然石ビーズでも高額

チベットナイトの異名をとるアンデシンは、古代からチベットで神聖視されてきた歴史もあってパワーストーンのひとつとしても人気の高い宝石です。そのためパワーストーンアクセサリーに合わせ、ビーズ状に加工された品物も流通しています。こうしたハンドメイド材料のアンデシンは不透明な物や色が揃っていないもの、原石の凹凸を研磨しただけのものがしばしば用いられます。一般的にハンドメイド材料の天然石ビーズは、宝石に比べて割安であることが多いですが、アンデシンの場合は色のクオリティによって差があります。特に色が濃く揃っているものであれば10ミリ未満のビーズが1粒2,000円を超えることも珍しくありません。色が不揃いなものであれば価格は下がりますが、それでも他のフェルドスパーに比べて割高ではあります。

まとめ

アンデシンは主にチベットから産出されるフェルドスパーの一種で、フェルドスパーの中では珍しい透明度と赤い色合いを持っています。2002年に発見された新しい宝石であり、産出量の少なさから希少性の高いレアストーンに数えられ、銅に由来する褐色系の赤い色も相まって非常に魅力的な宝石です。とりわけチベット産のアンデシンは「チベットナイト」の異名を取り、神秘的なパワーストーンとしても注目が集まっているといえます。

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